雑報によるとロシアの戦略ミサイル原潜『K-554 アレクサンドル三世(艦番207)』から「SS-NX-30 Bulava」を1発試射しようとしたところ、ミサイルがハッチの途中でひっかかり、半分顔を出した状態で停止。

 つまり最新型SLBMのコールドラーンチに失敗したようだ。潜水艦は浮上し、乗員は水上艦船に移乗したという。

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 Defense Express の2024-3-16記事「Ukrainian Drones Hit Two russian Oil Refineries at Once, This Time Flying 1000 Kilometers」。
   三月十六日にロシア領内の2箇所の精油所が無人機攻撃を受けた。これで累算12箇所の石油プラントが爆撃されたことになる。

 今回はウクライナ国境から900km以上離れていたことが注目される。

 前にブリヤンスクの精油所が爆撃されたときは「Tu-141」というドローンの残骸が見つかっている。今回は残骸画像は無し。

 最近使用されている自爆無人機として「Lyutyi」という新顔があるという。その形状は「バイラクタルTB2」に相似のように見える。

 西部の精油所を特攻機からガードするために「ミル-18」と「ミル-24」をCAPさせているとロシアは宣伝していたが、まったく役に立っていないようである。

 ※もし蒸留塔が破壊されたのだとすればその修理は当分はできないだろうという。石油精製工場の専門家いわく、それは平時でも1年か2年かかると。リャザン製油所は規模が大きいので3年かかるだろう。ハバロフスク精油所は4年かかるだろうと。

 ※ついでに豆知識。石油関連の英語はとてもまぎらわしい。原油蒸留塔の最上段から取り出されるのはナフサであり、これがガソリンになる。その一段下の階から取り出されるのはケロシンであり、これは日本語では灯油である。その一段下の階から取り出されるのは「ガス・オイル」であり、それを英語で「ディーゼル Fuel」とも称するのだが、日本語だと「軽油」である。その一段下の階から取り出されるのは潤滑油。英語でモーター・オイルとも言う。蒸留塔のいちばん下の段から取り出されるのは英語で「FUEL OIL」と称し、これが日本語では「重油」なのである。ここにパラフィンも含まれている。また蒸留塔の頂上からは天然ガスが抜け出て来る。蒸留塔の最底部に残留するのはアスファルトであり、これは「Road Tar」とも称す。

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 2024-3-16のウクライナ軍情報部「Intelligence Update」。
   ロシアの年金と社会保険の公開データを分析すると次のことが分かるという。2022年と2023年でどんな変化があったか。31歳から59歳までの男子で労働ができない身体である者の人数。2022年には167万人であった。2023年にはそれよりも50万7000人増えているという。これは戦傷であろう。

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 2024-3-16記事「A Ukrainian FPV drone hits a Russian ground platform near Avdiivka」。
   宇軍の自爆型UAVが、敵のUGVを直撃して破壊した。ビデオ撮影されたケースとしては、これが初。

 三月十六日に証拠ビデオがSNSにアップロードされた。

 露軍は、弾薬箱を運搬したり負傷兵を後送する履帯式のUGVを使っているが、今回撃破されたのはそれではない。

 装輪式で機敏に操縦される露軍の無人車両が、やられた。場所はマリインカの近く。
 特攻ドローンを放ったのは、ウクライナの第79空挺旅団。

 ドネツク戦線で露軍のUGVが撃破されたのは、これが初めてではない。
 すでに2023-12に、宇軍の第110機械化旅団が、FPV特攻機を使って、露軍のUGVを破壊しているという。場所は、アウディウカに通じる道路上。それが、人類戦史上初の、UAVによるUGV撃破だろう。

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 Pavel Luzin 記者による2024-3-14記事「Russia Exhausts Soviet-era Arms Storage Bases」。
   ある試算によると、ロシアが旧ソ連時代に溜めた軍事資産を食い潰すのは2025年になるだろうという。プー之介はそれを見越して、「朝鮮戦争式の手打ち」を模索しているという。現占領地線を維持したままの休戦だ。

 ※この記事には『ミリバラ』のIISSがまとめた数字にもとづく長い表が付属している。主要なロシア陸軍の「重装備」のストック量が2021年から2024年にかけてどのように減っているかが仔細に示されている。たとえばT-72は2021年には7000両あったが、今は4000両だという。BRDM-2は、1000両あったのが、今は100両しかないという。印象的なのは、多連装のBM-21は、開戦前は2000両あり、今も1500両あるという事実。戦時量産に最も適しているのはこのクラスのロケット砲兵だという再確認ができるのではないだろうか。

 ※フィンランド政府は、フランス政府に続いて、自軍の将兵をウクライナ国内に送り込む用意があることを表明した。