TB2は同日に2隻をやっつけたらしい。2機が飛んでいたという説もあり。

 2022-5-2記事「Ukraine Claims TB2 Drones Sunk Russian Patrol Boats Off Snake Island」。
   ウクライナ国防省が、公式SNSに投稿。同日に撮影されたビデオ映像で、2隻の露軍の「ラプトル」パトロールボートにTB2からの弾薬が直撃し爆発。場所はスネーク島沖。時刻は日の出の直後。

 ウクライナ本土沿岸(ドナウ河デルタ)からは20海里。

 「ラプトル」は、スウェーデンの「CB90」級を模倣したスタイルである。最高速力48ノット。
 露軍には他に「BK-16」という高速襲撃艇もある。

 「ラプトル」は全長が55フィート。最大20人を乗せる。固有クルーは2~3名。通常、リモコン式の14.5ミリ重機×1と、双連7.62ミリが固有兵装。

 TB2が使った兵装は、トルコ国産のレーザー誘導爆弾ではないかと思われるが不詳。

 ウクライナ軍は、これより前にも、1隻の「ラプトル」に対戦車ミサイルを命中させている。しかし、撃沈には至っていなかった。

 次。
 Lateshia Beachum 記者による2022-5-2記事「The ‘Ghost of Kyiv’ was never alive, Ukrainian air force says」。
   複数のウクライナ政府高官が『ワシントン・ポスト』記者に対して「ゴースト・オブ・キエフ」は存在しないと請合った。それはウクライナ人が創作した神話キャラクターであると。

 2日前には『ロンドン・タイムズ』が、それは実在人物だと報じたのだが。(3月13日に空中戦死したとまで報じられた。)

 次。
 Dan Lamothe 記者による2022-4-30記事「Western artillery surging into Ukraine will reshape war with Russia, analysts say」。
  なぜ西側諸国からウクライナへの155mm砲の供給ラッシュが続いているか。

 露軍はウクライナの都市をひとつひとつ、砲撃ですべてのビルを跡形もなく破壊することにより占領して行こうという、恐怖の都市破壊戦術を採用している。

 これを防遏するためには「対砲兵戦」の必要がある。つまりこっちの野砲で敵の野砲を沈黙させるのだ。

 それには、GPS誘導砲弾「エクスカリバー」が役に立つのだが、155mm砲弾用だから、ウクライナ軍がもとから持っている152ミリ砲からは発射できない。

 というわけで、弾薬と大砲と、コミで供給してやるのが早道なのである。

 だが今の数量バランスでは、露軍側に圧倒的に砲数の優位がある。しかも向こうは、ターゲットが都市のアパートだから、誘導砲弾の必要がない。ウクライナ軍は、155mm砲の操砲訓練にも時間をとられてしまう。

 そこでゼレンスキーは米国にHIMARSの供給を求めており、米国内の専門家も、それは実現するのではないかと思っている。

 ※これは米国大統領としては難しい判断になる。というのはHIMARSは対支戦争の切り札だからだ。これをウクライナへ送ってしまうと、西太平洋がガラ空きになってしまう。ではMLRSか? これも難しい。それは北欧での対露戦のための切り札だからだ。当面は、「ハーピィ」のような自爆無人機でなんとかするしか、ないのではないか? それと、砲撃を受けている都市民のために、ガレキの山の下に「防爆壕」空間を構築できてしまう専用の重機の供給も有意義なはず。それこそが、日本の役割になるだろう。いったんガレキの山になれば、それはピラミッドと同じである。戦車砲では壊しようがない。

 ※軽トラックと、その荷台に載ってしまうサイズのクローラー式のミニショベルの組み合わせも、合理的かもしれない。装輪式の自走油圧ショベルと、どっちが遠隔戦災地への至急援助品として効率的になるか、実験をする必要があるだろう。ガレキの重さを支える構造材としては、スチール製の分解式クォンセットハウスや、特別に設計された、「援助用ドラム缶」の再利用が、考えられる。

 次。
 ロイターの2022-5-2記事「Taiwan considers alternatives after U.S. informs of howitzer delay」。
   製造工場の仕事が建て込んでしまい、台湾向けの「M109A6」自走砲×40両の納期が遅れると、米国政府から通告された台湾軍は、急遽、その穴埋めのできる別な兵器の調達を検討中。

 この40両は2023年に納品されるはずであった。そのために7億5000万ドルも前払いしているのである。
 しかるにこのたび、納期は2026年にズレる、と伝えられた。

 そこで台湾は、HIMARSの調達を検討しているという。

 ※弾薬は米国が供給してくれるから……と甘く考えていると、こういうことになってしまう。

 次。
 Kristin Huang 記者による2022-5-2記事「Chinese radar ‘is watching missile threats from Korean peninsula and Japan’」。
   山東半島に、弾道弾の飛来を早期警報するための巨大なフェイズドアレイ・レーダーが2面、2019-11に竣工していて、それはすでに機能しているそうだ。

 韓国からの長距離弾道弾攻撃を見張る目的と考えられる。

 次。
 雑報。
   SNSの分析により、クリミア在住のロシア人たちが脱出を考慮しているらしいと分かってきた。ウクライナ人から手酷く報復されると予期しているので。橋を爆破されて逃げられなくなることを彼らは恐れている。彼らはブチャとマリウポリで何が起きたかよく知っている。

 プーチンが癌手術を受けることになり、その間、権限をFSB長官に委譲するという噂。


(管理人Uより)

 YggDore(ユグドア)を通じた兵頭先生へのご喜捨。定期送金手続き完了(メッセージは都度、送信しています)。皆様、本当にありがとうございます。