1-13の日米会談では、米軍の核兵器を日本領土内に「持ち込ませる」が、ほぼ決まるのだろう。

 これを粛々と日韓同時に話を進めて行こうとして米国が韓国と水面下で相談していたところ、さっそく例によってその話が韓国政府インサイダーの口からダダ漏れし始めたので、米政府も泡を喰っているところなのではないか?

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 AFPの2023-1-4記事「Macron promises ‘first Western tanks’ for Ukraine」。
   装輪式とはいえ、105mmの「戦車砲」を載せた偵察戦闘車を、フランスがウクライナに援助する。
 6×6の「AMX-10 RC」だ。

 この装輪戦車は1978年に開発された古いもので、仏軍では退役が進んでいる。

 ※仏製のBONUSという155ミリ砲弾。3個の子弾が上空で別れて地上の敵戦車を自己鍛造弾でトップアタックするものだが、これが実際に命中している空撮動画と、露軍によって拾われたその不発子弾が、SNSに出ている。やっぱり不発は出るものなのだね。

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 Defense Express の2023-1-4記事「Are There Any Chances For Ukraine to Get the Bradley IFV From the USA And Why the Price Doesn’t Matter At All」。
    ブラドリーをウクライナに援助しようという話には合理性がある。米本土内で陸軍の予備用に置かれているブラドリーだけで、なんと2800両もあるのだ。

 これだけ大量にあると、スペアパーツ問題で悩む必要がない。たとえば2022年に米国はクロアチアとの間で、89両のブラドリーを売る話をまとめた(90両弱のBMPの更新用として)。そのうちの22両は「部品取り」用なのである。おびただしく余っているから、こんなイージーなやりかたが可能になってしまう。

 ※雑報によると、ルーマニアの鉄道駅にて、トルコ製の4×4MRAPである「BMC Kirpi」が42両、貨車に載せられて運ばれて行ったのが目撃された。ウクライナ向けの支援兵器か。

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 『The Maritime Executive』の2023-1-3記事「Report: PLA Navy Runs Into Crewing Difficulties for Growing Fleet」。
   米国防省による最新の見積もり。中共海軍はいま340隻だが、2025年には400隻以上になっているだろう。
 しかし、これから2年のうちに、60隻分の乗員を募集して訓練するのは、なまなかなチャレンジではないはずだと。

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 Ashish Dangwal 記者による2023-1-4記事「Taiwan’s Own ‘Starlink’ Satellite Network Under Development; Aims To Build 700 Ground Stations Across The Country」。
   台湾は「スターリンク」の国産版の構築に動いている。これは国家安全保障委員会の肝煎り案件。
 検討は2019年から進めていた。そして今次ウクライナ情勢を見て、それが必要だと皆、理解した。

 ※LEO衛星を何十機も回すのではなくて、少数機の準天頂衛星にすりゃいいじゃねえかと思ったら、彼らは衛星に合成開口レーダーをとりつけて、偵察衛星も兼ねさせたいらしい。中共本土を広くスキャンするためには、LEOにするしかないのか。

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 Keoni Everington 記者による2023-1-4記事「Swiss firm sends Taiwan’s ‘carrier killer’ devices to China for repairs」。
    測量機器のメーカーとして知られる、スイスの「ライカ・ジオシステムズ」社。現代の「経緯儀」を最初に完成したメーカーだが、今もそれで商売している。
 台湾はこの企業の最高クラスの経緯儀を輸入して、対艦ミサイルの「雄風三型」がアジマスを維持するための装置として組み込んでいた。超音速でレンジ400kmの「空母キラー」だ。

 ところがその部品のコネクターが傷んできたのでライカ社に修理のために預けたら、ライカ社は無断でそれを山東省にある中共の修理工場で修理させて、黙って台湾に返したという。それが発覚した。

 「雄風三型」のおおよその性能は、すでに中共軍にバレてしまったと考えるべきだろう。

 ※雑報によると話が違っている。この部品はミサイル内部に組み込まれるものではなくて、ミサイルを組み立てるときに必要な、工場備え付けの精密検査機器にすぎないという。

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 Defense Express の2023-1-4記事「Russians Boasted About Supplying the Army With Binokl UAVs With a Camera by the American Flir」。
   タス通信がロシア国内メーカー製の「Binokl」と名づけられたUAVについて宣伝している。
 基本は昼夜偵察機だが、手榴弾も投下できる。ウリは、DJIの「Mavic」の半分以下の値段だという。
 しかし細かいスペックはわざとスルーされている。それには理由がある。

 2022年に見本市があって、そこではこのドローンの赤外線カメラは米国製を使っていると紹介されていた。
 機体全重はバッテリーこみで250グラム。滞空40分可能。
 これで自重を上回る重さの手榴弾を吊下できるとは、とうてい思われない。

 ともかく、フレーム以外のすべての部品は、オフザシェルフの組み合わせなのだ。そのフレームも、どこかの出来合いを使っている蓋然性が高い。

 各種部品のうち米国製の赤外線カメラは、ロシア企業が入手しようと思えば今もできなくはないが、値段は戦争前よりずっと高くなってしまうはず。これをDJIより安価にロシア軍に納入するとするなら、会社は大赤字だろう。

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 2023-1-4記事「Berkeley Lab scientists develop a cool new method of refrigeration」。
   米国立ローレンスバークリー研究所(エネルギー省傘下)が12-23に科学雑誌に発表した「等カロリー冷却法」という新技術。道路に塩を撒くと凍結しにくくなるのと同じ原理を利用して、冷暖房ができるのだという。

 物質が、固体と液体の間で姿を変えるときに、熱のやりとりがある。新技法は、イオンの流れによってそれを発動させる。

 この理論が実用化されれば、今の冷蔵庫やエアコンの電気代は半分にできるという。

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 Tim Fernholz 記者による2023-1-4記事「This chart explains why the US is running low on missiles」。
   米国は1600基以上のスティンガーSAMをウクライナに送った。ところが、レイセオン社はこのミサイルの製造を2003年で終らせていた。つまり倉庫から古いストックを渡したのはいいが、その補充は現状、できないのである。レイセオン社は、製造ラインの再立ち上げにはこれから2年以上かかると言っている。

 米国の軍需工業構造の問題は、企業統合が進みすぎてしまっていること。
 1990年代はじめ、米国内には51の主要な軍需企業が存在した。それが今は、たったの5社にまとめられてしまっているのである。この構造が今日の発注と調達の弾撥性を阻害しているのだ。

 企業統合の背景には、冷戦終了による米国防費の急減があった。
 ウィリアム・ペリー国防長官が、軍需工業の社長たちをあつめて「最後の晩餐」を催し、その場で、企業統合を強く勧めた。業界はそれに従ったのである。

 目下、ペンタゴンは、軍需産業の統合には反対する立場に立つ。

 死活的に重要な兵器弾薬を受注できる国内企業が、1社しかない、という事態は、まずい。その企業が「できませんな」と返事したなら、ペンタゴンにはどうにもできない。独占企業の政府に対する立場が、危険なまでに強くなってしまったのだ。

 ジャヴェリンATGMの米国内ストックは、ウクライナへ大量に供給したために、開戦前の三分の二に減っている。これを元のストック量に戻すには、これから何年もかかるという。もしそのあいだに別な大戦争が発生すると……? 祈るしかない。

 じつは、スティンガーとジャヴェリンには、共通部分がある。それはロケット・モーターの材料。製造供給しているメーカーは、「アエロジェット・ロケダイン」社である。そして同社はなんと、NASAのすべての衛星打ち上げロケットのモーター供給者でもある。

 たった1社しかないがゆえに、ここが大ネックとなって、ミサイルやロケットをおいそれと大増産することが、米国内では、不可能になってしまっているのだ。

 ペンタゴンは「反トラスト」に舵を切っている。2022にFTCは、ロックマートがアエロジェットを買収する話を阻止しようとし、ペンタゴンもFTCを支持した。

 西暦2000年には固体ロケットモーターを生産する会社が7社もあったのだが……。

 どうもいまの流れだと「L3ハリス」社がエアロジェットを吸収しそうだ。「L3」という名称がそもそも合併の歴史をあらわしていて、そのひとつのLは「リーマンブラザーズ」だというのは豆知識だ。

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 Defense Express の2023-1-4記事「Ukrainian Army Use Swedish Military Vehicles Bandvagn 202」。
   何者かが、個人の資格で、スウェーデン製の前後重連装軌車「Bandvagn 202」を2両、患者輸送車としてウクライナ軍に寄贈した。

 前車にはエンジンとドライバーと車長。後車には人間8人が乗れる。非武装&非装甲。浮航が可能で、その場合は水上時速7km。雪面または沼地では最大35km/時で走る。

 ※日本各地の積雪地帯で活躍している、ゴムクローラー付きの除雪マシン。これが単機能なのは、いかにも勿体無い。もっと多機能化して、つい衝動買いしたくなるような、スイスアーミーナイフ式の面白合体マシンにしたらいいじゃないか。まじめな機能としては、緊急時の発動発電機だ。またたとえば、ものすごく長いザイルやロープを巻き上げるウインチ。それを使えば、雪山の尾根まで、大荷物を固縛したアキオを引っ張り上げられるようにするのだ。滑走距離500mくらいのダイナミックな橇遊びに使ったっていいだろう。夏の遊び用には、ウォーターポンプ。それを水害直後の復旧作業にも使えるようにする。あとは、雑木を細断してウッドチップにしてくれるアタッチメントとかね。