キプロス島は伝統的にロシア商人に資金洗浄の拠点を提供してきた。しかしようやく同島の「Hellenic Bank」の口座が閉鎖され始めたという。

 Defense Express の2024-2-9記事「An-2 Biplane Considered as Decoy Material With a Lancet UAV Tethered For Strike Capability」。
    ウクライナのPRANAネットワークというグループは先ごろ、ハッキングによってロシア軍の文書を大量に入手したというのだが、その文書のひとつから、複葉単発機の「アントノフ2」を使って宇軍のSAM陣地を騙し、高価なSAMを無駄射ちさせてやろうとする、その手口が分かった。

 この技法は2020にアゼルバイジャン軍がやっていたのに似ているという。

 ただし、An-2によって、ランセット無人機を曳航するという点があたらしい。

 An-2は、高度4000m以下で宇軍のSAM陣地に向かって飛ぶ。
 そのさい、ランセットを曳航するのだが、このケーブルは給電線にもなっていて、ランセットからは、それが有人の戦闘攻撃機であるかのように装う、強力な電波信号が出続けている。

 SAMはランセットをめがけて飛んで来る。ケーブルが長いおかげで、その爆発にAn-2はまきこまれないという。
 一説に、An-2も無人化されていると。

 ロシアは1400機もの古いAn-2を保管しているので、これを無人機に改造して消耗させても、惜しくないという。改造費は1機が100万ドル。どうしてもスペアパーツが入用のときは、中共で製造中なので、買えるという。

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 Thomas Newdick, Tyler Rogoway 記者による2024-2-8記事「Army CH-47s Fill In For Grounded Marine MV-22s In White House Airlift Role」。
   昨年11月に日本近海で米空軍のCV-22が墜落した事故のために、米本土ではいまだに、海兵隊のMV-22Bオスプレイが飛行停止されたままである。

 米本土では、この穴を埋める手伝いとして、米陸軍のCH-47Fチヌークが大忙しだ。

 バイデンが選挙キャンペーンでNYCのハドソン川沿いの会場に往復するのに、従来であれば護衛機および随員運搬機としてMV-22が随行していたのだが、それができなくなっているから、チヌークが飛んでいるのである。

 米大統領本人とその家族、最側近を載せる「マリン・ワン」の機体は、オスプレイではない。「VH-3D」と「VH-60N」である。この2機種を「ホワイト・トップ(s)」とも呼ぶ。ちなみに近々、ホワイトトップ用の機種は「VH-92A」で更新される予定だ。

 それに対して、大統領の護衛や、他のお供の者たちを運送するのが「グリーン・サイド」で、MV-22はそっちの機種である。

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 Juan King 記者による2024-2-9記事「Australia sends sailors to Guam for US Navy nuclear submarine training」。
    豪州国防省2-4発表。原潜乗員となる訓練のためにグァム島へ37名の将兵を派遣する。
 そこには、潜水艦母艦の『USS Emory S. Land』が待っている。そこが学校になる。

 ※豪州の潜水艦乗りだった Peter Briggs 氏の意見記事(2024-2-8)によると、イギリス海軍は人手不足でこれから先、とんでもないことになるから、豪州海軍が運用するSSNは、米国のヴァジニア級に一本化するべきだという。この人の、人手不足を甘く視ていない考え方は、賢明と思う。

 ※ロシア人の男子平均寿命は64歳だが、すでに同国では70歳まで徴兵が可能になっている。

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 Seth Robson 記者による2024-2-8記事「Army watercraft company that saw action at Normandy and Vietnam reactivates in Japan」。
     米陸軍のLCUを操船する、第5輸送中隊は、1997に休眠していたが、復活した。『USAV Calaboza』と40名の陸軍クルー。※要するに船舶工兵。

 横浜ノースドックでその式典がとりおこなわれた。

 輸送中隊の前身は「機械修理廠」(Mechanical Repair Shop Unit 306)で、1917年にまで遡る。ノルマンディ海岸にも出張したし、ベトナム戦争中はメコン川に船を浮かべてそこで仕事をしていた。

 フネの力は偉大である。これ1隻で、C-17×7機分の物資を、沿岸被災地まで届けられるのだ。LCUだから、じかにビーチングすることもできるのである。バウスラスター付き。

 完全装備の歩兵なら400人を載せられる。
 航洋力があり、佐世保からフィリピンに行くくらいはなんでもない。

 中隊は280人規模で、本籍地はキャンプ座間である。
 2021年時点で中隊が運用していた船舶は、LCU×5隻、曳船×2隻、MSV×4隻。

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 Nate Raymond 記者による2024-記事「Gun makers to ask US Supreme Court to bar Mexico’s lawsuit」。
    メキシコには毎年、米国から50万梃もの銃器が密輸されているという。これでは治安は崩壊するというのでメキシコ政府は米国の8メーカー(スタームルガー、ベレッタUSA、バレット、コルト、S&W、グロック社など)を2021年に提訴し、賠償として100億ドル支払えと要求している。8社は米最高裁に対して、これをやめさせろと陳情。

 ※ぜんぜん関係ないがイギリスのBSA社自転車博物館のHPには古い新聞のコピーがたくさん公開されていて、そのひとつに、S&Wのコンシールドハンマーのスナブノーズの広告があり、時期は大正時代前後だろうが、サイクリストが転倒したときに有鶏頭のリボルバーだと尻ポケットの中で暴発してしまうことがあるが、この商品ならそんなことはありませんというPRがされていたことが分かる。

 じつは米国にはPLCAA=合法銃器売買保護法 という連邦法があって、銃器メーカーがその製品の不正な使用に関しては責任を問われることがないという保障になっている。これが申し立ての根拠だ。

 焦点は、メキシコ政府が主張するように、米メーカーが密輸商売を幇助していたかどうか。もし黙認したり便宜を図っていたなら、とうぜんPLCAAの保護対象外である。