予言しよう! 「豆炭」と「七輪」が欧州を席捲する!

 練炭でもいいのだが、それだとサイズ的に融通性が落ちてしまう。豆炭なら、流通と消費の応用自在性も高くなる。原料はもちろん練炭同様、選ばない。
 そして、室内外を問わず、クッカーにもヒーターにもなるのが七輪。《土の時代》に戻るのだ。これこそ本当のエコだったのだ!

 掘って砕いただけの石炭では「燃焼ガス」が悪すぎる。そこで21世紀の最先端技術で「ハイパーデラックス豆炭」に特殊加工することにより、「あとガス」を改善する。これが課題だ。

 新プラントは、まるごと、浅吃水のSWATH船上に設けるがよい。緊急時に、豆炭を需要する諸国の沿岸でフル稼働。同地に、代替エネルギーの十分な供給見通しが立ったら、おもむろに撤収。そのまま他地域への応援に向かうこともできるし、採炭地の近くで操業率を最低にして機能維持/実験研究モードにしておくことも随意に選べる。

 七輪は割れやすいのが欠陥だ。しかし割れるタイプのものは、割れたらそのまま土に帰るようにすれば、欧州では評価されるだろう。もちろん、微泡沫で満たされ、ウィスカーで結合された、軽量セラミクス製の新七輪だって、工夫されて可い。

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 Justin Bronk 記者による2022-2-28記事「The Mysterious Case of the Missing Russian Air Force」。
   露軍の2-24開戦劈頭にはまず巡航ミサイルとSSMにより、地上の早期警戒レーダー施設を壊した。
 主要航空基地の滑走路にはクレーターができ、ウクライナ空軍は機能停止した。

 ウクライナ軍の防空ミサイル「S-300P」はスペア調達予算がなくて長らく、稼動しないシロモノだったが、これも緒戦で露軍が破壊している。

 ここまでは、1938年いらいのパターンだ。次に始まるのは、大規模な航空攻撃のはずだった。……が、今回は、それが無い。
 露軍の固定翼機による侵攻爆撃が、なされていないのだ。

 ウクライナ国境にすぐに突入できる位置に、露空軍の固定翼戦闘攻撃機は300機展開している。しかしこれが無活動なものだから、ぎゃくにウクライナ空軍の固定翼機によるDCA(低空域対空阻止戦闘飛行)が可能になっていて、これによって露軍の攻撃型ヘリコプター複数が撃墜されている。

 ※世界の兵器ベンチャーメーカーが次に開発すべきなのは、対ヘリコプター用の、手投げ式の固定翼型「自爆ドローン」だ。ホビー機用のマイクロジェットエンジンか、マイクロロケットを使えば、我に接近して近傍を低空フライパスしようとする敵ヘリに、レーザー・セミアクティヴ誘導でぶつけてやれる。かわされたなら、また回収して再使用もできる。敵は我がSAMを警戒して高空は飛ばない。誘導レーザーは、不可視光波長と操縦者眩惑波長を随意に切り替えられるものがよい。

 おそらく露空軍は、対地用の精密誘導兵装をほとんどストックしてないのだろう。それで、飛んでも仕方が無いと考えているのだろう。
 シリアに派兵されている露空軍のうち、PGMを投弾することがあるのは「スホイ34」だけに限られている。その「スホイ34」も、毎回はPGMを使わず、無誘導の投下爆弾やロケット弾を多用しているのが、観察されている。
 ※英国と同規模の国防予算しかない露軍が、全機種用にスマート爆弾を供給できないというのは自然な話だ。とすると、対NATOの本格交戦用に、温存しているのか。

 おそらく露空軍はシリアでコンスタントにPGMを射耗してきたために、本土貯蔵分のPGMストック量も、お寒い情況なのだろう。そしてPGMを運用すべき固定翼機の側にも、遠距離から使える「ターゲディングポッド」が〔非常に高額な電子光学センサーシステムであるために〕ほとんど装備が進んでいない。これではパイロットは地上の攻撃対象に非常に近いところからリスクを犯して通常爆弾や無誘導ロケット弾を投射するしかない。

 シリアのアレッポやホムスでは、露空軍機は、市街地に無誘導爆弾を遠慮なく投下して、ゲリラと無辜住民を一緒に爆殺している。しかしこれをウクライナでやったら政治的に大問題になりそうなので、ロシア指導部のどこかが、いまの段階では、その実行に躊躇もしくは抵抗をしているのかもしれない。

 露空軍は、80機ほどの「スホイ35S」と、110機の「スホイ30SM(2)」を擁しているはず。侵攻制空にも低空域防空にも対地攻撃にも使えるマルチロール戦闘機だ。
 それが敵AA殲滅後も敢えて飛び出さない理由は、PGMが無いからだ。

 考えられる、それとは別な理由。
 1990年代以降の露軍は、〔湾岸戦争型の大空襲に対応すべく〕高度に自動化されたSAMシステムにより、味方機を見境無く撃ち墜としてしまう危険が、非常に高くなっているのではないか。
 それで、同一戦場に、味方の空軍と陸軍を混在させられないのではあるまいか。

 だがそれならば、特定時間帯に特定高射部隊に、対空射撃を禁止させればいいだけ。やはり、空軍にタマが無いのか、立体作戦の訓練が不足なのだろう。

 露空軍の練度が低いのは秘密ではない。平均して戦闘機パイロットは年に100時間未満しか飛べていない。ヘリコプターや固定翼輸送機パイロットは120時間を超えるだろうが。

 これに比して英空軍、米空軍の戦闘機パイロットは、年に180時間から240時間、飛んでいる。その上に、よくできたシミュレーターも訓練に使える。

 この低練度の攻撃機隊が引き起こす「イメージダウン」を、露軍上層部では特に嫌忌するのかもしれない。なぜなら、ひとたびそれが世界にバレたら、誰もプーチンの脅しに屈してくれなくなる。

 ※兵頭の想像。バックファイア級は、次のステップの核戦争用に、リザーブしているのでは? おそらく潜水艦からの核魚雷だとプーチンの命令をほんとうに実行するかどうか不安が拭えないので、最初の一発の脅かしの核攻撃は空軍機を使用するだろう。ASMの発射を、ホワイトハウスもプーチンも、リアルタイムでモニターできるから。誰がやったのかに疑念が無いような流儀でなくば、制御不能のエスカレートに直結して、まずい。炸裂させる場所は、NYCに近すぎるとサンクトペテルスブルグが報復されてしまうので、ロングアイランド島の東南部海岸沖が選ばれるかもしれない。そのあとは、米側の出方次第で、戦域核の投げ合いにまで行く。マルチロール機は、バルト海方面の第二戦線用に温存しているのだろう。本格的なNATOとの空戦になるから。

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 Sofia Diogo Mateus 記者による2022-2-25記事「Ukrainians Google ‘how to make a molotov cocktail’ after defense minister’s call to arms」。
   木曜日にウクライナの国防副大臣ハンナ・マリアルが、市民は露軍に抵抗するための火炎瓶を製造せよと公式に促した。

 ウクライナの全人民がロシアに抵抗していると敵にわからせることが重要なのであると。

 製造した市民はそれをもって地域防衛隊に加われ。それによって総動員召集手続きを簡素化する。

 グーグルによると、ウクライナ国内での「いかにモロトフカクテルをこしらえるか」というサイトの検索は、これで跳ね上がった。

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 Michael E. Ruane 記者による2022-3-1記事「The history of molotov cocktails, from the Spanish Civil War to Ukraine」。
   ネット動画では、発泡スチロールを細かくして瓶の中の燃焼性油脂と混ぜている市民の屋外作業が報道されている。これは、油脂をゲル状にして飛び散りにくくするため。戦車から滴り落ちてしまっては面白くないので。

 モロトフカクテル(火炎瓶)が最初に製造されたのは1939年にソ連に侵略されたフィンランドだった。
 1943には米陸軍も教育フィルムを作って、これを使ってもドイツの戦車に対抗できる、と、兵士に自信を持たせている。

フィンランド版は、かなり凝ったものだった。ガソリン、灯油、タール、塩素酸カリの混合液を瓶に入れ、密栓してある(投げる者の安全のため)。したがって点火はボロ切れなどによらず、瓶の首にテープで貼り付けられた、硫酸アンプルによった。ソ連戦車の天板に当たって瓶とアンプルが割れると、化学反応が起きて自動発火するのだ。

 ※ウクライナ政府が慫慂しているボロ切れ点火式は、投げる者を危険にさらす。こんな事前準備しかしていなかったとは、ウクライナ国防省は恥を知れ。堂々と市民武装を呼びかけるなら、公然とガイダンスすべきは、IED工作法だろう。そして軍用の雷管を素早く配給しなくてはダメだ。

 ソ連がフィンランドを侵略するとき、モスクワはこれを「解放」だと称した。爆撃機が落としているのはクラスター爆弾ではなく、人道援助品だとまで宣伝した。当時のソ連外相がモロトフである。

 クラスター爆弾は当時からあった。空中で2つに割れて落下した、円筒状の爆弾容器の内側は、収納棚構造になっている。それをフィンランド人は、「モロトフの(人道援助品の)パンかご」と仇名した。そのノリで、火炎瓶は「モロトフのカクテル」と呼んだのである。

 ※フィンランドは、ウクライナに小銃2500、軽対戦車火器1500(自国改良型LAWか?)などを寄贈する。オーストラリア政府も、対ウクライナ支援(たぶんLAWの類似品を新規調達して贈与する)の名目で、まとまった予算を組んだ。