プーチンの顔真似を淡々としてみせる、若い芸達者ロシア兵の動画。これはバズる。

 表情モノマネの破壊力のおそろしさを思い知った。この投稿動画を見たあとでプーチンの資料映像を見ると、もはやギャグにしか見えん。

 昔英国にマペットで実在の有名人のパロディを演じさせるという馬鹿番組があり、それをペレストロイカ時代のロシアの民放TVが模倣してロシア版をやっていたものだが、プーチンが権力を掌握するとその放送局じたいが追放された。
 つまりプーチンはパロられることに耐性は持って無い。

 なぜ中世の宮廷クラウンには異様な扮装と化粧が必要だったか? おそらくかれらには、「君侯の真似」芸も可能だった。しかし、一度それをやらかしたら、以後、殿様の権威はゼロになってしまう。それは絶対に予防する必要があったのだろう。

 雑報によると、新規徴兵された露兵はボディアーマーも自弁することが求められている。ロシア国内でのその通販価格だが、9月16日には7000ルーブルだったのが、9月29日には13万5000ルーブル。1ルーブル=2.5円で換算すると、いまや33万7500円だとぅ?

 ホメロスが『イーリアス』で描写した、死んだ戦士から鎧を剥いだものが最も貴重な戦利品になるという古代戦場が、また復活するのか……?

 一方、オムスクでは、野原に集められた私服の徴兵たちが、廠舎も天幕も寝袋も戦闘服も与えられず、どうしろという命令すら何も来ず、1昼夜以上、ただ放置されているそうである。

 一方、カディロフは、14歳以上の男子を集めて軍事教練をほどこしはじめている。18歳未満の戦闘加入は国際法違反だぜ!? アフリカの子供軍かよ!

 謹告! 生石灰ではなく「消石灰」(slaked lime)だろう――というご指教を頂戴いたしました。ありがとうございます。微生物の繁殖をおさえる力があるそうです。

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 ストラテジーペイジの2022-10-3記事。
    イランが新型の「アラシュ2」という長距離自爆無人機を完成させたと発表している。いちおうステルス外形だ。

 旧型の「アラシュ」は2021デビュー。そっちはレンジが1400kmだったが、新型は4000kmにも延びている。巡航ミサイル以上の長距離打撃が可能になった。

 そして宣伝している。これでイスラエルを直接打撃できる、と。

 従来でも、最短距離を飛行させれば、イランの無人特攻機でイスラエルまでちょくせつ到達させることは可能であった。というか、そもそも「1400km」という航続距離は、イラン本土の西端からイスラエルの中枢部を直線飛行によって片道攻撃するのに必要ギリギリなベンチマークの数値なのだ。

 問題は、中間地点の諸国がイランの味方とは限らぬこと。だから、途中で迎撃されたり、レーダー情報をイスラエルへ急報されてしまう可能性が高かった。無人機は低速だから、探知されたらそこでもうおしまいなのだ。

 だが、航続距離が4000kmもあるならば、アラビア半島内部のほぼ無人の砂漠上空を悠々と迂回的に飛行させることで、被発見をまぬがれるかもしれない。フーシによる対UAEや対サウジの無人機特攻が幾度も成功していることが、その有望性を証拠立てていよう。
 だとすれば「アラシュ2」は飛行途中での邀撃を回避できてしまう確率が高い。

 尤も、それをわざわざ事前宣伝するということは、実行をためらう要因が今のところ大なのだろう。

 なおイランはこれまで、レバノンやシリアに短距離の自爆無人機を持ち込んでそこから発進させる戦術も試してきた。が、イスラエルの情報機関にすべて事前に察知されて潰されている。

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 AFP の2022-9-30記事「Nord Stream blasts equal to several hundred kilos of TNT: report」。
    デンマークとスウェーデンは共同で報告。ノルドストリームを4箇所で爆破した爆薬の量は、1箇所あたり500kg以上である、と。地震計の記録からそれが推定されるという。