ルーマニア国境に近いウクライナには2018年頃、煙草をEU圏へ無税で密輸出するために自作の大型クォッドコプターを駆使するギャング団がすでに存在していた。

 こいつら、一筋縄じゃ行きませんぜ。

 ※6軸マルチコプターからノルウェー製のM72対戦車ロケット弾を真下向きに発射している写真がSNSに出ている。ウクライナ軍向けに、メーカーが提案しているものらしいが、そのメーカーの名前がさっぱりわからない。地元のガレージ改造屋集団か?

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 Tayfun Ozberk 記者による2022-9-6記事「Baykar ramps up TB2 production capacity, pins faith in Ukraine」。
   げんざい、バイカル社のTB2量産ペースは、月産1機。もっか、それを月産20機に引き上げるための投資がなされているところ。2年後には実現しよう。

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 Daily Sabah with AA の2022-9-1記事「Turkish drone magnate rushes to boost capacity as orders pile up」。
   ※この記事には、真上から映したTB2のすばらしい写真が添えられている。横長で寸詰まり胴のアスペクト比がよくわかる。

 バイカル社は、24ヵ国の買い手に対し、TB2を売る契約をしている。

 過去4年のあいだに、TB2は、世界で最も手広く輸出されている武装無人機となった。

 注文が殺到しているために、今から申し込むと納品は3年後だ。

 これまでに製造されたTB2は、400機以上である。
 より大型で高性能な双発無人爆撃機「アキンジー」は、製造累積が20機ほどになった。

 ウクライナ国内にも組み立て工場ができる。そこではTB2、アキンジー、そしてジェット無人戦闘機の「キジレルマ」を製造する予定だ。

 CEO氏によれば、現状、バイカル社はTB2を年に200機、製造できるキャパシティがある。※ひとつ前の記事でトルコ人記者が挙げている数値とえらく異なる。

 社としては、TB2を年産500機、アキンジーを年産40機、製造できるようにしたい。

 「TB2」の主翼を折畳式にして、STOL性を強化した「TB3」は、現在、試作途中である。

 「キジレルマ」は艦上ジェット戦闘機にするつもりである。作戦高度は3万5000フィートになるだろう。
 ※トルコ人の判断力は、日本の海自や韓国人よりもよほど良いのではないか。海軍の空母から運用する機体がUAVならば、べつに空軍のパイロットに機体を飛ばして戴く必要もなく、海軍がさいしょからぜんぶ手前で仕切れるわけである。韓国人はこのトルコを見習えば、まだ空母の目があるだろう。

 ※ギリシャはこのほど、リビアで撃墜された「TB2」の残骸を買い取って、船に積んで本国まで持ち帰った。対立する隣国の装備の弱点を細部まで解明しようとしているわけ。このぐらいの熱心さがないと軍人はダメだね。

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 Howard Altman 記者による2022-9-7記事「How The U.S. Rushed Harpoon Anti-Ship Missiles To Ukraine」。
   米国がウクライナに供給したハープーンはすでに6月に戦果を出していた。

 ハープーンを市販のトラックから発射させるためには、2台を改造するという。1台は電源車である。
 その2台がケーブルで結合される必要がある。

 これを操作するウクライナ兵は米本土まで往復して教育を受けている。
 その教育は数日で完了。さいしょのチームは、帰国して3週間後には、蛇島沖の『Vasily Bekh』に2発を命中させて撃沈した。

 この「2回たてつづけ命中」シーンは「TB2」によって撮影されている。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-9-6記事「Russia began serial production of 120mm SPM for super cold temps」。
    一風変わった、ロシアの新型の自走120ミリ迫撃砲が量産に入ったという。
 名称は「マグノリア」という。2021に試験は完了している。

 装軌車体だが、前後重連。乗員4名とエンジンは前車に。火砲と弾薬は後車に集中。
 前車の装甲は薄い。しかし全重は45トンもある。浮航可能。

 エンジンはYaMZ-847-10 という800馬力ディーゼル。

 発射する砲弾は17kg+。
 弾薬にはHEAT弾もあるので、対戦車射撃も可能。
 最大で毎分10発可能。
 レンジは10km。

 後装式なので俯角5度での射撃も可能。砲塔は360度旋回する。

 湿地走破用に接地圧が小さいので、対戦車地雷を踏んでも炸裂しないとメーカーは主張している。
 履帯を替えることなく、そのまま、雪上車になる。
 北極圏での作戦を特に考えてある。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-9-6記事「Nuclear munitions were created for the S-400, Buk-M3 and A-135 Amur」。
    2016年に印刷されたロシアの『Atom』という雑誌によると、露軍は「S-400」用の核弾頭を開発したそうである。それは「Buk-M3」にも装着できるし、「A-135 アムール」にも装着できると。

 この雑誌は部外秘のため、いままで外国はその内容を知らなかった。このたび、ウクライナの情報機関が内容をあばいてくれた。

 A-135 からは、ABMである「51T6 アゾフ」を発射できる。「アゾフ」には核弾頭型があることは1995年から知られていた。
 サイロになっているこのABM基地はモスクワを囲むようにすくなくも6箇所ある。
 ミサイルは900km飛翔する。

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 ストラテジーペイジの2022-9-7記事。
   ロシアは、ウクライナ領土内にある「スホイ25」の基地防空のため、「S-350」を持ち込んだ。対HIMARSの役に立つのかどうか、注目されている。

 S-350は1ヵ月ほど前から搬入されている。ただしまだ迎撃実績がない。もし戦果があればロシア人は大騒ぎしてそれを宣伝するが、それが無い。ということは、無戦果だ。

 S-350は、2020に完成した。それより旧式の世代である「S-300PS/PT」や、「Buk M1/M2」を更新する。そして値段はS-400よりずっと安い。「軽量版S-400」という感じ。

 このシステムには韓国がかかわっている。米国によって途中で手を引かされたが。同様、韓国の「KM-SAM」も半分ロシア製である。

 S-350は大小さまざまなSAMを自由に選択できる。短射程の「9M96」にも三つのバージョンがある。誘導システムは韓国製である。