ポーランド国防相いわく。今年受領するHIMARSは、カリニングラード国境に展開する、と。

 これは面白い。反対側のリトアニア国境に、レンジ40kmの十五榴を並べれば、カリニングラードの全領域が、NATOの誘導砲弾で火制されてしまう。
 終ったな、ロシア。

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 Kate Tringham 記者による2023-3-17記事「UK Royal Navy selects Animal Dynamics’ parafoil UAV for next phase of Heavy Lift Challenge」。
    英国オクスフォードに本社がある「アニマル・ダイナミクス社」の新案無人機「ストークSTM」。エンジン付きのパラフォイル(パラグライダー)だが、これが英海軍の第一次試験をパス。けっこうな重さの荷物を運搬させる「補給輸送機」として使うという。

 2022年後半に実機をデモ飛行させて、英海軍の設けた基準をクリアした。
 すなわち、135kgの荷物を、400km運搬できた。リモコンは目視限界を超えた距離で。

 第二次試験は3月27日からを予定。

 「ストークSTM」には、ソノブイ撒きの仕事も、将来、期待されている。
 衛星通信の送受機も、搭載するであろう。

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 「mil.in.ua」の2023-3-17記事「RQ-4 Global Hawk. Photo from open sources」。
    米軍は黒海に「RQ-4 グローバルホーク」を送り込んだ。

 これは「フライトレーダー24」というサイトが、コールサインの追跡からつきとめた。
 イタリア領シゴネラの米海軍航空隊基地から離陸した機体。

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 EurAsian Times の2023-3-18記事「15 Years In Prison For Fake News! Putin Signs New Law On Russia’s Special Military Operations In Ukraine」。
   プー之介が新法に署名した。ウクライナ戦争について気に喰わぬ情報を流した者は懲役15年に処す。

 それまでの法令は、在外露軍は弱いと批評した者を懲役5年に処すことにしていた。

 改正法では、動員令に文句を言う者は懲役7年。

 またプーチンは科料の改訂にも署名した。軍隊に補給すべき弾薬がうまく製造されていないという意見をインターネットに書き込んだ庶民は、罰金「1万ルーブル」。徴兵・募兵のやり方について公然と反対を表明した者も、同様とする。そして法曹関係者が法を破ったら罰金「100まんルーブル」。

 ※だったらFSBは早くプー之介を逮捕しないとな。

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 Defense Express の2023-3-18記事「Ukrainians Use Ground Kamikaze Robots to Attack russians (Video)」。
   ウクライナの第三突撃旅団は、《4輪駆動のゴリアテ》を作成して、露軍陣地に突入させた。今から数日前らしい。
 陸上版の自爆自走ロボットだ。

 この自爆リモコンカーには、「MON-90」という指向性対人地雷を正面にとりつけ、背中には12kgのTNT梱包爆薬も背負わせてある。

 操縦は無線によってFPVを見ながら行なう。

 WWII中の1943年にドイツ軍が使用した、装軌式・有線操縦の「Sd.Kfz. 302/303 ゴリアテ」は、自重が365kg/430kgで、60~100kgもの爆薬を内臓していた。これの軽量版と言えようか。

 露軍も「マーカー」という名で、現代版のゴリアテを開発中である。しかし後発のウクライナが先に実物を完成させて戦場に持ち込んだわけだ。

 ゴリアテより前に、膠着した塹壕戦に適用するための無人自爆車は考えられていた。1915年にフランス軍が「陸上魚雷(Torpille Terrestre)の名で複数のタイプを試製。全重は200kgだった。しかし量産には至っていない。

 ※これから4×4以外の、あらゆる駆動方式が試されることと思う。2輪の無人爆装モトクロッサー。3×2ATVのリモコン版。「モノトラック(単装軌)」。球状(ボール戦車)。巨大1輪タイプ(花火駆動も含む)。犬ロボット型。人間のゾンビ型……。

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 Max Hauptman 記者による2023-3-16記事「Everything you need to know about Army Mountain Warfare School」。
   米陸軍の山岳戦学校を紹介しよう。入り口のプラカードには「平地の神は、山の神とは異なる」という独立戦争中のイーサン・アレン少将の言葉が刻まれている。

 ※valleysは「谷」ではなくて「平野」のこと。山地戦は、野戦のようにはいかないぞという意味。

 学校は、イーサン・アレンゆかりの、ヴァーモント州にある。
 学生は毎年1000人、育成される。外国軍の現役兵も受け入れている。

 ただ山に登る技術ではなく、南極のような極地で生存する技倆もここで教える。
 ちなみにアラスカ州には極寒地での行動を教える「北方戦訓練センター」がある。
 また海兵隊も加州に山地戦訓練センターをもっているが、規模は100人未満である。

 WWII中、米軍内には「第10山岳師団」があったのだが(原隊所在地はコロラド州)、それは1945に解散。
 いらいしばらく、山岳登攀は特殊作戦部隊内で教えられていた。
 しかし1983にヴァーモントの陸軍州兵が、山岳戦専門の軍学校を創った。

 げんざい、この学校内には5つのコースがある。だいたい年中、やっている。

 2週間の基礎コース。1クラスは64人。

 夏2週間+冬2週間の上級コース。

 難地形救助員コース。(これはアフガン山中から負傷兵を搬出する必要から設けられた。)

 山地行動計画立案コース。高度や天候に応じて、一般部隊のための装備・補給まですべて考えてやらねばならない。ラペリングも学ぶ。

 山地狙撃兵コース。スナイパーが単独で高山を行動するためのもの。

 学校では、地形の斜度を5段階に区分する。
 1はフラット。
 2は急坂。
 3はロープが欲しくなる急斜面。
 4はロープなしだと危ない錯雑急斜面。
 5は垂直懸崖。

 学生はどのくらい歩かされるか? だいたいブーツが壊れる。50ポンドを背負い、6マイルを歩くことあり。
 1クラスから大概、5人~10人が脱落、もしくは原隊復帰を命ぜられる。

 ※さいきん、BS各局の「やまのぼり」番組もマンネリ化しているんじゃないか? それを打破したかったら、誰かをこの学校へ送り込んで凸入取材させると、良い絵が撮れるだろう。