台湾南方の離島の防空監視力をテストしているのは「輸12」双発プロペラ輸送機。

 おそらくエリント装置搭載だろう。

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 James Holmes 記者による2022-2-15記事「Want to Innovate in the Military? Beware of the “Machiavelli Effect”」。
   テクノロジーの躍進と組織革新を潰し続ける「マキャベリ効果」とは何か。

 現状を維持するための再投資にしか関心をなくしてしまった組織人が、「ゲートキーパー」と化し、あらゆる権謀とイヤガラセを駆使して、部下や部外から提出されてくる新案をことごとく却下し続け、ついに組織を《生きている化石》状態にまで停滞させてしまうこと。

 ※陸自の「特科」と「攻撃ヘリ」が尖閣方面の対支抑止に何の役にも立っていないのはまさにコレ。20年以上も「ゲートキーパー」が勝ち続けているのだ。とうとう自爆型UAVと長距離誘導兵器では、イエメンのゲリラにすらも劣後するようになった。

 米軍において「マキャベリ効果」の端的な例を挙げれば、それは新空母『ジェラルド・フォード』である。この関係者たちは16世紀のイタリアの都市並に硬直している。

 マキャベリは『ローマ史家のリウィウスを材料としての私議(ディスコルシ)』の中で指摘した。どうも人間というものは、本来的に、新しいモノは信用しない。彼らじしんがみずから一度、体験して味わわぬうちは。
 だから、今日の都市君主が都市改革しようと思ったら武力をもって武断するしかない。もしその武力がないのに組織改革しようとすれば、彼は都市の既得権益集団から全力で殺されるのみだと。

 マキャベリまたいわく。組織の指導者たちが、過去の化石となって暮らす路線を堅持しようとするならば、その指導者たちを取り替えるしか、大変化の時代に組織が繁栄して行ける可能性はない。

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 Anna Akage 記者による2022-2-14記事「Could Ramzan Kadyrov Be Putin’s Successor?」。
   69歳のプーチンは、これから永久に生きられるわけじゃない。

 ではその後継者候補として最近急に注目されているのは誰か。

 45歳のラムザン・カディロフ。ひげもじゃの土豪スタイルで、チェチェン共和国を仕切っている。
 ただし、67歳のルカシェンコが25年間もベラルーシの帝王であるのとは、ひとあじ違う。

 ルカシェンコはただのプーチンのパペットにすぎない。
 しかしカディロフはセルフメイドの権力者なのだ。
 チェチェンのイスラム教徒を情け容赦なく鎮圧している手腕は、プーチンはだし。年齢の点でも、プーチンの後継者にはふさわしい。

 政敵の排除に警察を使う点でもプーチンに匹敵する。先月、もとチェチェンの最高裁判所の判事、サイディ・ヤングルバエフの妻を、露領のニジニノヴゴロドまで警察を派遣して拉致。他の家族は、標的のサイディも含めて、皆、国外へ逃亡した。捕まれば死の危険があるのだ。

 この2月にも、ひとりのジャーナリストがロシアから国外へ逃げ去った。カディロフが、そいつはテロリストでありチェチェンの敵だと名指ししたので。

 第一次チェチェン戦争(1994~96)ではカディロフは、その父とともに、反ロシアの分離主義ゲリラであった。

 しかし1999に父子はロシアへ亡命した。チェチェンにおいてイスラムのワッハーブ主義運動が優勢となったので。

 第二次チェチェン戦争(1999~2000)ではカディロフは、こんどは露軍の特殊部隊員となって戻ってきた。

 チェチェンの特殊部隊をみずから組織したカディロフの父は、その特殊部隊を親衛隊として、チェチェンの絶対権力者におさまる。2005にその父が死ぬと、息子が権力を引き継いだ。

 プーチンからまったく支援されずとも、カディロフは独裁を続けられる。ここが、子飼いの手兵を持っていないルカシェンコの脆い立場との、大きな違いなのである。

 ロシアにとっては、チェチェンがすっかりイスラム化してしまうのが、最もダメージが大きい。面積は小さいが、モスクワにとってはチェチェンの親露政権が磐石であることは、ウクライナ以上に重大関心事なのだ。

 カディロフは、自分はロシア連邦の大統領などという器ではない、と、ブログでは謙遜している。
 また同時に、ウクライナはロシア領であり、その住民が米国に対して立ち上がらないなら、チェチェンがロシア軍に加勢するべきだろう、と言っている。

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 Xavier Vavasseur 記者による2022-2-14記事「U.S. Navy christens first Snakehead LDUUV prototype」。
   「スネークヘッド」は潜水艦の「ドライ・デッキ・シェルター」から発進して自律行動するLDUUV(大排水量型無人潜航艇)である。

 動力源のリチウム電池は、特別に発火事故などを起こさないことが要求される。その開発はジェネラルアトミクス社の電磁システム部門が受注している。

 将来はLCSからもこのスネークヘッドを運用する。
 潜水艦から運用する場合は、従来、フロッグマン用の水中スクーターを出し入れする設備「DDS」が利用されるだろう。
 スネークヘッドの外径は、533ミリの魚雷発射管には、おさまらないので。

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 Sean Parrott 記者による2022-2-14記事「Strike Platoon: Employment of Loitering Munitions in the Battalion Landing Team」。
   2019年に米海兵隊は、RFI(新たに公募する新兵器の要求スペック)を公表した。現行の歩兵大隊がもっている火器よりも遠い距離を攻撃できる弾薬が欲しいのだと。

 その大隊に迫る危険をいちはやく察知して、脅威源をつきとめ、それを攻撃し破壊する。そんな弾薬シテスムを求む――。
 これは、攻撃型無人機のようなものによってしか、実現はできまい。

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 Patrick Tucker 記者による2022-2-13記事「Drones Shooting Microwave Rays Could Be the Drone Killers of Tomorrow」。
  敵のドローンのスウォームにはどう対処したらいいのか。
 米国のベンチャーである Epirus 社が提案する「Leonidas Pod」。

 マルチコプターに吊るすポッドで、その中には電池とマイクロ波発生装置がある。
 これで敵のドローンに近づいてマイクロ波を発射して撃墜するのが、いちばん合理的なのだという。

 電池は、ドローン本体の動力の電源とは別に独立している。ポッドの電池が切れたら着陸させて、ポッドごと取り替えればいい。