ナタニエフが今年中に中共を訪問するというので米国が困惑している。

 ストラテジーペイジの2023-7-10記事。
    ロシアの石油輸出は、過去数十年、日量800万バレルくらいであった。
 2014にクリミア侵略で制裁をくらって、その日量が10%落ちた。
 ロシアはディスカウントで原油を売ることで量をもとにもどそうとした。輸出収益は減った。

 2022年にプーチンはさらに侵略をやらかし、西側から制裁を喰らい、石油収益は前年と比べて20%以上、落ちた。

 ロシアは、石油輸出量のランキングとしては、サウジアラビアに次ぎ、世界第二位。

 ロシアが制裁をしのぐにあたり、イランから多くを学んでいる。イランは昔から強烈な制裁を受け続けているが、同時に、しぶとく原油を輸出し続けている。大先輩としてノウハウがあるのだ。

 2019年早々、シリア沖の海が荒れて、インド船籍のタンカー『Tour 2』が座礁した。この騒ぎで、インド人がイランの石油の密輸出に手を貸していたことが天下に曝された。

 船長は、バレないうちにイラン産石油をシリアのラタキア港(露軍が借用中)に陸揚げしようとして、悪天候を冒したのだ。

 座礁騒ぎの後しばらく、シリアでは明白に石油不足が起きていた。

 イランとシリアは陸続きなのだから、トラックで石油製品を運び込むこともできる。しかしトラックの陸送量でなんとかなるほど現代経済の石油需要は小さくはない。シリアふぜいであってもだ。

 次。
 『NYT』の2023-7-10記事「Putin Met With Prigozhin Days After Failed Mutiny, Kremlin Says」。
   プーチンとプリゴジンは6月29日に、三時間にわたって会談していた。
 クレムリンのスポークスマンが月曜日に公表。

 次。
 Tuqa Khalid 記者による2023-7-10記事「Out with the old, in with the new: Russia-Ukraine heavy weaponry balance may shift」。
    複数のシンクタンクによる中間のまとめ。
 2021時点でウクライナ軍は、戦車987両、155/152㎜榴弾砲×773門、MLRS×354基を保有。
 露軍はそれぞれ、3417両、2304門、1056基であった。

 それが、2023-5-31時点では、宇軍は戦車を471両、外国から受領した(くれるという話は757両)。155/152㎜榴弾砲は379門受領した(くれるという話は556門)。MLRSは66基受領した(くれるという話は89基)。

 ※1911から1915まで海軍卿だったチャーチルが1915-2に海軍省内で立ち上げた「陸上軍艦委員会」。その最初の試作品は、じつは装軌式ではなかった。チャーチルには4×2自動車改造の経験があった。1914のフランス領ダンケルクの英海軍飛行場で、ロールスロイスに4トンの増加装甲をとりつけて、ドイツの騎兵斥候に対処させようとした。このときの仲間がトム・ヘザリントン。しかし4×2自動車では塹壕や泥田(砲弾がやたら落ちると平原が泥田になる)は超えられないとすぐに分かった。それで一部のロールスロイスはエジプトへ送られて、中東砂漠で活躍することになった。ロンドンの「陸上軍艦委員会」でも、最初にロールスロイス装甲車に超壕装置をつけたものを試して、やっぱりこれはダメだと再確認。前後してヘザリントンの思いつきも試した。彼は直径40フィートの巨大な車輪を自走させれば、それによってライン河を渡河でき、戦争が早く決着すると空想していた。実際にはその半分の直径でリンカーン市のウィリアム・フォスター社に1両、発注されたという。まるでダメだと結論された。さらに委員会は、ロンドン市からスチームローラーを2台買って、それを左右に連結したものも試したが、これもダメ。かくしてようやく、路線が「履帯式」に定まったのだ。チャーチルよりずっと早く、退役少将スウィントンが、米国にある「ホルト」装軌式トラクターを英陸軍省に強く推薦し、キッチナーによって無視されていた。チャーチルはダーダネルス作戦の失敗で閣外に去り、一時期、陸軍将校として渡仏していたが、1917-7-17に「弾薬担当大臣」として閣僚復帰。1919-1-9までその職にあった。1917-10にチャーチルは、戦争勝利に最も必要な6アイテムを列挙した。筆頭が大砲。戦車の順位はトラックや鉄道貨車より低いという認識であった。だが戦地で戦車の意義は評価され、英国だけで1918の休戦までに2600両も製造した(菱形戦車と、固定砲塔のホイペット巡航戦車)。フランスも軽戦車のルノーFTを1915後半から休戦までに3000両以上生産した。これに対してドイツ軍は、突撃砲タイプの「A7V」をたったの20両しか製造できなかった。WWIで英軍将兵は99万6000人も死んでいる。負傷者はその3倍だった。チャーチルは、特殊戦車として、水陸両用型と、地雷啓開型の開発も要求していて、これはWWIIのノルマンディまでに間に合った。

 ※もう地雷だらけでにっちもさっちもいかなくなった今こそ、ヘザリントンの「大車輪戦車」は再評価される価値がある。進化の初元までいったん戻し、そこからあらためて再進化させるのだ。今日の技術を投入すれば、無人の自爆型 Oni-guruma にできるじゃないか。かなり低価格で大量生産できるはず。