アイスランドが久々に米SSNの補給寄港を認めた。ロサンゼルス級の『サンフアン』。

 Simon Middleton 記者による2023-4-26記事「Rise of the Rocket Launcher 2: Lessons from Ukraine」。
    ※記者は現役の英軍砲兵大尉。広い戦場から目標情報を吸い上げて評価し、そこに適切な火力を割り振って指向させる火力統制の仕事をしている。

 戦争は、機甲部隊の戦いから、ロケット砲兵の戦いに移行する。これが大きな流れだ。

 ロケット砲兵には課題がある。長射程のロケット弾では、近距離の敵と交戦できない。近距離の敵には、短射程のロケット弾を大量に発射する必要がある。

 このジレンマを解決してしまったのが、エルビット・システム社の「PULS」だ。ラーンチャー・ビークルは変えずに、そこに載せるポッドを自在に選べる。レンジ35kmのロケット×20連装にもできるし、レンジ300kmの地対地ミサイル×4発にもできる。その中間選択もできる。

 この「PULS」のコンセプトが、これからのロケット砲兵の主流になるしかないだろう。

 次。
 Marc Santora and Victoria Kim 記者による2023-4-29記事「Large Fire Burns at Crimea Fuel Depot After Suspected Drone Attack」。
   セバストポリ軍港の石油タンク群が大炎上。土曜日午前。複数のドローンによる経空攻撃。

 ウクライナ軍の発表では、貯油タンク10基以上、4万トンの燃料を燃やした。
 現地傀儡州知事いわく、2機の特攻機が当たったと。

 ※他報によると、どうもアリババ・ドローンの「ムジン5」らしい。カタログによれば、固定翼のウイングスパンが16フィート、胴長11フィート、ペイロードは55ポンド。巡航速力は74マイル/時。滞空7時間可能。

 次。
 Sofiia Syngaivska 記者による2023-4-29記事「Silent Kayak Operations: Ukrainian Special Forces Master River Crossing」。
   この1月からウクライナ軍の偵察隊は、2人乗りのカヤックを操ってドニエプル川の両岸を隠密に行き来している。このテクニックは、ドイツ軍が仕込んでやったものだという。

 カヤックはモーターの音を立てないので、ギリギリまで近寄っても敵兵には気付かれない。また2人の人間で軽々と岸を運搬できる。分解も容易であるという。

 カヤックの表面には特殊な塗装がしてあって、赤外線の輻射レベルがとても低いという。だから敵の暗視スコープにもひっかからない。

 偵察カヤックを出すときには、必ず此岸に歩兵を伏せておき、いつでも彼岸を狙撃できるようにしている。

 次。
 Michael Schwirtz 記者による2023-4-29記事「Life in Ukraine’s Trenches: Gearing Up for a Spring Offensive」。
   ウクライナ南東部の戦線を2週間おじゃまして取材した。

 そこは〔82ミリの?〕迫撃砲部隊の塹壕で、次の砲撃目標に関する命令を受領する地下壕にはモニター(タブレット)があり、ドローンからのライブ映像が表示されている。
 付近には敵の砲弾が頻々と落下。

 警報スピーカーからは、露軍のヘリコプターの接近が伝えられる。そんな情況。

 この塹壕は機械掘りではなく、手掘りだという。ウクライナ兵たちの士気は旺盛であった。

 砲弾を発射してから、弾着がモニターに映るまで、数分かかる。敵兵は林縁にいる。

 この部隊の迫撃砲は、イランがフーシに供給しようとしたものを米軍が海上で拿捕したものらしい。米国製迫撃砲に比べて精密ではないという。また弾薬は、パキスタン製や、旧ソ連時代からのストックだという。

 ※この陣地が2週間のあいだ、露軍のドローンから攻撃されていないというところが興味深い。対空遮蔽にじゅうぶんに気をつけるようになったのだろう。また、ウクライナの戦線は1200kmもあって、とてもなまじっかの数のドローンではカバーできないのか。

 次。
 2023-4-29記事「EU countries disagree over manufacturers to purchase 1 million shells for the Armed Forces of Ukraine from」。
   『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイテゥング』紙によると、これから欧州からウクライナへ100万発の155ミリ砲弾を供給するにあたって、細目に関して各国の意見は分かれているという。

 フランスは、これらの砲弾はEUで製造したものでなくてはならないと言い張っている。
 それに対してポーランドは、どこ製であろうが早く大量に供給することが大事だと反論。

 ノルウェーはEUではない。しかし大きな弾薬工場を持っている。イスラエル、カナダ、合衆国、韓国も同様である。

 EUのうち、155ミリ砲弾を製造できる工場があるのは、11ヵ国だという。

 ※ノルウェーは過去に2回、EUに入るかどうかの国民投票をしていて、いずれも大差で反対票が上回った。ノルウェー人の目から見ると、EUには自由と民主主義の水準が疑わしい国々が混ざっている。環境汚染に無関心な諸国も混ざっている。また市場をなんでも自由化すればいいというもんじゃないから。

 次。
 David Ljunggren 記者による2023-4-29記事「Russia’s Wagner group could soon cease to exist, founder tells blogger」。
    金曜日にプリゴジンは、あるブロガーに向けたビデオメッセージを公開した。

 露軍が弾薬を補給してくれないので、ワグネルは消滅して、歴史になる、と。

 そのご、彼は、あれは冗談だったと言っている。

 次。
 ロイターの2023-4-29記事「Russia pledges harsh response after Polish ‘seizure’ of embassy school in Warsaw」。
   ポーランド政府は、ワルシャワ市内にある、ロシア大使館付属の学校を、接収し、国有化した。土曜日に。
 ロシアは怒っている。

 ポーランド政府はまた、凍結したロシア大使館の銀行口座の預金も接収した。

 ※雑報によると、ラトビアでアイスホッケーの世界大会が開かれるが、ロシアはこれに参加できない。会場ではロシア国旗とベラルーシ国旗は禁止される。ぎゃくにウクライナ国旗は持ち込み自由だと。これは異例である。ふつう、こうしたスポーツ大会で許される国旗は、ホスト国の国旗だけだから。