CNNによると5月4日夜に露軍は、ペトリオットを破壊しようとしてキンジャルを発射したのだが、そのペトリオットによって空中撃破された。

 しかも残骸の写真をみると、「PAC-3」がキンジャルの弾頭部に正確にダイレクトヒットしたとしか見えない。これはすごい。

 ※雑報によるとルハンスク市内の目標に対して宇軍機はすでに「ストームシャドウ」を発射しているという。

 ※雑報によるとブリヤンスクの露軍のSAM部隊が味方の「ミル8」ヘリコプターを2機、あいついで撃墜してしまったという。これは宇軍が巡航ミサイルの発射に合わせて全戦線でデコイを飛ばしまくっていることと関係すると思う。

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 Vladimir Afanasiev 記者による2023-5-12記事「Vladimir Putin’s oil tax plan backfires as Russia’s budget gap widens」。
    赤字財政に陥っているロシア政府は、歳入減を補おうとして、4月に石油関連税の税率を上げた。しかしこれは裏目に出た。

 ロシアの石油&ガス業者は、4月に直接税として6470億ルーブルをロシア政府に納めた。すなわち3月の6880億ルーブルよりも、減っている。

 もし税率を上げなかったなら、税収は増えた可能性がある。というのは、1月の4260億ルーブルという記録的に少なかった石油税収は、2月には5210億ルーブルに持ち直していた。
 それが3月にさらに増えたので、もっと石油業界から絞り取れると期待したのだろうが……。

 ロシアの石油関連税は2種類あって、ひとつは石油製造税。もうひとつは石油輸出税である。
 ロシア企業としては、収益最大化のために合理的な節税政策(生産調整やダンピング輸出)を採るのも当然である。これに、西側による制裁の強制が、加わる。

 ガスプロムによる対欧の天然ガス輸出は、侵略戦争開始前の25%に落ちている。

 ロシア政府は原油の毎月の生産量や輸出量の統計を非公表化しているが、『ブルームバーグ』の推計では、4月は、日量44万バレルに落ちたのではないか。これは「オペック+」の減産決定に、ロシアも付き合う必要があったから。
 タンカーを使った原油の輸出量は増えている。買い手はインドと中共が大きなところ。しかしその値段は大幅なディスカウント価格。

 ※ロシアの経済系の正気のテクノクラートが、現実と宣伝の区別がつかなくなっているプー之介を軟禁して救国内閣を組織するのは、案外簡単なのではないか? 地下壕から出ようとしたら「爆弾テロの危険がありますから」と押し留めておいて、じっさいに鉄扉の外で爆発・崩落を起こして、内側からは扉が開かないようにしてしまう。プー之介が地下壕内からあちこちにテレビ電話をかけると、AIなりすましの部下たちが、無制限にそのお相手をする。やがて「中国が露側に立って参戦した」という朗報が報告される。すぐに核戦争が始まり、プー之介は地下壕からそれを指揮する。ついに世界は地下壕内のプー之介に跪拝した。彼は世界のツァーリとなったのだ。あいかわらず地下壕内からは物理的に一歩も外へは出られないし、生身の人間とは誰とも電話すらできないのだが、脳内世界は、フィジカル世界よりも広く、自由だ。

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 Joseph Trevithick 記者による2023-5-12記事「Ukraine Is Preparing For Drone Attacks By Dropping Training Grenades On Its Troops」。
    オムニプレゼンスにドローンが在空している現代の戦場で、歩兵はどう生き残ったらいいのか?
 ウクライナ軍は、その訓練をスタートした。

 敵軍のドローンに扮するのは、友軍オペレーターがあやつる6軸マルチコプター。そこから、実戦さながらに、訓練用の手榴弾が投下される。たとえば歩兵が1列縦隊で行軍しているところを、ドローンが《奇襲》するのだ。とつぜん列の中ほどで爆煙が……! ドローンが投下した擲弾のせいで1~2人が負傷したという情況だ。他の隊員は一斉にその場に伏せる。
 この動画はツイッターに公開されている。

 使われている火工品は「URG-N」という練習手榴弾だろう。
 シルエットは、「RGD-5」というソ連時代からある卵形の攻撃型手榴弾(弾重310グラム、炸薬量110グラム。フライオフレバーが分離してから3.2秒~4秒で爆発する。中共の「59式」はこのコピー)と類似するが、塗装色を黒系にして違えてあるほか、レバーに滑り止めの「波加工」がされていないという差異がある。

 昨年のアスペンのセキュリティ・フォーラムで、元SOCOMの司令官だったリチャード・クラーク退役大将が告白した。38年間陸軍にいたが、イラクでもアフガンでもシリアでも、歩兵として、空を見上げる必要を感じたことは無かった――と。それが今日では、低空のクォッドコプターから高空の偵察用無人機まで、日夜、気にして警戒していなくては、命にかかわるのである。

 これから各国の軍隊でも、訓練の一環として、じっさいにドローンから模擬爆弾を投下しなくてはいけないようになるだろう。訓練風景は、さまがわりする。

 ※ウクライナの量産型FPV特攻機の写真を拡大するとおどろく。機体のケーシングが最初から省略されていて、もう基盤もむき出しなのである。たしかに片道自爆・使い捨てが前提なら、省略できるところをすべて省略するのが合理的だが、雨や雪の天候だったら、これは使えるのだろうか?

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 2023-5-13記事「Hawkei ―― Australian military off-roader Ukraine could use」。
    タレス社が豪州で2016年から製造している4×4軽装甲車の「ホーカイ」。これがウクライナ軍へ援助される可能性が出てきた。

 装甲は軽度だが、車体はかなり大きい。全重7トン~10トン。最高時速は130km。

 お客の兵隊は4人から6人、便乗させられる。

 4ドア型と2ドア型とがある。

 「ホーカイ」を使っている軍隊は、いまのところ、豪州軍だけ。それも道理だろう。2010年に豪州軍が要求した特別な仕様に沿って設計されているのだ。豪州の荒野でのパトロール任務に適しているのである。

 1100両を調達することが2015年に契約されている。2021年時点で納品された累計数は260両。

 ウクライナ軍としては、右ハンドルであることは、気にならないようだ。

 豪州国内の工場で生産されているこの車両を対外援助品にすることは、豪州経済にとってプラスになる話である。

 エンジンはオーストリーのステヤー社製なので、欧州でのメンテナンスは却って楽であろう。

 ※たしか、「仮面ライダー1号」のオートバイは「サイクロン号」と言った。今日、「サイクロン号」を《再改造》するなら、それはAIオートになるだろう。乗っている人間は脇役で、意思を持ったAIオートが主人公である。乗り手は次々、死んでしまうのに、AIオートはメモリーが残っているかぎり幾度でも蘇って、不死身である。