欧州の152ミリ砲弾と122ミリ砲弾はほぼ、在庫が尽きた。どちにも旧ソ連系口径の榴弾。

 ストラテジーペイジの2022-7-19記事。
   ウクライナに供給してやろうじゃないかという検討が始まっている防空システムの「NASAMS2」は、AMRAAMをSAM化したものである。米軍の場合、これに「センチネル」レーダーを組み合わせるのだが、欧州先進国であれば、自前の別な防空レーダーと組み合わせても可い。いやそれどころか、アムラームではなくて自国産のAAMを発射するように変えてしまっても可い。そのくらい融通性のあるシステムなのだ。

 現実的には、アムラームの射程延伸型か、サイドワインダーの「9X」か、欧州の「アイリスT」の三択となっている。
 ノルウェーのコングスベルク社はF-16用に「IRIS-T」を開発&生産したのに、このAAMはF-35からは発射できない。しょうがないので在庫活用のために、NASAMSからアイリスTを発射できるようにしたという。

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 Dan Parsons 記者による2022-7-18記事「Ukraine Situation Report: Russia Appears To Shoot Down Its Own Su-34 Strike Fighter」。
  「ヘルダック」「かものはし」若しくは「フルバック」と呼ばれる「スホイ34」を露軍がじぶんで撃ち墜としてしまったようだ。
 場所は東部戦線のルハンスク市上空。

 オリックスによれば露軍は開戦いらい35機の固定翼機を喪失している。うち11機が、優秀な対地攻撃機である「スホイ34」。
 写真で確認できない機数がこれに加算されるべし。
 DJIの「Matrice 300 RTK」というハイエンド・クラスのマルチコプター。市価1万3700ドルである。ウクライナ軍は、これにソ連軍規格の82ミリ迫撃砲弾を吊るして正確にAFV上に投下している。

 もっと非力なマルチコプターから投下している手製爆弾は、ビデオ投稿を見るに、どうも「エナジードリンク」の缶に爆発物を縛り付けたものであるように思われる。

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 雑報によると、リトアニアが寄贈した「Threod」社製の垂直離陸型の固定翼無人偵察機「EOS C-VTOL」が、リシチャンスクの石油精製工場への砲撃観測に貢献したというビデオがSNSに投稿されている。

 そこで、メーカーのHPで確かめたら、こんなスペック。
 ウイングスパン5mでアスペクト比はグライダー並。
 ペイロードは1.1kgなので爆装は考えてない。
 最大離陸重量は14.2kgなので人が担いで運べる。主翼は数段階に折りたためる。

 滞空2時間可能。巡航速度は毎秒18m。上昇4500mまで。通信距離は50kmまで。
 発進と回収はVTOL方式。非常用にはパラシュートもあり。

 VTOL用には4軸ローターあり。クォッドコプター式に制御される。
 巡航用には機首のプロペラで推進するとしか読めないのだが、写真ではなぜかその機首のプロペラが見えない。
 モーターは機首にもBLDC(ブラシレス直流モーター。回転子じたいが永久磁石で精密制御しやすいのでマルチコプターには必ずこれを用いる)がついているとある。

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 Zhang Chun 記者による2022-7-17記事「China Works to Get Wild-Caught Fish Out of its Aquaculture Feed」。
   2021年に中共政府は行政指導した。養殖の餌を低価値魚類だけから製造するのはやめろ。陸上の農産物を餌に混ぜて、より「グリーン」にしなさいと。

 中共農業省によると、この指導は1年にして劇的に成果を挙げている。

 養殖のエサの原料を漁獲によって得ようとすれば、価値のある魚種の稚魚も根こそぎにされてしまい、海洋資源を急減させることになる。だからそれはやめさせる。

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 Jack Bantock 記者による2022-7-14記事「Eagles a plenty: Birds of prey employed by the Open to scare away problem seagulls」。
    英国のゴルフ場、セントアンドリュースにカモメがいすぎて、これから全英オープンが開かれて大勢のギャラリーが詰め掛けるというのに困るではないかというわけで、「鷹匠」が動員されている。

 わずか4羽の鷹を飛ばしたことで、鴎どもはビビり、ゴルフ場に寄りつかなくなったという。

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 Keith Schubert 記者による2022-7-15記事「Report: Fatal Ovando bear attack likely caused by food-conditioned bear」。
    2021-7-6早朝、加州で、自転車旅行者がグリズリー熊に殺された。「オヴァンドー事件」という。その最終報告が出された。

 7月4日の独立記念日は休日だったのでキャンパーが食い物のにおいを残していた。それに熊がひきつけられたのだろう。

 グリズリーはまず鶏舎を襲い、ついでテントの中から64歳の女性キャンパー、リー・デイビス・ロカンを引きずり出して致命傷を負わせた。この人は自転車で400マイル旅行中だった。

 近くに、もうひとつテントがあり、そのカップルは夜中の3時に叫び声を聞いた。
 3人で大声を出したら熊はいったんひきさがった。その後がまずかった。

 ロカンは食糧の入った2個のバッグを近くの建物に移した。
 カップルは、この近くのホテルに泊まったらどうかと提案したのだが、ロカンは聞かず。

 1時間後、熊は戻ってきてロカンを攻撃した。
 数日後、この熊は野生生物管理官によって射殺された。

 報告書はよびかけている。グリズリーは、拍手や、ホーンの音などによっても、その場を遠ざかってくれることが多い。キャンパーがもし熊を騒音によって撃退できたら、もうその晩はテントに戻ってはいけない。近くの建物か、車の中に、朝まで避難していなさい。


★《続・読書余論》 児島襄著『悲劇の提督』昭和42年刊・ほか