今次ウクライナ戦争で露軍はこれまで少なくも1500機の「ランセット」を命中させたという。

 《note》にコメント下さった方へ。どうぞ、動画用に御使用ください。すいませんコメントに返信する方法がわからんもんで・・・。

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 Siobhan O’Grady and Kostiantyn Khudov 記者による2024-4-28記事「As Ukraine runs low on ammo, civilians build troops DIY drones at home」。
    キーウ在住の市民Aさんは、これまで150機のFPV特攻ドローンを自宅でこしらえて軍に献納した。また、ウクライナ軍が戦場で墜落機を回収した半壊ドローン(露軍のものを含む)の修理復活もひきうけていて、その数はこれまでで数百機だという。

 こうした市民がたくさんいるという。

 パーツを中共から輸入するための資金として、募金をこれまで20万ドル以上、集めているが、Aさんと旦那は共にIT技師なので、その収入からも自腹を切っている。

 なお、こうした義勇製造市民は、爆発物は、とりあつかわない。ドローンと組み合わされる弾薬・爆薬は、すべて、前線に用意されており、前線において兵隊が結合する。

 こうした、無人兵器の製造ラインを民間にかぎりなく分散させてしまう方法は、有事には利点がある。これがもし、巨大な製造工場であったなら、ロシア軍はそこにミサイルを撃ち込んで、一挙に生産力を破壊してしまえる。しかし兵器製造が「クラウドソーシング」されていれば、露軍はそれを、破壊のしようがない。ほとんどのパーツの供給元である中共を爆撃するわけにもいかない。

 各都市の、街の市民ボランティア改造工房多数を束ねている地域の有志団体も多数ある。
 しかし、それら団体から軍に直納するのではない。まず中間のテスト団体が引き取る。そこが動作の確認試験をやって、まちがいなく使えるものだけが、前線へ送られる。

 有志の改造屋たちが、じぶんの改造したドローンの送り先を指定することもできる。たいていの場合、彼らの友人が兵隊となっている最前線部隊だ。

 あるグループのウェブサイトは断言している。250ユーロで製作されているわれわれのドローンは、1発7万ユーロの「ジャヴェリン」と同じ戦果を挙げて見せている、と。

 爆撃用ドローンや自爆特攻ドローンの造り方、使い方を、兵隊や有志市民に教授しているボランティア団体も、ある。2022年の露軍の侵攻直後に最初のグループが立ち上がっている。

 ボランティアの部品調達部門は、製造に必要な中共製パーツは何か、公表している。市民有志はそれを通販の「AliExpress」でポチり、寄贈する。こうして愛国者のクラウドの資金力が、裏切り者によって中抜きされることなく、戦力に転換される。

 某団体は、始めたころには週に5機を献納した。それが翌週には7機に増え、1年後には、毎週400機に。そして今では、毎週4500機の、テスト済みの特攻ドローンを、前線へ送り続けている。

 ところで、組み立てたドローンの検品テストはどこでどのようにするのか?
 キーウ市内の工房の場合、「公園」を使うそうである。飛行テストするのも、週末ボランティアたちなのだ。
 前線で負傷して除隊した傷痍軍人が、こうしたドローン献納団体の「QC係長」となっているケースもある。1機ずつ、飛行動作試験をして、確かめる。

 急激な空中機動をさせたときに、組み付けの悪いドローンは、空中分解してしまうことがあるという。そうなることがないかどうか。

 爆薬の代わりに、砂を充填して重くしたペットボトルを、ドローンに抱きかかえさせる。

 不合格品はまとめて、ショップへ送り返している。

 前線の兵隊からは、ショップに、ビデオ付きの令状が届くことがあるという。自分が作ったモノで人(露兵)が死ぬビデオを見てこんなに嬉しく思う日が来るとは思わなかった――とある有志市民女性。

 ※イタリア空軍はこれまで200発の「ストームシャドウ」を受領しているが、その中から、イタリアもウクライナへ同ミサイルを寄贈するという。

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 Aliyah Kovner 記者による2024-4-23記事「This alloy is kinky」。
    ニオビウム、タンタルム、チタン、ハフニウムの合金が、凄いという。
 超高温下でも、超低温下でも、強度と靭性が低下しないのだという。
 これはただちに次世代のエンジン部品に適用されるはず。

 新合金をつきとめたのは、国立ローレンス・バークレイ研究所と、バークレイ大学の合同チーム。
 その報告は2024-4-11刊行の『サイエンス』に出ている。


兵頭二十八 note


自転車で勝てた戦争があった