次の路肩爆弾は「タイヤ爆弾」になると見た。

 廃タイヤはどの幹線道路脇の草叢にもふつうに転がっているものである。
 タイヤのホイールは金属製ゆえ、金属探知機に反応するが、いちいちタイヤの中味が爆薬かどうか、気にする者はいない。
 タイヤのゴムは水を通さず、内部の電子部品を雨や雪や衝撃から守る。

 タイヤの内部容積は、爆薬を充填するにはじゅうぶんすぎるほど。もし少量であれば、ちょっと目視点検したぐらいでは、装填されていることはわからない。

 タイヤは、走行している民間トラックの荷台から偶然に転がり落ちたかのように偽装することもできる。誰もそれをみとがめない。

 置いた状態のIEDにもできるし、転がして敵車両を攻撃する積極攻撃武器にもなる。

 リアルの乗用車のタイヤのうち1個~4個をこれに付け替え、駐車爆弾とすることができる。

 使わないときは街中の車庫などに堂々と積んでおくことができ、ロシア兵はいちいちそれをチェックできない。

 次。
 Frumentarius 記者による2022-3-3記事「A SEAL turned CIA officer’s advice to vets volunteering to fight for Ukraine」。
   元シールズでそのあとCIAに入った記者が、ペンネームを使って解説する。もし元米兵がウクライナに義勇兵になって行くと決めた場合のアドバイス。

 もしわたしなら、行くときめたなら、米国務省にその旨を知らせておく。これは、許可が必要なためではない。

 ずっと後になり、キミは国務省の助けが必要になるかもしれない。そんなときに、事前の通信が互いの役に立つのだ。

 ウクライナにおける、キミの世話人についても、国務省には知らせておけ。現地でのキミの所属部隊についても同様だ。

 ウクライナでは、ウクライナ政府の言うとおりに公式の入隊登録をするべきである。

 そのさい、キミの勝手な希望は述べるな。どこの戦線に行って、何をして戦いたい、などといった要求をするな。ウクライナ軍が最も必要だと考える場所にキミは送られる。それを応諾すべし。

 軍隊は巨大組織である。キミはその部品となり、組織に一体化しなければならない。それが義勇兵だ。

 もしキミに外国政府や外国軍と協力していろいろと働いた経験がないのであれば、ウクライナ大使館での事前手続きをスルーしてウクライナ領内にいきなり潜入する行為は、おすすめできない。

 にもかかわらずキミがいきなりポーランドへ飛び、陸上国境を歩いて超えようと決意するのならば、次の忠告を聞け。

 道案内人をできるだけ早く確保すること。それなしで移動していると、キミはロシア兵からだけでなく、友軍から射撃されるおそれがある。

 ヨーロッパで武器を調達するのは不可能ではない。そのさい、使用する弾薬系がウクライナ軍のものと同じかどうかをよく確認しろ。違う弾薬系では、どこからもタマの補給は受けられない。

 もしわたしだったら、最前線へ向ってリヴィウを出立する時点で、武器もウクライナ国軍制服も、入手しておく。違った格好をしていると、ロシア軍からの注目を惹き、致命的だから。

 最前線ではウクライナ軍の部隊長の指揮下に入れ。後方の兵站線で勤務してくれと言われたら文句を言わずそれに従え。

 ※どうやら、ジャヴェリンを撃ったことのある退役兵が、行きたくてウズウズしているらしい。そりゃそうだろうな。

 もしキミがSERE訓練を米軍内で受けていなかったら、すぐにオンラインで学習しろ。これは捕虜(POW)になったときの心得である。

 次。
 Zak Kallenborn 記者による2022-3-3記事「Send in the Quadcopters: Arm Ukrainian Citizens with Simple Drones」。
   ウクライナ政府が、趣味や仕事でドローンを持っている者は、キエフ周辺の敵情収集のために、加勢してくれ、と呼びかけている。

 「キエフ市特殊旅団」の「第112部隊」が募集している。機体を持っていないが操縦スキルは持っている、という市民も歓迎だ。

 記者も呼びかけたい。アメリカ人は大量のドローンを買ってウクライナ軍に贈ろう! 偵察用なら、市価100ドルのタイプだって、役に立つのだ。
 ちなみにRPG弾頭投下にも使えるくらいの業務仕様だと1機が数千ドルになるが。

 ドローンから小さな手榴弾でも落下するのだと露兵が知って後は、彼らに安眠できる場所はなくなる。その後は、何の荷物も吊り下げられない非力なドローンでも、彼らの精神を疲れ果てさせるだろう。

 ドローン映像がユーチューブやフェイスブックにアップロードされることにより、露軍は国際法違反の虐殺ができなくなる。ロシアの悪行が世界に公知されることは、世界人民の利益である。

 ※露軍の無人機使用がウクライナ戦線では異常に低調なので世界が驚いている。おそらくドローン運用は「イニシアチブ」精神と関係がある。ロシア兵にはイニシアチブはない。だから、文化的に相性が悪いのだと思う。逆に言うと、イラン人には「イニシアチブ」があるわけだ。

 ※さいきんSNSで見かけた、クォッドコプターでありながら200km/時以上で軽々と水平飛行ができてしまう試作商品が、将来戦場に対してのおそろしいポテンシャルを持っていると印象された。このクォッドコプターのローターは、下向きに四軸、ついている(プッシャー型)。降着装置は無く、代わりに下側に昆虫触覚形のアンテナが「八」字状に伸びている。そして中央部の胴体は、縦(天地方向)に長い、カプセル状なのである。このカプセルの胴体部(それはローター回転面よりも上方へ長々と突き出している)を片手で握って、地面から離した位置でモーターを始動させ、そこからそのまま上昇させる。上空で、本体は横に傾き、水平飛行を始める。その姿はもう、手持ち発射式の対戦車ミサイルの雛形と言っていい。操縦は、カプセル先頭についた画像素子から電送されてくる動画をモニターしつつ行う。軽々とアクロバット飛行もできてしまい、不意に墜落してしまう心配などまるでなさそうに見えた。結論。この商品のサイズを拡大させるだけで、おそらく対戦車ミサイルの価格破壊が起きるはずだ。1発数十万円になるだろう。ジャヴェリンの百分の一だ。それを多数、ぶつければいいだけだ。イランとフーシが、巡航ミサイルと同じ仕事をそれよりもはるかに安価な固定翼プロペラUAVでなしとげつつあるように。