1馬曳きの36式2輪輜重車は50貫=188kgまでしか積めなかった。

 それに対して支那馬車は500kg前後も積載できた。馬鹿の開発、休むに似たり。

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 5月に並木書房から発売される『自転車で勝てた戦争があった』の目次(抜粋)は以下の通りです。

 第1章 インパール作戦 「置き去り」にしたかどうかで決まった「餓死者数」
 ◎「チンディッツ」部隊とは?
 ◎患者を後ろへ退げられないとき、食糧も前へ行かない

 第2章 日露戦争は「自転車にとってのタイミング」が悪かった
 ◎第2次ボーア戦争よりも前の自転車は《高額なオモチャ》だった
 ◎ダニエル・テロンの自転車コマンドー戦術
 ◎「自動車」が「自転車」のライバルとして登場したタイミングの悪さ

 第3章 なぜ「マレー進攻作戦」だけが「銀輪」活用の成功例となってしまったのか?
 ◎日本の自転車工業と幕末人力車の縁
 ◎日清戦争と自転車
 ◎対米戦争後半の内地自転車事情

 第4章 「東部ニューギニア」と「ガダルカナル」の悪戦を、自転車は変えられたか?
 ◎補給点に物資が堆積していても、前線では飢えてしまう仕組み

 第5章 ベトナム人だけが大成功できた理由は?
 ◎「ブチル・ゴム」チューブと「インドシナの独立」は、関係がある?

 第6章 自転車は「エネルギーと食料の地政学」をこれからも左右する
 ◎鉄道と自転車には、相通ずるところがあり、それは中世の「駱駝」と比べられる
 ◎イタリア軍の先進的な考え方
 ◎手押しスクーターは、非常時の食料・肥料・薪炭の配分に大活躍する

 コラム「自転車歩兵部隊を乗馬歩兵部隊と比べた長所と短所は何か?」

 あとがきにかえて 少子高齢化社会に向き合いつつ、周辺国からの侵略に強靭に対処するには

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 Defense Express の2024-4-3記事「The Ultimate Advantage of Ukrainian Long-Range Kamikaze Drones Revealed」。
    DSMACは「Digital Scene Matching Area Correlation」の略号で、1980年代にトマホーク巡航ミサイルのために開発された、地形照合航法システム。
 ただし90年代まではメモリーチップの容量が小さかったから、限られたキーポイントの地形・地物についてのみ、限られたマッピング情報を、発射前に仕込んでおけるだけだった。
 今日ではメモリー容量はいくらでも大きくできる。DSMACの地図ライブラリの中に、戦域の全詳細地図を仕込んでしまうこともできる。ミサイルやドローンは、それを頼りに自力で自己位置の把握が可能なのだ。これを利用することで、露軍のGPSスプーフィングの努力は意味をなさなくなる。カリニングラードのアンテナからは、バルト海全域の民航旅客機を危険に晒す妨害電波が発射され続けているが。

 巡航ミサイルの終末自律誘導は、今日では、「イメージ照合」を使うことが多い。「ストーム・シャドウ」はこれを使って、ドライドック内の敵潜水艦に正確に突入できたのである。
 メモリーチップの性能がよくなったから、標的とする敵艦のイメージをライブラリとして載せておける。それを、ミサイルのカメラからの映像と照合する。これも一種のAIだ。

 ロシア西部の精油所の蒸留塔の高いところを、ウクライナの長距離自爆ドローンが2機、たてつづけに直撃するビデオが地上から撮影されている。終末誘導をDSMACの簡易版に実行させることにより、安価なドローンが、大きな仕事をやってくれるようになったのだ。

 ※片道特攻の長距離ドローンが、良導体の「紐」を点々と撒布しながら、延々と敵国内の高圧送電線に沿って飛び、毎日、モスクワ周辺の数十ヶ所に停電を起させ続けることは、DSMAC以前の技術しか使えなかったとしても、雑作が無いはずである。これなら「大量破壊兵器だ」とか「無差別爆撃だ」とか第三者からくだらないクレームをつけられることもない。而して敵国に与えるダメージは深甚だ。開戦から2年も経っているのに、いまだにこの策を実行できないウクライナ人は、現代のネアンデルタール人と呼ばれても仕方あるまい。

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 Militarnyi の2024-4-3記事「In March, Russia struck Ukraine with more than 600 drones, 3,000 KAB bombs, and 400 missiles」。
   3月の露空軍機は、誘導爆弾を3000発も使用した。

 3月31日には、ウクライナ空軍機が「R-27」空対空ミサイル×1発によって、露軍の「Kh-55SM」巡航ミサイルを撃墜した。場所はRivne郡。

 ただしこの巡航ミサイルは囮に使われたようだ。弾頭には「擬核弾頭」が載っており、着弾しても爆発せぬ仕様であった。

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Jamie Dettmer 記者による2024-4-3記事「Ukraine is at great risk of its front lines collapsing」。
    イーロン・マスクが語っている。モスクワは全ウクライナを占領することはできないが、ドニエプロ川までは西進できる。さらに時間をかければ、オデッサまでは征服できると。

 土曜日に露軍は、開戦いらいひさびさに戦車を集中した大規模な攻勢を仕掛けたが、宇軍の第25旅団がその突撃を破摧した。前進してきた部隊の三分の一にあたる、12両の戦車と8両のIFVを破壊したという。

 ザルジニーの適切な表現。「ワン・チャンスの戦争」になっている、と。
 たとえば「ストームシャドウ」は一時的に大戦果を挙げたが、すぐに露軍はその必要な対策を理解して措置した。だから「ストームシャドウ」にはもう次の戦果は報じられては来ないという具合。

 ある将校いわく。F-16は2023夏に来ていれば大活躍したろうが、2024夏ではもう遅い。大したことはできまい。

 さいきん、クリミア半島北部のDzhankoyから、ロシアが「探りのミサイル」を放ち始めた。それらは爆発弾頭を装着していない。彼らは対F-16用に「S-400」を配置するための最適の間合いを観測中なのである。西側のAWACSにはどこまで見えているのかを探っている。

 ウクライナ軍の複数の将校いわく。宇軍は400万発の砲弾と、200万機の特攻ドローンを必要としている。

 馘になったザルジニーの後任の、シルスキー将軍が先週、国内メディアに対して語った。ザルジニーが2023-12に要求していたような、50万人の追加動員は、必要ないと。
 また新規の招集兵の多くも、3~4ヵ月の集中訓練のあと、最前線ではなく後方のデスクワークをしてもらうと。

 これらはすべて国内政治である。キエフの現政府が国内で不評なので、苦し紛れのごまかしを喋っている。

 火曜日のゼレンスキーの署名。これまで徴兵登録は27歳からとされていたが、それを25歳からに引き下げる。


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Marwa Rashad and Vladimir Soldatkin 記者による2024-4-2記事「Russia’s Sanctioned Arctic LNG2 suspends Gas Liquefaction, Sources Say」。
    ロシア最大手の液化天然ガス生産会社のNovatekは、「北極LNG2」事業を休止した。LNGタンカー不足と西側の制裁が効いているため。
 同事業は今年の第一4半期にスタートするはずだった。

 北極海で使われるLNGタンカーには「Arc7」の砕氷性能が求められる。すなわち厚さ2mの海氷を割って進めなくてはいけない。船体は二重とし、スクリューも特製となる。
 同社が必要とするそのタンカーのうち15隻はZvezda造船所でこしらえる。
 6隻はHanwaでこしらえる。
 3隻はSpvcomflot社が建造する……はずだったがこれはキャンセルされたという。
 3隻は三井OSK汽船が建造する。

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 Ritu Sharma 記者による2024-4-2記事「Chinook ‘Roars’ In Kashmir; US-Origin Chopper Performs Maiden Landing As IAF Activates 1st Highway Airstrip In J&K」。
     カシミール高原にインドが建設していた、ハイウェイ連接の非常時用滑走路が完成したので、まずCH-47チヌークを着陸させてみた。

 場所はAnantnag。
 カシミールの近くには空軍基地として、SrinagarとAvantipurがあるが、ここから発進した固定翼機が緊急着陸するのにも、ここを使うことができる。

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 ストラテジーペイジの2024-4-3記事。
    HIMARSの現況確認。
 2024-3までに、ウクライナは米国からぜんぶで39両のHIMARSを貰っており、そのうち2両を修理のために国外へ送り返している。この2両は被弾損傷したものだ。またそれとは別に1両を、露軍によって完全破壊されている。よって現在、36両を運用中だ。

 宇軍はHIMARSからこれまで1万2000発の終末誘導ロケット弾を発射した。
 米国内ではこのロケット弾は年産1000発にすぎないが、過去の累積製造数が6万発以上あって、そのストックはまだ残っているという。

 ロシアは、多数のHIMARSを破壊したと宣伝しているが、1両だけを除き、すべて、デコイを破壊しただけ。

 HIMARSは多連装だが、実戦では、同じ場所からは2発までしか発射するべきではない。発射の寸前まで、建物内などに車両を隠しておき、広い場所に出たら手早く1~2発を発射し、即座に河岸を変える。これを励行しないと、露軍の偵察UAVにすぐに見つかるようになっている。

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 Ellie Cook 記者による2024-4-3記事「Russia Lost Almost 1,000 Artillery Systems in March」。
  3月は激戦だった。露軍はその1ヵ月で、砲兵装備を976門、損耗したという。

 また、2022-2いらいのトータルの露軍の砲兵装備損失は、1万1142門だという。これは水曜日の発表で、その前日に破壊した30門を含めているという。

 これに対してロシア国防省は、宇軍の砲兵はこれまで2年間で8629門を喪失したと言っている。火曜日発表。



自転車で勝てた戦争があった