みなさま、ご喜捨をどうもありがとうございました!

 電車の吊り広告が出たかどうか知りませんが、『Voice』は発売日が6日ですよね?
 ひさびさに原稿を載せましたので来月はその稿料で少し息をつけそうです。

 2月も初旬を過ぎますれば、函館市内では、みるみる昼間が暖かく体感されるようになります。灯油代の嵩む冬場のピークの危機は乗り切ったかな……と思っております。これもひとえに皆様のおかげでございます。ご支援、ありがとうございました。

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 Megan Eckstein and Stephen Losey 記者による2023-2-5記事「Undisclosed number of Ospreys grounded until clutch-related part fixed」。
    総機数は公表されていないが、米三軍が保有する「V-22 オスプレイ」が臨時に飛行禁止。
 エンジンにつながったギアボックス内に挿入されている「管状の部品」の交換DATEが問題。それをあまり長く交換せずにいると、クラッチの結合を重くしてしまうおそれがあるという。

 海兵隊、海軍、そして空軍がもっているオスプレイは、ぜんぶで約400機だ。

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 SETH J. FRANTZMAN 記者による2023-2-5記事「F-22 performs first-ever air-to-air ‘kill’ – analysis」。
   米宇宙軍は、ウェブサイトで公表した。ヴァジニア州ラングレー空軍基地から発進した第1戦闘機大隊所属の1機のF-22が、AIM-9X サイドワインダーミサイル×1発で、中共のスパイバルーンを撃墜したと。

 撃墜した目標の高度は、6万フィートと6万5000フィートの間であった。
 ミサイル発射時のラプターの高度は、5万8000フィートであった。

 この撃墜をサポートした他の空軍機がある。
 マサチューセッツ州のバーンズ基地(州兵空軍基地)から、複数のF-15が。
 また、複数の空中給油機が、オレゴン州、モンタナ州、南北カロライナ州から離陸している。

 カナダ空軍は、バルーンの飛行経路の追尾に協力してくれた。
 米海軍は、駆逐艦の『オスカーオースチン』、巡洋艦『フィリピンシー』『カーターホール』、また揚陸艦1隻も支援のため展開させた。

 ニュースメディアの『ザ・ドライヴ』によると、地上の民間人が最初にこの気球を目視発見したのは、2月1日のモンタナ州ビリングズ市であった由。

 「フランク01」「フランク02」というふたつのコールサインが傍受されているので、F-22は、2機が飛んでいたとみられる。
 このフランクというのは、1918年にドイツの気球を18機撃墜して議会勲章を授与された、米陸軍航空隊中尉のフランク・ルーク・ジュニアにちなむそうだ。

 FAAは、付近の空港に命じて、民航機の離陸をしばらく停止させている。
 洋上の民間船舶に対してなんらかの警報を出したかどうかは、不明である。

 『ドライヴ』の記事によると、F-22はかつては「AIM-9L/M」を、搭載していた。「9X」ではなく。
 「9X」の「ブロックII」は、F-22から発射後にデータリンクによって標的に空中ロックオンさせることが可能。※だから理論上は真後ろの敵機も攻撃できる。

 こんかい発射した「9X」に通常の爆発弾頭をとりつけていたかどうかは、不明である。

 F-22は2005年に米空軍に実戦配備された。これまで敵機をじっさいに撃墜したことは一度もない。今回が、初手柄である。

 ※なぜF-22が撃墜役に選ばれたのかには、特に謎は無いだろう。「なんで領空侵犯を見逃していたんだ」という米世論と議会からの批判に、米空軍の威信をかけて応える必要があった。万が一にも撃墜に失敗するようなことがあってはならないのである。中共軍は米軍を嘲弄するため、さらに気球の高度を上げさせる可能性もあった。だから上昇力にいちばん余裕があるF-22を選んだまでだろう。もしもサイドワインダーが外れたら、次の手段を何段階にも、準備だけはしていたはずだ。また、こんかい、一切報道は無いが、気球のデバイスからどんな無線信号が送信されているのか、ほどほどの距離からモニターし続けた電子戦支援航空機が、必ず、在空していたはずである。

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 Victoria Bisset 記者による2023-2-4記事「In a world of drones and satellites, why use a spy balloon?」。
   ロンドン大学の東洋アフリカ研究所の所長(支那系)氏が解説する。
 米軍は中共の沿岸域で、恒常的に偵察機を飛ばしている。それと同じことが、シナ軍にはできないものだから、シナ軍は悔しい。世間に対して見栄が張れない。それで、俺たちだって米本土の軍事施設を偵察できているんだぜと、目立つ形で誇示したい。それが数年前からのバルーン飛ばし。実質の偵察能力は、伴っていなくてもいい。視覚的な宣伝になることが、すべて。

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 Sakshi Tiwari 記者による2023-2-5記事「1000 Rounds Fired, Why Canada Could Not Shoot Down This ‘Research Balloon’ Using Best Of Fighter Jets 25 Years Ago?」。
    今回の事件のような高々度用気球は、膜が分厚くタフで、しかも、内部のヘリウムの気圧と外気圧との差がないため、かりに機関砲で穴をあけても、中味のガスはごくゆっくりとしか漏出してくれない。ヘリウムは水素と違って、燃えあがりもしない。

 いまから25年ほど前、逸走した気象観測用の巨大気球を、戦闘機で撃墜しようとしたことがあった。
 そのさい、20mm機関砲の弾丸を1000発以上、貫通させたが、気球は浮かび続けたという。

 APの報道によると、それは1998年8月のカナダでのこと。オゾン層を観測するための気球が、カナダを大陸横断し、大西洋に出て英国領空に到達。さらにそれはアイスラン領空も通過し、ひきつづいて北上しようとした。

 気球がニューファウンドランド上空を過ぎたところで、カナダ空軍のCF-18が2機、これを機関砲で撃墜しようとした。しかし1000発以上を撃ち込んでも、ヘリウムの漏出は緩徐であった。

 その気球の大きさは25階建てのビルに匹敵するものだった。
 しかし、相手は対気速度がゼロ。こっちのCF-18は高速飛行でないと浮いていられない。だから照準と発砲のチャンスが一瞬しかない。それで、てこずった。

 AAMを使用すると、爆発破片のデブリが降り注ぐことになる。下界の住民たちがこころよく思うはずもない。それで、ミサイルの使用は控えるしかなかった。

 他のメディア記事によれば、この1998年の放浪気球には、英空軍機や米空軍機もくらいついたが、撃墜できなかったという。

 ※南米のコロムビア上空を通過中と伝えられた別の支那気球に関しては、続報に接せず。

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 TOC の2023-2-5記事「In the city of Yelabuga, Russia begins Shahed drones production」。
   『WSJ』の報道によると、「シャヘド136」の量産工場はイェラブガという寒村に建設される見通し。年産6000機になるかもしれない。
 1月前半にイラン人技師がやってきたという。

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 2023-2-4記事「Russian oil restrictions could be threat to environment in Gulf of Finland」。
   ロシアから輸出される原油を西側先進国は買わないことにした。制裁として。
 その結果、フィンランド湾にやってくる原油タンカーは、西側先進国が傭船したものではない、いかがわしい素性のタンカーが増えるはず。それらはきっと、バルト海の海洋汚染を増してくれるだろう。

 フィンランド湾には、毎週、60隻から80隻ものタンカーが出入りする。それ以外の貨物船は150隻/週というところ。

 国庫歳入の三分の一を原油の輸出代の上納金に頼ってきたロシア政府は、こんごますます、原油輸出に注力するはず。

 ロシア自身は、タンカー船団は保有していない。だから、外国船籍のタンカーを、ロシアの港まで呼び込むことになる。それに応ずる国々は西側先進国ではなく、その差し回すタンカーは、建造年の古いボロ油槽船船が多いだろう。ナビゲーション装備にも不足のあるそれらのタンカーが、流氷だらけの冬のバルト海で、どんな原油流出事故を起こすか、知れない。

 ギリシャの船会社のタンカーが、きっと傭船されるだろう。

 流氷域を航行するタンカーには、特別に分厚い船殻が要求されるのだが、薄い船殻のボロ船が冬にやって来られると、氷との衝突で船槽に穴が開いて原油が漏れ出しかねない。バルト海は浅いし、フィンランド湾は沼袋のような閉じた海水面だから、汚染は超深刻になる。

 フィンランドの専門家の先生いわく。ノルドストリームを爆破したプーチンには、隣国に対する厭がらせとしてタンカーを意図的に沈めて海浜を原油で汚染してしまうくらいは、朝飯前である。複数のタンカーを同時に沈めておいて、ぬけぬけと「偶然の事故だ」と主張するだろう。いまからバルト海沿岸諸国は、そんな環境破壊テロにも備えねばならないのだ。

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 2023-2-5記事「Britain Bans Migrants from Appealing Deportation」。
   英政府は、「国外追放された」と主張して英仏海峡を渡ってくる「ボート難民」の入国は認めない方針を打ち出す。英『タイムズ』紙の報道。

 2022年には、4万5756人もが、小船で英仏海峡を渡ってきやがった。

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 2023-2-4記事「Coating prevents synthetic fabrics from shedding harmful microplastics in the wash」。
   ナイロン、ポリエステル、アクリル繊維、レーヨンなどの化繊衣類を洗濯機に突っ込むと、洗浄槽との摩擦でマイクロプラスチックが剥離し、それが排水といっしょに最終的には海へ、さらには大気循環で全地球を、マイクロプラスチックが充満した環境に変えてしまう。

 このたびトロントの大学研究チームが、化繊をシリコンベースの有機ポリマーでコーティングすることによって、マイクロプラスチックの生成を防止する技術に目処をつけた。

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 AFPの2023-2-3記事「US, Philippines to restart joint patrols in South China Sea」。
   米国防省の発表。米比軍は、海上における合同パトロールを再開した。

 合同パトロールは、前政権のドゥテルテがとりやめていた。

 ※オースティンはフェルディナンド・マルコスに対して「熊プーは2027年に台湾侵攻すると命じた」という機密情報を伝達したのだろう。台湾作戦の前哨は比島になるから、今から大急ぎで米軍を比島内に再展開してもらった方がいいというコンセンサスに、比島指導層の内部が、達したのだろう。



VOICE2023年3月号