アンジェリーナ・ジョリーは、カマラ・ハリスよりも一枚上手であることを証明した。

 Alex Horton, Claire Parker and Dalton Bennett 記者による2022-4-30記事「On the battlefield, Ukraine uses Soviet-era weapons against Russia」。
   ソ連時代、ウクライナの工場は、ソ連軍の軍需品の3割を製造していた。それは主にミサイルと艦船だった。
 たとえば『モスクワ』を沈めた「ネプチューン」巡航ミサイルは、ソ連時代の「Kh-35」をベースにした改良品だが、その「Kh-35」は、ハリコフ工場で量産されていたのである。
 ハリコフは東欧における「デトロイト」のような工業都市だと思えばいい。

 SIPRI統計によると、2017年から2021年にかけて、ウクライナは、世界第14位の武器輸出国だった。
 売り物は、ガスタービンエンジンや、ミサイルなど。

 ウクライナ国有の兵器会社は「ウクロボロンプロム」と称す。その従業員は7万人近い。

 『モスクワ』を沈められた直後、露軍はキーウ近郊の1工場を空襲した。そこは「ネプチューン」と、「Alder」という、目標座標入力式の自律誘導型地対地ロケット弾の製造を分担していた。

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 ストラテジーペイジの2022-5-1記事。
   オデッサ沖130kmの海底に沈んでいる『モスクワ』のサルベージのため、セバストポリ軍港から、サルベージ艦『Kommuna』および7隻の随伴船が出動中。

 『モスクワ』が沈んでいる海面は、水深50mという。このことは、艦体が横倒しであったとしても、大型タンカーの底が当たる可能性があることを意味する。危険な水中障害物になるかもしれない。

 『コムナ』には、1万2000トンの巡洋艦を持ち上げるほどの力はない。しかし特定の部材を回収することはできる。
 電子装置の回収が優先されていると考えられる。それが西側に拾われると、いろいろ困る。

 『コムナ』は現役の軍艦としては世界最古。なんと1915年にオランダで建造されているのだ。就役当時の艦名は『Volkhov』で、用途は、浅海底から潜水艦をサルベージすること。だから珍しい双胴船体となっている。排水量2500トン。これほど長く朽ちずにいられたのは、ステンレス鋼を使っているからである。

 2000年の『クルスク』事故のあと、潜水艦救難艦としての機能が備わったようである。

 『コムナ』の乗員(99人)は小火器で武装しているが、『コムナ』に固有兵装はない。しかし戦時国際法上、ウクライナがこのサルベージ艦をミサイル攻撃しても、何の問題もない。

 黒海の平均水深は、1253mである。
 しかしクリミア半島よりも北寄りに限れば、そこは大陸棚になっていて、100mもない。
 ドナウ、ドニエプル、ドン、ドニエステル、クバンといった大河が運んでくる泥が厚く堆積しているわけだ。
 なお、固有備砲ありの軍艦で世界最長寿の現役であるのは、ブラジルの河用砲艇の『Parnaiba』720トンで、1938年の就役だ。

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 2022-4-29記事「Salt makes solar thermal power more cost-effective」。
   オイルヒーターのオイルは摂氏400度までしか保熱できないが、「溶融塩」なら550度まで保熱できる。そこで、太陽熱温水器のような集熱構造(パラボラ反射型)でまずソーラー熱をうけとめ、それを「熔融塩」に移して物理的にパイプ内を循環させ、それをボイラーの熱源として真水を蒸気に変え、発電モーターを駆動しようじゃないかという試みがなされている。「熔融塩」は熱を12時間まで蓄えられるので、夜間も発電が継続される。このソーラー・サーマル発電はコストを抑えやすく、低緯度地方であれば、有望だ。