陸自がLCMのような沿岸機動運輸力=船舶工兵 を もっていないと どうにもならないことが、今回の能登半島地震の初動で、あらためて痛感されているだろう。
米陸軍のLCMはビーチングが基本だが、日本海の沿岸部でそう都合よく遠浅の砂浜があるものではない。
LCMやMSVといえども、汀線より100m離れたところから、さらに小型の「大発」でシャトリングするか、甲板からヘヴィーデューティー仕様の荷物運搬用VTOLドローンを何往復もさせる運用を、ひとまず考えておかなくてはいけないだろう。
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2024-2-2記事「Ukrainian drones use thermite munitions」。
ウクライナ軍は、敵が野外に放棄した車両を確実に破壊処分するために、マルチコプターから「テルミット弾」を投下する方式を採用中。
すでに敵乗員は逃げたあとなので、オープンなハッチの真上、1mまで存分に近寄り、そこから、テルミット弾をリリースすればいいので、確実である。
ドローンも使い捨てにせず、何度でもミッション往復できる。
テルミット弾は爆発性ではないから、マルチコプターが爆風を喰らうことはない。
マルチコプターがじゅうぶんに離れた頃合いに、テルミット弾の火熱が、遺棄車両の車内空間で、漸く烈しくなる。
テルミット反応は、摂氏2500度の高熱に達する。トラックだろうが戦車だろうが、車内は全焼する。
ウクライナ軍は、アルミケースでテルミット弾を自作している。総重量700グラム。焼夷剤はその中に500グラム、充填されている。
このテルミット弾1個のコストは、12ドルくらい。
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Simon Scarr, Adolfo Arranz, Jonathan Saul, Han Huang and Jitesh Chowdhury 記者による2024-2-2記事「Red Sea attacks」。
※ロイターが総力を挙げた、フーシ関係のデータ集。興味ある人は原文を保存するとよい。
2023-11-29に米イージス艦『カーニー』が撃墜したのは、イラン製の「KAS-04」=「サマド」固定翼無人機であった。
※サマドは、レンジ延長のための改型が数タイプある。鉛筆型胴体+アスペクト比の大きな主翼+尾翼+プッシャーエンジンのシルエットで、最新バージョンだと胴体の上に予備燃料タンクを背負わせている。当初、このスタイルではいろいろと不満足であったので、三角翼の巨大な「シャヘド」が生まれた。しかしIRGC(イラン革命防衛隊)のおもしろいところは、シャヘド136の出来が良いからといって、サマドを捨ててしまわないこと。地道に改善を続けているのだ。これは進化論的に正しいアプローチである。ある日とつぜん、シャヘドの能力が通用しなくなるかもしれないからだ。
フーシの沿岸拠点は、イエメン海岸に30箇所もあり、そこにはレーダーや通信設備も揃っている。
※ロイターによると、1月のロシアからのガソリン輸出が37%減った。これにはウクライナ軍の無人特攻機の精油所突入も関係しているだろうという。