「空中投下できる船外機」があれば、助けられる人命があるはず。

 救命用のゴムボートや筏には、船外機がついていないことが多い。
 沖合いを漂流中のゴムボートに対して、無人機から、パラシュートを投下してやる。すると、それは浮力体で囲まれているので海面上に浮いている。ゴムボートの方からそこに近寄り、「浮体船外機」と自艇をロープで結ぶ。その後、浮体船外機は、上空の無人機を経由したリモコン信号の誘導によって、半自動でゴムボートを「曳航」して、近岸、もしくは揚収船艇が待つ海域へ、連行してくれる。

 先島群島からの住民エバキュエートが必要になった場合、この備えは重宝するはずだ。

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 ストラテジーペイジ の2024-4-27記事。
   欧州の鉄道のレール軌間巾は1455ミリである。スタンダード・ゲージと称する。
 これまでウクライナ鉄道の軌間は1524㎜のロシア・ゲージでだった。ちょうど5フィート。

 このため従来、西側の軍需品等を列車で受取ろうとすれば、ウクライナ西部にある「Uzhhorod」という小さな町の駅で、貨車積換え作業の必要があった。この駅には、すぐ隣のスロヴァキア、ならびに比較的に近いハンガリーからの線路がつながっているのだ。

 コンテナをクレーンで吊って、いちいち、隣レール上の無蓋貨車へ移す作業。じつに労力の無駄である。限られた本数の列車の回転効率も悪い。

 ちなみに客車の場合は、乗客が歩いて、隣の列車に乗り移る必要がある。

 今は一時的にロシア海軍が黒海西部から駆逐され、オデッサ港は使える状態である。
 しかしこの港が空襲で破壊されたりすれば、次善の物資運送ルートは、この鉄路なのだ。

 ウクライナ国内の全鉄道を、ロシア・ゲージから、スタンダード・ゲージに改軌してしまえば、それ以後、露軍は、従来の機関車も貨車も、対宇侵略のために使えなくなる。

 ※乞食のゼレ坊が真の指導者なら、3年前にとっくに銃後国民を動員して、この「改軌」を済ませている。その勤労奉仕動員を通じて、「統制」の自然なカタチもできあがり、国内が鞏固に団結できるのだ。戦車をクレクレ言って歩くばかりが戦時指導者の芸ではない。インフラは正面装備よりも大事だと理解できないようでは話にならぬ。

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 Howard Altman 記者による2024-4-26記事「Ukraine Appears To Be Using Light Planes Converted Into Reusable Bomber Drones」。
   ロシアのSNSサイト「テレグラム」に、墜落した無人機の写真が出ているのだが、これが、有人機の改造品。
 「スカイレンジャー2」というレシプロ単発のSTOL機に、ISR用のチンターレットをとりつけ、胴体下に爆弾を固縛してあった。爆弾は爆発していない。

 この飛行機は「キット」の形で売られ、買った個人が組み立てる。通販価格は5万5000ドル。サイドバイサイドの複座機。
 ペイロードは730ポンドに達するともいう。

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 Defense Express の2024-4-27記事「Yak-52 Sport Aircraft Takes Down russian Orlan-10 Near Odesa」。
   ウクライナ人が操縦する複座のアマチュアスポーツ機(兼・練習機)の「ヤク52」が、照準器すら備わっていないのに、機関銃によって「オルラン10」を撃墜したという。場所はオデーサ港の上空。

 その機関銃とやらは機体のどこについていたのか、等、詳細は一切不明。

 落下傘を開いて墜落して行く「オルラン10」無人偵察機の回りを旋回する「Yak-52」の動画がSNSに出ているという。夜間ではなく昼間らしい。

 ※自爆無人機だったら夜間に襲来するはずなので、レーダーの目をもたない練習機が対処できるとは思えない。

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 AFPの2024-4-25記事「US nudges Germany on long-range missiles for Ukraine」。
   米国政府はドイツに対して、もっと遠くまで届く戦術ミサイルをウクライナへくれてやれ、と慫慂しているという。具体的には「タウルス」空対地巡航ミサイル。最大で500km届く。このミサイルはとっくに製造は終っている。

 ※国境内から発射してモスクワまで届いちまうASMをドイツが率先してゼレンスキーに与えられるわけねえだろ。このアナウンスには何か別な意図や意味があるはず。しかし、ちょっと見当がつかない。

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 Alexey Lenkov 記者による2024-4-26記事「Chinese J-20 emerges as a hot contender to replace refused UAE F-35」。
    UAEは米国製のF-35を買いたかったが、米政府によって拒否されたので、次等の戦闘機として、中共製の「殲-20」に着目するであろうという、「それはあなたの感想ですよね」記事。

 ※中共が「殲-20」を輸出用とは全く考えていない情況証拠はゲイツ長官時代からゴマンとある。

 2020年にUAEは目論んだ。イスラエルとの関係を改善すれば、F-35を買えるんじゃないかと。
 しかしイスラエルはUAEを長期的に信用してはおらず、これに反対。

 UAE国軍総司令官、アルアメリ少将は、4月23日に、中共空軍参謀総長の Chang Dingqiu 中将と面談している。

 UAEはすでに中共製の「ファルコン L-15」という練習機を取得している。とうぜん、戦闘機の話もテーマに上がったはずだ。

 ※「殲-20」をUAEに売ればいいではないかという意見は、どうも中共内部の「ネット世論」らしい。しかし中共中央は案外、国内のミリオタどもの声にも敏感なので、この先の展開は、予断をゆるさぬ。

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 The Maritime Executive の2024-4-26記事「Houthi Missile Damages Shadow Tanker Carrying Russian Oil」。
   フーシのタンカー攻撃は、見境がない。
 イエメンのアルムカ沖14海里で、タンカー『アンドロメダ・スター』にミサイル命中。

 このタンカーはパナマ船籍。
 別のもう1隻も狙われたが、ミサイルはぎりぎり外れたという。

 『アンドメメダ・スター』に向かっては2発のミサイルが飛来し、結果として小破。怪我人はおらず、航海は続行されている。

 AISにはテキストメッセージが乗せられるらしく、同船は「おれたちゃロシアからインドへ向かうタンカーで、イスラエルとは関係ねえっすよ」としきりに宣言をしていたのに、やられてしまった。要するに国際制裁合意破りの石油「抜け荷」船であった。

 なお25日にフーシは「MQ-9 リーパー」をまた撃墜したと騒いでいる。これで3機目のはず。その後、証拠ビデオを出したという。