本日、書店搬入です! 新刊『自転車で勝てた戦争があった』を、ミリタリーの棚で探そう!

 いや~、待ち遠しかったっす。ネットでは5月初旬から流通してますけど、街の書店さんへの出荷が未だでしたからね。

 次。
 COL Jorg Stenzel, German Army, and CDR Michael Posey, U.S. Navy 記者による2024-5-7記事「Analyzing the German Frigate Hessen’s Near-Miss of a U.S. Drone in the Red Sea」。
    2024-2に紅海にてドイツのフリゲート艦から「スタンダード2」対空ミサイルを2発、米軍の「RQ-9 リーパー」へ向けて誤射し、しかも2発とも外れたという事件。

 『Hessen』は、多機能フェイズドアレイレーダー「APAR」を備え、対空警戒レーダーとしてはそれと別に「SMART-L」を設置。

 APARは、レーダー覆域視程150km、同時識別目標は200個という。
 SMART-Lは、覆域視程400km、同時に1000個の空中目標をトラックできると豪語す。

 『ヘッセン』のVLSは「マーク41」で、その中には24発の「RIM-66 スタンダードミサイル2MR」と、32発の「RIM-162 Evolvedシースパロー=ESSM」。
 また2基の「マーク49」ミサイル発射装置の中には「RIM-116 RAM」のセット。〔※これがあればファランクスは要らないと考える海軍もある。〕
 さらにオットーメララの62口径長の76㎜砲でも防空交戦できる。

 他にハープーンの専用ラーンチャーと、「EuroTorp MU 90」対潜魚雷、それと対舟艇用に役立つ27㎜機関砲もあり。

 2月26日、『ヘッセン』が防空を担当するエリア内に1機のUAVが近づいてきた。『ヘッセン』の近傍にはすくなくも15隻の商船が通航中であった。

 MQ-9 リーパーは、IFF(敵味方識別トランスポンダー)を備えていなかった。
 『ヘッセン』艦長は、同盟国軍の司令部と調整をした上で、このUAVを攻撃すると決心。
 しかしSM-2は2発とも外れてしまった。

 翌日『エッセン』は、別なフーシのUAVを2機、撃墜している。しかしそのさい、ESSMが不調で、RAMと主砲を使用したことが分かっている。高額なシステムが、またしても役立たなかった理由は何なのかという疑問を呼んだ。

 リーパーは、時速170~200マイルの低速で飛ぶ。しかも当該機は、ヘッセンと「同航」の位置関係だった。平行して飛んでいたのだ。そこで「クロス-レンジ」の難問が生じてしまったらしい。

 たとえばボクシングで、フックは届かせ難いが、ストレートには近すぎるような、微妙な間合いだった。

 マスコミに揶揄された艦長は、しかし、手順には自信をもっていて、ワシは教科書通りにやったのであり、また同じ状況になったら同じことをするだけであると強く反駁している模様。

 ※ドイツ人艦長が口にできないことを推定すると、この艦はイスラエル製の交戦管理システムを導入中であった。そのシステムが、ドップラー遷移を生じにくい遠距離目標――すなわち同航且つ低速の目標――への対処力に弱点があるのではないか。また、臨時紅海艦隊の上級司令部は、ギリシャ人やイタリア人が努めているが、そいつらがリーパーの飛行予定を把握してないのがそもそも無能である。寝ていたのではないか。

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 Sofiia Syngaivska 記者による2024-5-9記事「russia Loots the Avdiivka Coke and Chemical Plant and Ships the Equipment to Mariupol」。
    露軍は占領したアウディウカのコークス工場とケミカルプラントの設備を根こそぎ取り外し、マリウポリへ運び去った。

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 Defense Express の 2024-5-9記事「Ukraine’s Drones Reach 1,400 km: Strike on Oil Refinery in Bashkiria」。
    ガスプロムの、年産1000万トンの原油精製力がある「Neftekhim Salavat LLC」が、ウクライナの無人機特攻によって炎上。この精油所は、前線から1400kmも離れているという。



自転車で勝てた戦争があった