「復興特別税」を用いて、フクイチ近くで灰をかぶっている地区のいずれかに、新規に大型の「弾薬庫」を建設し、その金額を国防費だとして米国向けにカウントすればいいではないか。

 東日本大震災からの復興財源に充てるための復興特別税がいろいろある。そのうち国税分は「東日本大震災復興特別会計」に組み入れられている。これを財源に弾薬庫を建設することに、何の問題があろうか?

 フクイチのすぐ近くに建設したって、何の不都合もない。弾薬庫は地下施設であり、出入りする自衛官は放射線の悪影響を被らぬ。

 いま自衛隊には弾薬庫が足りない。特に南西方面に足りない。

 しかるに南西諸島では地元の左巻きの反対運動が執拗であろうから、新規に建設しようなどと計画したら半永久に実現はしないだろう。

 それがフクイチ隣接地なら、たちまちに実現する。そして戦略的にもそのロケーションはむしろ好ましいのである。

 というのも、ウクライナで分かったように、敵は有事には対地ミサイルや特攻無人機を100発単位でこれでもかと放ってくる。敵地に近ければ近いほど、その密度は高まってしまう。

 ところがさいわい、東北地方の三陸海岸は、東シナ海の中共本土からは、ほどほどに遠い。
 中共軍は、東北の弾薬庫を破壊しようとして有力な対地攻撃手段を割くと、対南西諸島に使えるミサイル・自爆機が減ってしまうから、ジレンマに陥るのである。

 そのうえ、地下弾薬庫は、ふつうのミサイルではまず破壊されることはない。
 弾薬類の搬出と搬入には、専用埠頭直結の「鉄道」を敷設するといいだろう。もちろん道路併設。すべて復興予算から出す。

 弾薬庫新設の長期予算上のメリットは、それは戦闘部隊の新編とは違って、完成した後はもう人手をあまり喰わぬ。おそらく、自衛隊の定員を増やす必要がない。後方支援部隊から割くだけでいいのだ。
 将来にわたって人件費が膨張せぬのだから、大蔵省はニッコリである。

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 Emma Helfrich 記者による2022-12-6記事「First Land-Based Tomahawk And SM-6 Launcher Delivered To Army」。
   このほど米陸軍が、TWS=タイフーン兵器システム の受領を開始した。
 陸上から中距離ミサイルを発射して、中距離の対艦攻撃だけでなく、戦域射程の対地攻撃もできる。

 おなじプラットフォームから、トマホーク巡航ミサイルと、SM-6ミサイルを射ち出せる。

 システムのメーカーはロッキードマーティン。
 発射するミサイルはどっちもレイセオン製なのだが。

 TWS大隊は、ラーンチャーを4両もつ。そのラーンチャーからは4基のミサイルを射ち出せる。しめて16発だ。

 SM-6は、開発中の艦載の「ブロックIB」と同じもので、対地攻撃ができるバージョンである。
 トマホークは、艦載の「マーク41」VLSから発射する型と等しい。対地攻撃にも対艦攻撃にも使える。

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 Shaun TANDON 記者による2022-12-6記事「US, Australia invite Japan to step up troop rotations」。
   豪州の国防相リチャード・マールスは、日本軍が豪州にローテーションで来てくれと火曜日に声明。ジョイント・オペレーションをしようじゃないかと。
 これは米国も既に合意を与えている。三国連合だ。

 ※雑報によれば空自のF-15が2機、戦後初めて、比島の航空基地に着陸した。12月6日に。

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 Defense Express の2022-12-7記事「The USA Hinted to Germany It Could Supply Ukraine with Leopard 2 Tanks」。
   米大統領顧問のジェイク・サリバンは、ドイツがウクライナに「レオ2」を供給することに賛成だ。
 それを直接にドイツ首相のアドバイザーに電話で伝えてあるという。

 ドイツは、米国が明白に賛成しないかぎMBTは対宇供与しないという立場である。

 ※ワグネルが防衛ラインとして地面に帯状に並べた現代版の「竜の歯」。四面体(三角錐)のコンクリート塊のはずだが、なんと「もなか」構造で、中身が空洞になっていることが現地写真でわかった。WWII中にドイツがジーグフリート線や「大西洋の壁」に設定した本家「龍の歯」は、ピラミッド(四角錐・五面体)の中味までコンクリートがびっしりで、いまでもその当時の姿のまま、しっかりと残っている区域があるのに、ワグネルの竜の歯は、はやくも細かいヒビの中に雨水が滲み入り、それが凍結して表皮を割ってしまって、「もなか」の空虚な内部がぱっくりと曝されている。まさに資材と労力の無駄。みてくれだけの「宣伝」で世間を欺けると、大衆を舐め切ってきた冷戦後のロシア式の真骨頂だ。ちなみに旧ドイツ型の「龍の歯」は、高さが90センチから120センチである。

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 Emma Helfrich 記者による2022-12-7記事「Army Fields Its New RQ-28A Quadcopter Recon Drone」。
   米陸軍はこれまで制式兵器としてはクォッドコプターを採用してこなかった。
 しかし時代は変わった。第一号は「RQ-28A」の番号が付けられた。「クォッドコプター・レコン・ドローン」という正式名も。

 メーカーはスカイディオ社。加州のベンチャーだ。陸軍との契約は今年2月であった。

 まずフォート・ベニングの第75レンジャー連隊などに、11月前半に配備された。
 フォートベニングには米陸軍唯一の、小型ドローンの操縦訓練教程がある。レイヴンもここで教える。

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 2022-12-7記事「Russian troops’ poor performance and low morale may worsen during a winter of more?discontent」。
   記者は元米特殊部隊将校で、2008年にジョージア、2014年にウクライナを現地調査したことあり。

 この冬の後半に、ウクライナ軍の大攻勢があるだろう。地面がしっかり固くなってから。

 一般人が考えているほどウクライナの冬は酷寒ではない。1月と2月の平均気温は摂氏マイナス4度である。 最も多雪である月は1月だが、たったの12センチだ。

 大攻勢には準備時間が要る。これから30日から45日は欲しいだろう。

 3月の融雪期に入ると戦車の路外機動ができなくなることは今年、証明されている。したがって2月末よりも前に攻勢の決着を求めようとするであろう。

 ※装輪式の農業用大型トラクターは春でも自在に路外機動できることも証明されたではないか。としたら日本が援助すべきなのは汎用牽引車としての農業用大型トラクターではないのか? 装甲車よりは安いし、戦後復興にも直結するんだから。

 ※雑報によると韓国は、100台の民間用ピックアップトラックと、5台の小型の塹壕掘り土工機を、自動車運搬船に載せて、ウクライナに向けて送り出した。

 ※雑報によるとベトナムは、ロシアからとうぶん戦車を買うことができなくなりそうなので、どうしようかと困っている。

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 Michael Gfoeller and David H. Rundell 記者による2022-12-6記事「Lessons From the U.S. Civil War Show Why Ukraine Can’t Win | Opinion」
    プーチンは、南北戦争中のシャーマン将軍のような侵攻をやってくれる指揮官としてスロヴィキンを起用した。スロヴィキンは、ウクライナの鉄道が電化されていることに目をつけ、この鉄道を止めるために発電所と変電所を空爆した。結果、ウクライナの都市住宅にも電気は供給されなくなった。

 ※南軍は退却するときに線路を徹底破壊するようにした。ところがシャーマン軍は、敵が線路を破壊するよりも速いペースで、線路を修復することができたという。これが鉄道輸送と船舶輸送の決定的な違いなのである。ウクライナの鉄道網は、ディーゼル機関車や蒸気機関車を前提に復興するのが、安全保障上も正しいだろう。蒸気機関車は、要らなくなったら「発電機」に転用してしまえる、と「きかんしゃトーマス」が教えてくれているよ。