Kelly Laco 記者による2023-11-13記事「US territory Guam is ‘highly vulnerable’ to Chinese missiles」。
共和党下院議員のマイク・ギャラガー(ウィスコンシン州選出)は、下院の対中共委員会の委員長。
ギャラガーは月曜日に陸軍長官(文官)に書簡を与えた。いわく。米領のグァム島には、有事には「数百発」の中共軍の巡航ミサイルが飛んで来るだろうと。
そしてそれに対する防御の体制は不十分であると。そのため同島の2万人の米兵は危険にさらされているぞと。
米海軍の西太平洋における唯一の潜水艦基地が、グァム島にある。※厳密には、SSBN用の施設ということか。SSN用なら日本にもある。
※日本外務省はこういうことを考えたことがあるだろうか。核弾頭付きトマホークを米潜が、三陸沖から発射したとする。たまたまその1発がエンジン不調になり、韓国領土上に墜落。弾頭はほぼ無傷で韓国軍によって回収された。あるいはまた核弾頭付きトマホークを米潜が、ボルネオ南方沖から発射して、たまたまその1発がボルネオ島のジャングルに墜落……。こうしたケースで、韓国政府、インドネシア政府またはマレーシア政府は、核弾頭の返還に応じてくれるだろうか? 弾道弾と違って巡航ミサイルは、途中墜落したときに、誰かに無傷で枢要パーツを拾われてしまう可能性が無視できないのだ。スプラトリーの暗礁帯であったら、海底からの揚収も容易である。誰が拾うかわからない。
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Joe Saballa 記者による2023-11-15記事「Taiwanese Soldiers May Soon Train on US Soil」。
火曜日、米支経済安全保障見直し委員会は、米連邦議会に対して勧告した。台湾軍が米本土で演習できるようにせよ、と。
まずは台湾軍からの「オブザーバー」チームを受け入れろ、と。
台湾がカネを出して米国メーカーに発注した大量の武器がまだ台湾に納品されていないのは大問題である。その使用法の訓練を、台湾軍人を米本土に招致して、先行して、させるがよい。
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2023-11-16記事「Latvian organization donated Bandvagn tracked all-terrain vehicles to Ukraine」。
「Bandvagn 202」は、前後重連の全地形用装軌車両で、もともとヴォルヴォ社が開発。このほどシカゴにあるラトビア人の有志団体が、ノルウェー軍が退役させたこの車両を4両買って、アンビュランスに改装工事したうえで、ウクライナ軍へ寄贈した。
兵隊10人、プラス、荷物1トンを運搬できる。
また、そのまま、浮航も可能。
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Defense Express の2023-11-16記事「Over a Thousand Mortars, Updated Varta APC, and a New Interesting Project from Ukrainian Armor」。
「ウクライニアン・アーマー」社が、小型トラックと82ミリ迫撃砲の結合を研究している。
同社はこれまで、装輪APCのVartaとNovatorを生産してきた。
また、60㎜、82㎜、120㎜の迫撃砲も製造している。現状でその製造ペースは年産数百門(2022-2以後に、累積トータルで1000門以上の迫撃砲を宇軍に納品したという)。目下、設備投資して増産を企画中。
同社は、今次戦争の開始と同時に、工場の移転・再配置も考えなくてはならなくなった。
同社の、迫撃砲の弾薬の製造は、2022-2以降、逆に、ストップしてしまっている。
APCのVartaには、ベラルーシ工場からとりよせたMAZトラックのシャシが使われていた。これを国産品で更新する研究も進んでいる。
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Dan Williams 記者による2023-11-16記事「With mapping robots and blast gel, Israel wages war on Hamas tunnels」。
イスラエル軍は、ハマスのトンネルを潰滅させる道具として、Gel状の爆薬を使っている。
ハマスは、退却するときにはトンネル内にIEDを残していく。それはトンネルの壁に埋め込まれているので「サイド・ボム」とも呼ぶ。
このような危険があるので、最初からジェル爆弾を用いる方が安全なのだ。
トンネルの地上の蓋を開けるときから、危険は始まる。先週、4人のイスラエル兵が戦死したが、それは、蓋を開けると紐が引っ張られて爆薬が起爆するような仕組みを、ハマスが置き土産としていたからだった。
ハマスの主たるトンネルは、地表から最低20m、最深だと80mに掘られている。
ゲル爆弾の成分を明かすことはできない。しかしこれはトラックによって運ばれてくる。長さ数百mのトンネルを潰すためには、液状爆薬をトラック1台分、流し込まなくてはならないのだ。
※単純なスラリー爆薬ではないだろう。敵の銃撃で誘爆しかねなぬものでは、危なくて、大量に運べぬ。かならず、バイナリーの工夫がしてある筈。
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ストラテジーペイジ の2023-11-16記事。
M2ブラドリーの履帯にはゴムパッドが嵌められているが、これは消耗品である。
M2の履帯は、通常、1年に1回、新品とまるごと交換しなくてはならない。
2003年のイラク作戦では、700両のM2が投入されているが、それらは数ヵ月ごとに履帯を交換する必要があった。
とても新品の補給は追いつかないので、現地の補給廠にて、履帯「再生」作業を行ない、8割の交換需要は、再生品によって間に合わせた。昼夜ぶっとおしの年無休のサービスだった。
設計寿命では、それらの履帯は、走行距離1300kmか1600kmまでは使えることになっていた。
じつは、M2の履帯の補給が逼迫したので、あわてて、「装甲化HMMWV」をこしらえて、それを大量にイラクへ送ったという次第なのだ。
2011年以降、コストがM2の半分で済む8×8装輪の「ストライカー」が本格導入されることになった。こちらは1両が240万ドルであった。そして、履帯作業のネックがないのだ。
ちなみに、MRAPSは、重すぎて各部の消耗スピードが速いので、平時の訓練に使えない。だから数千両もあるのに、けっしてストライカーの代わりにはならず、緊急予備用として砂漠に保管されているのである。
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2023-11-16記事「Ukraine produces dozens of Shahed drone analogs per month」。
ウクライナの戦略工業大臣いわく。シャヘド136のコピー品の量産を開始したと。月産数十機のペースだという。
あだ名が「ウクライニアン・シャヘド」。もちろん、ウクライナ政府はそんな名前は使わない。
大臣はまた、これまで公開されていない新型のドローンが、その中には含まれているとも述べた。
オリジナルのシャヘド136は、40kgから50kgの弾頭重量で、レンジが1000kmから2000kmある。
生産ペースはもちろん、上げねばならない。大臣の希望としては、月産数百機単位にしたい。
目下の製造担当は、半官のUkroboronpromにやらせている。
零細なスタートアップ企業にもUAVの手づくり試作はできる。しかしマスプロ量産は、ガレージではできないのだ。