SNS「テレグラム」に遺棄車両のビデオが投稿された。
破壊された時期は直近、数日のあいだだと考えられる。
俯瞰のスチル写真を見ると、巨大弾痕が付近の地面に見え、片方の履帯もビローンとしているので、152ミリ榴弾か多連装ロケット弾を連打されたのではあるまいか。
バッスル部に損傷や炎上痕は見られない。足回りをやられた上に、砲撃がますます集中してきたので、乗員が車両を放棄したという印象。
戦車に高額なAPSをとりつけてもしょうがない理由が、たった1枚の写真で理解できてしまう。
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Emily Velasco 記者による2024-3-4記事「Building bionic jellyfish for ocean exploration」。
加州工科大学が、バイオハイブリッドのクラゲを試作中。海月サイボーグを使って深海水の温度、塩分濃度、酸素レベルを探査させる。
目的は、地球の気候変動の資料にするため。
チームは当初、海洋の深いところを遊動するのにはクラゲ型が最適だろうと考えて、それを一からロボットで再現しようとしたのだが、うまくいかなかった。
それで、生きているクラゲにセンサーとコントローラーを縛り付けることを考えた。
クラゲには脳も痛覚もないから、これはOKであると彼らは考えた。
クラゲは両極から赤道まで分布する。深海にも見いだされる。大洋をくまなく探検させる装置の運搬者としてこれよりふさわしいものはない。
移動速度は、クラゲまかせではない。なんと人間が操縦できるのである。それには心臓ペースメーカーのような装置を使う。
実験の結果、驚くべきことがわかった。この装置を使って強制的にクラゲを、自然状態の3倍の速度で泳がせることができる。しかも、それによってクラゲは、自然状態の2倍のエネルギーしか使わない。クラゲの泳法フォームは、数億年も洗練してきただけあって、おそろしく効率的だった。
装置コミで中性浮力を確立してやれば、垂直移動も思いのままである。装置は3Dプリンターで整形する。
※別な大学は「あんこう」型のミニロボットを使って深海からサンプルを回収し、続々と新種生物を発見しているらしい。『WP』紙に記事が出ていた。
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Boyko Nikolov 記者による2024-3-3記事「F-35s scan Ukraine to locate Russian air defense, Singapore says」。
シンガポールの防衛大臣が語った。米軍のF-35がウクライナ領空を飛んでいて、ロシアのAAの電波情報を収集していると。
それによってSAM陣地の位置を絞り込んでいると。
その情報はNATO諸軍へ共有させていると。
ちなみにシンガポール空軍もF-35Aを発注済みである。2020年に12機を。
現今、シンガポール政府はさらに大軍拡するつもりなので、ロックマートとしては追加発注が期待できる。
それでロッキードマーティン社からいろいろと話も聞いているのだろう。それを国防大臣がバラしてしまったのだ。
ただし「BulgarianMilitary.com」は、昨年の4月にすっぱぬいている。米軍パイロットから聞いた話として、露軍のS-300がベラルーシ国境のどこにあるかを絞り込むために米軍はF-35をすでにウクライナ上空まで飛ばしていると。
F-35は、電波信号情報のバキュームクリーナーなのである。
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Svetlana Shcherbak 記者による2024-3-4記事「Ukrainian Forces Strike russian Troops at Avdiivka Coke Plant Using AASM Hammer Guided Bombs」。
ウクライナ空軍機が、アウデウカのコークス工場を爆撃した兵装は、これまで知られていなかったフランス製の「AASM」という滑空精密誘導爆弾(250kg)であったことが、SNSへのビデオ投稿で判明した。
別名「Hammer」という。フランスはこれを2024-1中旬から引渡し始め、そのペースは1年で600発になるだろうという。
かんたんにいうと、JDAMのフランス版だ。
通常の安価な投下爆弾の前後に誘導キットを取り付けると「Hammer」に化ける。
仏国防相セバスチャン・ルコルニュは、この兵装はミグ29やスホイ27でも運用可能にすると公言していた。
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Dylan Malyasov 記者による2024-3-4記事「Russia abandons Armata tank due to its high cost」。
ロステックの長、セルゲイ・チェメゾフは確言した。T-14アルマタは、ウクライナ戦争に投入されることはありません。
この決定の理由は、T-14が高額すぎるからです。
T-90の方が安い。だから、T-90を製造します。
※この社長は1、2年前から「もっと安く量産ができる戦車が必要なんだ」と主張していなかったか? 社内に気の利いた技師がいるなら、そろそろ、その新型のチープ戦車――私の予想では、ブリキ張り装輪の「ISU-152/SU-125」――が登場するだろう。戦車を「装甲キャビン付きの野砲」としてしか使わないのなら、それが最善解だ。
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2024-3-4記事「The military showed how they are building fortifications in the Donetsk region」。
ドネツクで宇軍が掘っている塹壕のスケール情報。
WWII中の独ソ戦では、塹壕は、深さ1.5m、幅80センチだった。
今、われわれが掘っているのは、深さ2m、幅1mである。そして敵側の壕縁に、高さ50センチの胸壁を盛土する。
塹壕の幅は、これ以上広くしてはならない。なぜなら、敵の榴弾砲に対して脆弱になるからである。
塹壕の内壁には「ジオテキスタイル」(土工用繊維シート)を貼る。それを板材と杭と軟鉄メッシュで押さえ付けておく。
覆土区画の内部構造は2階建てで、底部から頂部までの高さは2.5mになる。内部は1層が高さ50センチである。
敵が砲撃してきたら、この覆土区画に逃げ込む。区画の入り口にはかならず、深い穴が掘ってあり、そこに、余計な水を落とし込んでやることで、居住区が水浸しにならぬようにする。
材木は、早く工事できるのがメリットだが、打設後、2年したら、腐朽するので、更新工事しなければならない。
露天壕の部分には、特攻ドローン避けのなんらかの設備があることが望ましい。