米国からの次の援助武器品目が凄い。「逆ベトナム」を狙っているのは明らかだ。日本は、ぼやぼやするな!

 Lexi Lonas 記者による2022-4-1記事「Pentagon announces $300M in aerial systems, military weapons for Ukraine」。
   すでに米国はウクライナに23億ドル強の援助を決めている。それにさらに3億ドル追加する。

 米国の追加援助品目。秘話機能付きの戦術無線機。対UAV器材。特別な自動火器。

 ※雑報によって補おう。長射程のロケット弾。それも、レーザー誘導。ピューマUAV(RQ-20)も送るそうだ。つまりHIMARSの改良システム? だとすれば、発射機から70km離れた場所のあらゆる車両を爆破できる。弾頭炸薬90kgだから、ブラストだけでMBTも廃車に。GPS妨害も効かない。ピューマが赤外線イルミネーターで照射したところに、落ちる。その方式の誤差は、GPS式よりも小さい。INSバックアップもあるし……。これで東部戦線をグイグイと押して行けるだろう。また、装甲HMMWVのような車両も供与する気らしい。非コモンレールのディーゼル大復活時代が来るかも。

 ※泰西方面に関して、対露高等政略として日本から梃子入れする価値が最も高いのはトルコである。米国はポーランド経由でウクライナを支援するのが最も有利なのだが、日本からだとこのルートは遠いのだ。それに比して、日本→トルコ経由→ジョージア経由→ウクライナ支援 とするなら、対露の有力な「第二戦線」が効率的に構築される。やり方は簡単だ。S-400級の高性能SAMを日本独自に開発することにして、それにトルコ企業を一枚噛ませる。これでトルコはインドの百倍たのもしい日本の味方になる。同時に、バイラクタルの次の攻撃型無人機には、三菱重工が出資して、人も派遣してはどうか。彼らも大歓迎するのではないか。UUVもトルコが内製できるようにJVすべし。それで黒海はトルコの海になる。

 次。
 Franz-Stefan Gady and Oskar Glaese 記者による2022-4-1記事「What Could European Militaries Contribute to the Defense of Taiwan?」。
   ヨーロッパのうち、英仏独伊蘭西波の7ヵ国だけが、実質、台湾を軍事的に助けることができる。

 ※ハマスやヒズボラが発射しているような、ロクに狙わない、ゲリラ戦専用の、簡易な地対地ロケット弾でも、信管だけ、高性能な近接VT信管をつけておきさえすれば、たとえば上陸軍の橋頭堡にとってはたいへんな脅威になる。硫黄島で、わが「噴進砲」は、ほとんどがアサッテの方向へ飛んで無駄弾になってしまったのだが、現代の技術なら、廉価に、リーサリティを高められるはず。そういうものを援助用品として準備しておくべきではないのか?

 次。
 Jacob L. Shapiro 記者による2022-3-31記事「The Geopolitics of Food」。
   現在世界の食糧生産は、地球総人口に対して完全に足りているが、40%が無駄に捨てられているのと、人々が肥満になっているので、その皺寄せで飢餓が増えている。

 ※T-72系列のような、どうしようもないMBTを、今後、活用せよと言われたら、ダンナ、どうしやすかい? あの役立たずなERAの弁当箱を、リアルの「糧食収納ゲペックカステン」に替えたらよいのではないか。中味をぜんぶ、飲料水、炊事燃料、乾麺包などにするわけだ。今次戦役の最大の戦訓は、補給段列から切り離された機甲部隊は、単純に「飢える」というリアリティじゃないか。ATGM対策としては、主砲弾薬を全部、車内から撤去。空いたバスケット下にはストロングゼロの缶でも詰めておけ。主砲は短く切断し、その砲尾に、14.5ミリの車載重機を移設。爆発性の弾丸は、1発も、車内に入れておかぬようにしなくてはなるまい。小銃弾の薬莢なら、誘爆性はそれほど高くないし、燃えても被害は高が知れる。自動装填装置を撤去すれば、負傷兵を便乗させる余裕のスペースができる。これで「NBC環境下でのレッカー車」くらいには、なるだろう。需要は高いはずだ。

 今後の変化を考えるには、「国際肥料市場」も予測して行かなければならない。

 人類の肥満率は1975年にくらべて三倍である。世界の19億人以上の成人が体重過剰。18歳以上の人の40%が肥満。

 ※雑報。リトアニアはロシア製の天然ガス輸入を遮断することに決めた。Bucha市から追い払われた露兵は、置き土産に、住民大虐殺をやらかした模様。京城を追い出された北鮮軍の再演か? ある戦線では、露軍の一個小隊が、小銃と軍服を全部捨てて去った痕跡あり。便衣に着替えて、どこへ行ったんだ?

 ※1939ノモンハンの文献を読み返していて、あらためて痛感すること。10加、15榴、15加のような野戦重砲兵が敵機甲部隊に蹂躙されたときの、部隊の戦力低下ギャップが酷すぎる。最優秀の砲兵が、標桿にゴボウ剣を縛着した土民兵のレベルに、一挙に、おちぶれてしまう。どうしてそうなるかというと、砲兵に対して「IED教育」「肉薄攻撃教育」をしていないからなのだ。重砲用の弾薬だけは、うなるほどにあるのだから、その砲弾そのもの、あるいは中味の炸薬を再利用して、ただちに「IED」、あるいは対戦車地雷、あるいは肉攻資材を組み立て、それによる対機甲の近接戦闘ができるように、ふだんから砲兵を教育しておく必要があったのである。「砲兵の準工兵化」だ。そうすれば、我が陣地に敵部隊が迫ってきたとき、地雷原を急設する方途もあった。今次ウクライナ戦線でも、152ミリSPや多連装の弾薬が、未使用の状態でまとまって遺棄されていて、臨時のIEDとして活用されている様子がない。露軍はそれでいいとして、日本軍がそれではいけないだろう。