固定翼の特攻ドローンを dense pack する方法を早く確立する必要がある。平面シルエットを等しくしつつ、主翼が高翼配置の「甲」型と、主翼が低翼配置の「乙」型をつくり、同数まぜるのが一法と思う。

 垂直尾翼だけは固定にするとデンスパックなど不可能になるので、折りたたみ式とするしかないだろう。

 この「甲」型と「乙」型を、胴体を互いに左右にすこしずらして収納するようにすれば、有限のコンテナ容積内に、最大機数を詰め込めるはずだ。
 もちろん、使用時にはコンテナから直接に射出(つるべ射ち)して、70機以上のスウォームで1目標を襲撃させる。

 今次ウクライナ戦争で得られる重要知見のひとつは、先進諸国にとっても、ミサイルの撃ち合い戦争は金銭的に持続至難に陥るが、低速で非ステルスと性能を割り切った無人自爆機(固定翼)の長駆マッシヴ・アタックはアフォーダブルであり、しかも、それが吸引する敵SAMよりも単価を安くできるので、消耗戦術としてもまことに合理的であることだ。

 イラン人はこれを何年も前から察していたのだから恐れ入るしかない。しかしそのイラン人も、特攻ドローンをコンテナ内にぎゅう詰めにする方法まで考える余裕は、これまで、無かったものと見える。

 「シャヘド136」を車載コンテナから斜め上へつるべ射ちできるようにしているのだけれども、その収納方法がスカスカである。この無駄を解消するには、「高翼型&低翼型」をコンビで開発するのが近道だ。

 あと、「プッシャー式プロペラ配置」と「牽引式プロペラ配置」を同数混合した場合は、どのくらいデンスパックできるかも、CAD上で試行模索してみるべきだ。

 デンスパックすることを設計上の最重要テーマにして、機体の全体と細部を設計する。この着眼に徹した長距離特攻ドローンの完成品はまだどこにもない。だから日本の中小メーカーにもチャンスはある。

 ミサイルと違って低速自爆ドローンの開発は1年以内にできてしまう。われわれがぼやぼやしているなら、周辺国が先に実用化し、大量配備してしまう。そうなったら、自衛隊にSAMが何百基あろうと、もうどうしようもなくなる。空襲合戦は、攻撃側が基本有利だからだ。

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 Defense Express の2022-11-29記事「Air Bridge From China to russia: Can it Be Weapons Or a Different No Less Threatening Cargo」。
    河南省の鄭州市とモスクワの間に、1回に120トンを運搬できる「アントノフ124」や、戦略輸送機「イリューシン76」がしきりに往復している。それは9月には3便だったが、11月には37便(うち24便がアントノフ124)に増えている。

 この特殊な空輸便によって、中共がロシアに対して軍需物資を供給していると考えるのが合理的であろう。

 冬用衣類を送っているのだというしらじらしい宣伝がなされているが、最大積載量の半分としてもこれらの空輸便は1500トンを空輸したことになる。冬着1着が1kgとしたら150万人分だ。

 鄭州はトランジット空港にすぎず、「積荷」は朝鮮半島からも集まっているのではないかというルーモアあり。

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 ストラテジーペイジの2022-11-29記事。
    イランはどうやってイエメンのフーシにUAVを手渡しているのか。それは漁船やダウ船に、分解してパッケージした状態で隠すのである。
 うまく隠せば、臨検したって、見つけられるもんじゃない。

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 Defense Express の2022-11-29記事「The UK Defense Intelligence States That Russia has Stopped Deploying BTGs Due to ‘Intrinsic Weaknesses’」。
    英軍による分析。過去3ヵ月、露軍はBTGの配備を止めてしまった。有能な敵相手だと、まったくそれは役に立たぬと自覚されたので。

 BTGドクトリンは過去10年間、ロシア軍に採用されてきたのだが、自己満足が甘すぎた。

 ※精鋭な歩兵の価値が見直されている。陸自の普通科にはたいへんな価値があるのだ。精鋭な歩兵がいなければ、あとは多数の大砲に頼るしかない。しかるにBTGは大砲を分散するコンセプトなので、大砲の数的優越を戦場に反映できない。反映するには有能な部隊指揮官が各級に必要だが、それがいない。というわけで、八方塞がり。

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 Defense Express の2022-11-29記事「Despite the “Belligerent Country” Rule, Sweden Says Allowing the Sale of Fighter Jets to Ukraine Is a Good Idea」。
    スウェーデンは「グリペン」戦闘機をウクライナに売る話について、前向きである。

 スウェーデンには、交戦国には武器を売らぬという内規があるのだが、今次ウクライナ戦争ではそれは適用されないと考える。

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 ニッケイアジアの2022-11-29記事「Turkish ‘powership’ group in talks to supply Ukraine」。
   トルコが「洋上火力発電船」を出してウクライナの市民生活を救わんとす。

 カルパワーシップという企業が世界最大の発電プラント船隊を擁している。19隻の「パワーシップ」があり、アフリカやキューバまで出かけて電力を援助してやっている。その一部をオデーサ沖に回航する。

 3隻あれば300メガワット給電できるという。

 同社はMOL(旧三井造船)とともに、こうした洋上火力発電所のためにLNGを補給してやる特殊補給船の開発も進めているそうだ。

 ※代表的な1隻についてウィキで調べると、1983年に三井造船(千葉県市原)が建造したドライカーゴシップを、2010年にトルコが改造した。そしてイラクの南東海岸に移動させて、陸上のパワー・グリッドを支援した実績あり。今はシエラレオネ沖にある。船籍はリベリア(米国国旗とまぎらわしい旗である)。グロストンで2万4729トン。全長188m。幅31m。吃水5.85m。発電機はMANの1万3100馬力ディーゼル。給電力は、126メガワット。