あと、Jean Fitzpatrick 著『The Bicycle in Wartime』(1998)の古本もおねげえしますだ。ただしこっちは必須ではねえ。ベトナム戦争中の自転車兵站に関しては、英文サイトの公開記事だけでもかなり真相に迫れますで……。念を入れて確認をしたいだけなんで……。
次。
Tanmay Kadam 記者による2022-12-9記事「US Equips Ukraine With ‘Fake’ Missile Defense Systems To Confuse Russian Fighter Pilots & Suppress Air Raids」。
米国がウクライナに一風変わった電子戦装備を供与している。SAMの偽レーダー波を輻射する装置だ。トラックで牽引する。
ロシア空軍機は、ウクライナ軍がS-300やBuk-M1をもっているうちは、高度4500m以上は飛べない。しかし低空を飛び続けるということは、こんどはMANPADSの餌食に、いつなるかしれぬということである。
その中高度~高々度用のSAMをウクライナ軍が発射するペースが落ちている。残弾が少なくなってきたからだ。これは放置するとマズイ。
宇軍はS-300のラーンチャーをすでに36基、爆砕されてしまった。これはオリックスによる確認カウントだから、実数はもっと多いはずだ。
7月に観測されたところでは、宇軍は週に3基または4基のS-300ラーンチャーをやられている。
ウクライナはS-300を国内生産しておらず、いまはストックをひたすら食い潰している状況。
誰かに補給してもらわねばならない。
「S-300」がそこにあるかのように見せかけられる、フェイクの対空レーダー(脅威エミッター)を米国がウクライナに供給しているという特だねは、『エビエーションウィーク』が12-4に報じた。
ノースロップグラマン社は「ジョイント脅威エミッター」なる製品を作って、空軍に納めている。
指揮所装置はトレーラーに載っているので、それをトラックで牽引して移動展開させる。
この1つの指揮所装置から、12個のエミッター装置を統制できる。
1個のエミッター装置は、同時に6種類の既知のレーダー製品に擬態することも可能という。
「脅威エミッター」がうまく機能していると、飛んできたロシア空軍のパイロットには、地上に有力なウクライナ軍のSAM基地群が健在であるとしか思えなくなる。そんな空域に敢て接近はしがたくなるのである。
次。
Defense Express の2022-12-9記事「Tu-22M3 Vanished From russian Airfields After the Explosion on Dyagilevo Air Base (Photo)」。
ディヤギレヴォ空港に10機いたはずの「ツポレフ22M3 バックファイアー」が、基地を逃げ出したことが民間衛星写真で確認できる。先日12-7の無人機特攻におそれをなしたのだ。
尾翼とテールを損傷した1機も消えた。あの状態で飛んだのである。すげえ。
次。
David Brennan 記者による2022-12-8記事「It’s Time For NATO To Give Ukraine Tanks, Long-Range Missiles: Estonia FM」。
エストニアの外相が呼びかけている。NATOは西側製のMBTと長距離ミサイルをウクライナに供与して、はやく勝利させなくてはダメだと。
※雑報によると、宇軍はイタリアから120ミリ重迫を貰って、それをもう前線で使っている。ロケットアシスト弾だと13kmも飛ぶという。
※「スカイ・ワイパー」というドローン・ジャマー。兵隊が一人で操作できる電子機材。露軍の「Mavic 3」をじっさいに地表に着地させてしまう動画がSNSに出ている。
※スロヴァキアは無人地雷処理車両を2両、ウクライナに寄贈した。なんと5000mも離れた場所からリモコンできる。
※ドイツはこんどは「RC-155」という最新鋭の装輪式十五榴を18両、寄贈するという。これは8×8の「ボクサー」装甲車の車体に、PzH2000のターレットをのっけたもの。走りながら射撃ができるとフカしている。
次。
Defense Express の2022-12-9記事「russians Use MiG-31 Aircraft With R-37 Missiles Against Ukraine’s Aircraft, But Ukrainian Pilots Know How to Evade the Threat (Video)」。
ウクライナは「ミグ29」の英雄パイロットのインタビュービデオを公表した。5機の「シャヘド136」を10-12に撃墜したものの、そのさい破片がコクピットを直撃してしまい、自機もやられてしまった。
この少佐いわく、露軍の「ミグ31BM」が、しばしば長射程のAAMを放ってくるが、回避するのは簡単だという。
※モーターはすでに切れていて、上空から惰性で落下してくるだけなので、こっちが大きく機動すると、もはや追随しては来られない。余談だがカモフ52を撃墜したS-300の命中動画も、斜め上から降って来た感じだね。
ロシアの宣伝では、「R-37M」という超射程AAMは、NATOのAWACSと空中給油機を攻撃するために開発され、射距離が400kmもあるというのだが、この少佐いわく、それはプロパガンダにすぎない、と。
次。
ストラテジーペイジの2022-12-9記事。
11月2日に伝えられたこと。中共からナイジェリアに輸出した「VT4」という戦車に、ユーザーの戦車兵たちがクレームを付けている。別名「MBT3000」。
戦闘中、125粍砲弾を装填して発射するまでに30分もかかった――そうだ。
訓練もなければ、整備もしない。それがナイジェリア軍だが、「VT4」は基本、T-72の派生バージョンなので、ウクライナの実情を見て戦車兵たちが不安を覚えるのはあたりまえだろう。
ちなみに「VT1」は別名「MBT2000」。中共では90式戦車とも称するが中共軍では採用していない。
中共軍が使っているのは、重さ54トンの「99式戦車」である。T-72の国産型で2001年からある。
2011年に、4トン重い改良型が採用された。それら99式はぜんぶで1200両ほど現役。
T-72と同格の中共戦車はぜんぶで2500両あるはず。そしてT-54/55同格の古い戦車は3500両ほどあるはず。
※露軍はウクライナで2-24いらい、すでに900両のT-72系を破壊された他、550両が戦場に遺棄されて宇軍に奪われている。
※いまベトナムでささやかな兵器展示即売会をやっているそうだ。とうぜん、米国はベトナムに152ミリ砲弾や155ミリ砲弾を安く製造させて大量に買い付けるオプションを模索しているはず。何の報道もないがゆえに、目が離せないぜ。このビジネスが拡大すれば、ベトナム経済は「技能研修生」など送り出す必要はなくなる。
次。
Valerie Insinna 記者による2022-12-8記事「Congress protects F-22s from retirement, oks sending some A-10s to the boneyard」。
FY2023にて21機の「A-10」をボーンヤード送りにすることを、連邦議会が初めて承認した。
まずインディアナ州兵空軍(フォートウェイン)のスコードロンが、A-10からF-16に切り替えられる。
他方で、上下両院は、空軍が33機の最も古いF-22(ブロック20)をモスボールしたがっているのを禁ずる。
空軍の言い分では、この古いF-22は戦闘に投入できるコンディションではすでになく、今後8年間で18億ドルもの無駄な整備費が税金から支出されることになりますぜ。
次。
Jedrzej Graf 記者による2022-12-9記事「Korea or Nothing. The Only and Last Chance to Boost the Polish Industry [COMMENTARY]」。
もともとポーランドは「レオパルト2PL」を国内生産する計画だった。それは2021年には生産開始されているはずだったが、遅れに遅れ、いまの見込みでは2027年にならないと生産開始できない。
これではヨッパライの平凡爺さんが支配する気違い隣国からのヤケクソ攻撃の切迫に対応ができない。
そこで物事の決定が早い韓国製の導入を決めた。需要と供給がマッチした。
次。
Boyko Nikolov 記者による2022-12-9記事「Japan begins production of Patria AMVXP 8×8, replacing Type-96」。
小松のAFV事業撤退により、「96式装輪装甲車」の後継8×8IFVは、フィンランドのパトリアAMVXPに決まった。これはパトリア社が公式発表した。
パトリアAMVは2004からフィンランド軍が使っている。フィン軍によってアフガニスタンに持ち込まれていた他、サウジ軍が買ったものが対イエメン作戦でも使われている。すなわちコンバットプルーフが完全に済んでいる。折紙付きだから安心できる。
陸自はパトリアに次のような注文をしたという。105mm砲や120ミリ重迫を搭載しようと思えばできること。また、パワートレインは日本で勝手に選択するから。
基本、AMVには、3種類のディーゼルエンジンが用意されている。「DI 12 スカニア」か「DC 12 スカニア」か「DC 13 スカニア」。弱いやつは480馬力。強いやつは600馬力だ。
AMVXPは路上では時速100km出せる。10km/時で浮航もできる。満タン燃料にて600kmから1000km走れる。
完成品輸入ではなく、ライセンス生産になるようだ。
※バルセロナにあるニッサンの巨大工場で、8×8IFVの「ドラゴン」を生産してスペイン軍が調達するという報道が2021-12にあったのだが、続報は聞かぬ。