露軍のMANPADSがウクライナ軍のUAVに向って放たれ、近接信管が作動したが、UAVは墜落しなかったという。SNSに主観視点の動画が上がっている。

 Peter McLaren-Kennedy 記者による2022-12-6記事「Oil tanker near Russian airfield catches fire in Ukrainian drone attack」。
    火曜日、こんどは軍民共用のロシア領内のクルスク飛行場にドローン特攻があり、空中給油機が1機、炎上したという。
 クルスクは、ウクライナ国境からすぐ近くだ。

 ※『NYT』は、クルスクの「石油貯蔵施設」に1機が突っ込んだ、と報じている。衛星写真をみると、それが正しそうだ。

 ※雑報によれば、エンゲルス基地はS-400で守られていたはずだという。おそらく大挙襲来時以外は、警戒レーダーを停めていたのだろう。ほんらいはAWACSからの警報でそのレーダーを動かさなければいけないのに、露軍は東部でAWACSを運用する余裕がないのだと推定できる(ぜんぶクリミアに集中)。この隙があることを教えたのは、もちろんNATOであろう。

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 AFPの2022-12-5記事「Canada probing how its parts ended up in Iranian drones used by Russia」。
   「シャヘド136」の中に、オタワの「タリズマン・ワイヤレス」社製のアンテナ部品が使われていた件をカナダ政府は調査している。

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 Ashish Dangwal 記者による2022-12-6記事「Russia ‘Freezes’ Operations Of Its Iranian Kamikaze Drones; Ukraine Says UAVs Non-Functional Due To Climate」。
    ロシアがとつぜん「シャヘド」自爆機を飛ばさなくなったのはなぜか。
 ウクライナ軍のスポークスマンがテレビに語ったところによれば、それは「シャヘド」の機体がプラスチックと金属でできていて、断熱が悪く、冬のウクライナのような低温環境中では、内部が凍り付いてしまうのではないかと。

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 Emma Helfrich, Tyler Rogoway 記者による2022-12-5記事「China Is Using Radar Reflector Balloons To Defend Critical Targets From Aerial Attack」。
   中共の防空演習で新型の阻塞気球が登場した。レーダーリフレクターの数珠が2つつなぎになったような形状。

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 ストラテジーペイジの2022-12-6記事。
   台湾が開発した対レーダー特攻用のロイタリングミュニション「剣翔」。
 全長2m×巾1.2m。
 自重非公表だが100kgくらいではないか。

 ゆっくりした飛行で100時間滞空でき、標的を発見したら最大185km/時に増速できる。
 専用コンテナに4機収納。それをトラック荷台に積んで、随時に発射できる。発射はロケットアシスト。

 台湾はイスラエルから昔、「ハーピィ」を買っている。ハーピィは自重が136kgあった。それでも滞空は5時間までだった。台湾はそれより軽量の無人機で、長駆飛行を実現したようだ。

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 Maritime Executive の2022-12-4記事「Why Are Gulf of Guinea Pirates Shifting to Illegal Oil Bunkering?」。
   ギニア湾の海賊どもは、狙いを変えている。陸上の原油パイプラインから原油を盗み、それを私設精油所で石油製品化して、密輸するビジネスモデルの方が、安全で儲かる、と連中は気付いた模様。

 商船をハイジャックしたり、クルーや積荷を人質にとって身代金をせしめる海賊行為は、2021年に、400万ドルの儲けになった。
 しかしそれを実行するリスクは日に日に高い。
 それに対して、闇油の市場は、年間、数百万ドル規模であって、しかも比較的に安全。

 ナイジェリア政府には海賊を撲滅する意思と能力が不足で、むしろ海賊にみかじめ料を払い、陸上にある違法な「私設精油所」を運営するにまかせているという。

 かつてナイジェリアはアンゴラより多くの石油を輸出できていたが、2022-6に順位が入れ替わった。これは海賊の闇石油ビジネスを野放しにしているからだという。

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 Defense Express の2022-12-6記事「The Royal United Services Institute Highlights Ukraine’s Stuhna-P ATGM Capabilities Over russia’s Kornet」。
    ウクライナの国産の対戦車ミサイル「Stuhna-P」は、露軍の「コルネット」よりも大活躍している。
 これを開発したのは「Luch」設計局である。
 システムの重さは100kg以上あり、歩兵が軽快に持ち運べるようなものではない。だから車両で移動展開する必要がある。

 2-24の開戦時点では、ウクライナ軍には、950基の対戦車ミサイル発射器と、9100発の対戦車ミサイルがあった――と集計されている。
 種類は、Stuhna、Korsar、Barrier、Javelinの四種だった。

 ラーンチャーと誘導者は有線ケーブルで遠く離れていることができる。だから、生残率が高い。
 誘導は、射点からレーザーを敵方に向けて照射すると、後方から来るそのビームにミサイルが乗るようにミサイルの方で調節する。これにより機敏にコース変更もできる。

 獲物はAFVだけではない。すくなくも1機の「カモフ52」ヘリを、このATGMで撃墜した。

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 Dan De Luce 記者による2022-12-4記事「U.S. intel chief says Russia is using up ammunition in Ukraine faster than it can replace it」。
  ペンタゴンの集計によれば露軍は先月、2万発の野砲弾とロケット砲弾を放った。退却しながら。

 そして精密誘導弾薬の費消ペースが無誘導砲弾のそれを上回っている。涸渇は時間の問題だ。

 この消耗分を補給できるのはもはや北鮮だけである。だから北鮮の監視を強めねばならない。

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 Svetlana Shkolnikova 記者による2022-12-6記事「Ukraine war pushes Poland to train civilians as soldiers for a military mighty enough to challenge Russia」。
   10月以降、ポーランドでは、18歳から65歳までの一般市民数千人が、数箇所の軍射場で、実弾を使わない基礎射撃教練を受けている(一部ではレーザー使用)。市民自衛教習。ガスマスクの装着法等も教えられる。

 ポーランド正規軍は、当面の目標として30万人に増やそうとしているところ。

 ポーランドは2009に徴兵制を止めてしまったのだが、全国世論調査では、それは復活させたほうがいいと考える市民が急増。

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 Ashish Dangwal 記者による2022-12-6記事「Russia Using ‘3D Tech’ To Drop Grenades Into Enemy Trenches; Leaves Ukrainian Troops Exposed & Helpless ? Watch」。
   今日、DJI製の「Mavic 3」は、30ミリ擲弾の「Vog-17」を改造した爆弾の投下機として、ウクライナ軍内では、スタンダードである。

 ※この記事タイトル中にある「3Dテック」とは、いまさら感のある3Dプリンターのことであって、塹壕の位置をみきわめるデバイスのことではぜんぜんない。インド人記者による記事がロシア兵器支持論調であるのは驚くばかりである。ところで1986頃にNHKは豊後水道の水ノ子島灯台にフルノの特製レーダーを持ち込み、夜間の単独渡り鳥の数を数えた。すでに当時、燕サイズの1羽の野鳥を距離500m~1kmで探知できていた(おそらくドップラーレーダー?)。ここから想像して、地上部隊の夜営地の頭上に敵のクォッドコプターが来ているか否か、歩兵が独自に探知できるような軽便レーダーは、今のフルノの技術であったならば、とっくにできていておかしくない。この警報を受取れるかどうかで、歩兵の生死が分かれるはずである。歩兵は、もし2人用以上の長い壕を掘っていた場合、スプリンター避けのパーティクルを中間に置くべきだ。そのためにも、ふだんから背嚢や雑嚢はケヴラーのような防弾素材でこしらえておくことがとても有利なのである。それを壁のように塹壕内の仕切りとして積んでおいたら、軍艦のハンモックと同様にスプリンターを吸収してくれるだろう。