カリブルの命中精度がトマホークの三分の一くらいしかないと判明。それゆえ格納庫を直撃できず、ウクライナ軍の飛行機が生き残ってしまったのだ。

 滑走路の中央にクレーターをあけることにも失敗していることが衛星写真で分かる。惨憺たる不成績だ。

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 AFPの2022-3-23記事「Russian space agency wants foreign partners to pay it in rubles」。
   ロスコスモスは、今後、西側の会社が衛星の打ち上げを注文するときには、支払いはルーブルでしてくれ、と発表した。

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 Jessica Casey 記者による2022-3-22記事「Whitehaven Coal to supply coal to Ukraine」。
   オーストラリアの炭鉱会社ホワイトヘヴンは、人道支援の一環として、ウクライナに、暖房用の石炭を送る。
 社の説明によると、これによって既契約顧客への積み出しに支障が生ずることはない。

 同社はまた、豪州赤十字に対して25万オーストラリアドルを寄付する。これは赤十字の対ウクライナ基金に入る。

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 Thomas Newdick 記者による2022-3-24記事「France Has Increased Its Ballistic Missile Submarine Patrols For The First Time In Decades」。
    フランスは過去30年ほど、SSBNの同時複数隻による公海パトロールは、させていなかったが、このほど、計4隻保有する『トリオンファン』級SSBNのうち2隻を急いで、ブレスト軍港から公海へ出させた。

 すでに1隻はルーチン仕事として大西洋を遊弋中である。これによって同時に3隻が軍港の外に出されることになる。異例である。※露軍が先制核攻撃をブレストに掛ける可能性があると考えるわけ。もちろんその事態は、対NATOの全面核戦争である。

 フランス海軍の1隻のSSBNには、16基のSLBMが搭載されている。すべてMIRVである。

 仏製SLBMは「M51」といい、レンジは6000マイル。RVは通常6個だが無理すれば10個まで可能。各RVのイールドは100キロトンである。もちろん対レーダー用デコイも併載。

 フランスのSLBMは、3隻のSSBNに装填するのに十分な数しかメンテナンスされていない。だから今回は、目一杯、外海へ送り出したことになる。

 仏海軍の場合、1隻のSSBNは連続2ヵ月~3ヵ月のパトロールをこなす。今回、既に外洋に出ていた1隻の帰港を遅らせ、正常にそれと交替するはずであった1隻に、メンテナンスが終了して訓練サイクルに入っていた次の1隻を添えたのかとも想像される。残りの1隻はおそらくドックでオーバーホール中で、急には出撃させようがないコンディションだろう。

 今後しばらくは、常時最低2隻を外洋に出し続けるつもりだろう。

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 Adam Lucente 記者による2022-3-23記事「How Russia demanding gas payment in rubles will affect the Middle East」。
   世界の四大天然ガス輸出国は、ロシア、カタール、米国、豪州だ。ドイツ政府は3月21日、カタールが増産開始し次第、そのガスを買うことに決めた。

 ※ロシアがガスを輸出しているパイプラインをさっさと爆破してしまえばロシアは最も早く経済崩壊することはNATOには常識として分かっているはずであるが、さすがに4月を過ぎないと西欧域内での暖房需要・発電需要がまだ大きく、貧民層から死者でも出れば現政府が選挙で窮地に追い詰められるから、5月まではその爆撃を控えるつもりだろう。その時間かせぎをやっている間に、カタール等には増産の態勢を整備してもらい、次の冬までには供給元をロシアから他へ切り替えてしまうというのが、この1年の作戦になるのだろう。

 他方で、サウジアラビアは、中共向けの原油の決済を「元」で可能にしようと考慮中である。これは米ドルの力を確かに弱めるだろう。

 ロシアから原油を買っている国としては、トルコがある。その決済はいまのところ、米ドルだ。

 ※ドイツは「MG42」の現代版である「G3」軽機を100梃、ウクライナ軍に進呈した模様だ。切り裂け!


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 ストラテジーペイジの2022-3-25記事。
    3-24、ポーランドの飛行場を離陸した2機の、トルコ空軍所属の「A-400」ターボプロップ四発輸送機がウクライナの飛行場に着陸してとんぼ返りした。露軍の妨害は受けなかった。追加のTB2を届けた可能性あり。

 3月21日時点でトルコは5万人のウクライナ難民を受け入れている。これはさらに増える見通し。
 また一方、反戦派のロシア人も、トルコへ逃避しつつあり。その数は2月末以降、1万4000人だという。

 トルコのバイカル社は、ウクライナの「イフチェンコ・プログレス」社から、「AI-322F」ターボファン・エンジンを供給してもらうことになっている。これは、TB2の後継機として開発中の「キジレルマ」無人攻撃機用で、この無人機はVTOLでき、トルコの強襲揚陸艦上から運用することになっている。初飛行は2023年を予定していたが、ロシアの侵略でまったく見通せなくなった。

 ※災害難民支援用に最適の装備は、空自の「待機車」である。NBC汚染地域からのエバキュエーションにも使えるから、これをポーランドに送るべきだ。空自所有分を全部送ってしまい、穴は新品で埋めればいい。

 2017年時点で露軍には、次のUAVがあった。「グラナト-1/2/3」「ザワスタ」「フォーポスト」「ザラ-421」、「イルクト-10」「オルラン 10」「エレロン-3SV」「タキオン」。

 「オルラン-10」の単価は48万ドルくらい。カタパルトから打ち出され、回収はパラシュートによる。95オクタンのガソリンを燃やすエンジンで飛ぶ。

 「エレロン-3SV」は単価5万5000ドル。電池動力。滞空は2時間まで。手投げ発進させる。

 米国は2017にウクライナに「レイヴン」初期型を与えたが、通信が非暗号だったのですぐに露軍に電波妨害されてしまった。それで米軍もいろいろ学んで改良ができた。

 ウクライナ軍は2016-8月から国産の「PD-1」無人機を使い始めている。PDとは「人民のドローン」の意。
 また、小型ながら30分飛行できるマルチコプター・ドローンの「PC-1」は、2017年の後半から投入している。

 PD-1は、市販の部品をオーストラリア、中共、チェコ共和国からあつめてきて、オフザシェルフ部品だけで急いでこしらえた。
 米軍もとりよせてみたが、性能は同寸の専用機に遜色なく、なんと価格は1機が2万5000ドル未満なので感嘆した。レイヴンより1万ドルも安いのである。

 ユーザーの軍隊に創意というものがあれば、このくらいできるという見本だった。露軍の電波ジャミングにも平気なようにちゃんと考えられている。

 その後、PD-1は輸出もしているようだ。

 PD-1は自重33kg、ペイロード8kg。長さ2.54m×ウイングスパン3.19m。カタパルト発進&パラシュート回収だが、3輪を使う離着陸もできる。ガソリンエンジンでプッシャープロペラを回し、6時間滞空可。高度は3000mまで行ける。

 ビデオ電送の画質は「1080p」と高解像度。電送信号は暗号ゆえ傍受されないが、搭載メモリに記録させることもできる。

 レイヴンのように1機が3万5000ドルもしたら、平時には、おいそれと訓練もさせられない。それでは普及しないのだ。手投げサイズのUAVは、最初から、墜落してぶっこわれても気にならぬくらいの低価格になるような、設計上の着眼が、開発者と発注者の双方に必要なのである。

 ウクライナは「パニッシャー」という小型の攻撃型UAVも、秘密の場所で製造している。工場がロシア軍に知られてしまうと爆撃されるので、秘密なのだ。
 2014年に東部ウクライナを侵略されたときに苦汁を飲まされた将兵が、このUAVを開発したという。
 固定翼機で、ペイロードが2kgある。したがって手榴弾サイズの弾薬なら3個、搭載できる。それを1個ずつ、投下できるのだ。

 高度は400mまでしか行けないが、3時間もの滞空が可能。通信を最小に制限する工夫がしてあり、その在空の気配を消せるという。

 動力はバッテリーで、7分あれば満充電が完了する。
 パニッシャーの攻撃対象は、露軍の輸送トラックである。

 ※仏軍もウクライナ軍に対して、小型の「自爆型無人機」を提供した模様。機種は不詳。