「熊保険」が必要だ。

 行政が無策であるとき、保険業界の稼ぎ時であろう。

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 Lt. Col. Michael Carvelli 記者による2025-9-15記事「Want to enhance Baltic deterrence? Start with traffic redesign」。
  米陸軍の作戦将校が提言する。
 バルト諸国は、重要な道路の交差点と、橋梁を、戦略的に再設計するがよい。それによって露軍の前進計画を狂わせてやるのだ。

 特に、ベラルーシとカリーニングラードの間にあるリトアニアの「E28高速道路」は、今のままではダメすぎる。
 この高速道路、さいわいにも、「十字路」がある。そこは、中央に鉄筋コンクリートの壁を据えたロータリーに直すがよい。

 ポーランドとリトアニアのあいだの、65kmの「スワルキ・ギャップ」は、どうすればよいか。
 この地域の自動車道路の脇に、コンクリート製のプランター・ボックスをずらりと並べ、平時はそこに野菜でも生やしておく。有事にはそれを兵隊が押して移動させ、路上をブロックできるようにするがよい。

 リトアニアのプリエナイにあるネムナス川橋は、可動橋に架け替えるがよい。跳ね橋でもいいし、旋回橋でもいい。

 ※この中佐は工兵ではないので発想が浅い。私から追加提案しよう。まず、すべての自動車道に、「幅70センチの側溝、および中央分離帯溝」を工事するオプションを考える。T-72の履帯の幅は55センチなので、幅70センチで深さが1.2m以上の溝を横切るときに、交差角が甘いと、片側履帯が嵌まり込む。そこから這い上がるには、ちょっと苦労しなくてはなるまい。そのあいだ、戦車は、対戦車兵器の良いマトになる。だから、このような溝が道路にずっと沿っているだけで、その道路を自走したり横切らねばならない敵戦車の乗員にとっては、大きなストレスになる。その側溝に、平時に自国民の乗用車のタイヤが陥ってしまうおそれもあるわけだが、そこは軽易なガードワイヤー等で防護ができる。また、幅70センチの深い溝は、有事には、そのままに歩兵の「立射壕」になってくれる。その壕の底部に身を潜めている歩兵や民間人を、敵戦車は、蹂躙することはできない。交差点のロータリー化だが、これは、地上の主要道路すべてに適用すべき名案だ。停電時にも信号が不要な「ラウンドアバウト」にして、中央には円環状のぶあついコンクリート壁をめぐらせ、その円環の中央部には深い空井戸を掘り、その円環内を「防災倉庫」とするように、建屋も構築しておくとよいだろう。そこに、負傷者輸送用の「プッシュバイク」を常備しておけば、ラウンドアバウトの各交差点が「プッシュバイクの駅逓」となる。非常時の物資前送や民間エバキュエーションの、わかりやすい目印になってくれるだろう。

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 Vladislav V.記者による2025-9-16記事「Defense Forces Flooded Pipe Used By Russian Troops Near Kupiansk」。
  露軍は、歩兵の奇襲部隊の移動や、補給部隊の交通に、休止中のガス・パイプラインを使うようになっているが、このほど宇軍は、そうしたパイプラインのひとつを「浸水」させて、二度と歩兵の通路にはできないようにした。それは地下に埋設されていた。

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 『モスクワ・タイムズ』の2025-9-17記事「Kamchatka Peninsula Braces for 5-Day Internet Shutdown Amid Undersea Cable Work」。
   水曜日に地元政庁が布告。来週、Rostelecom社が、光ファイバーの通信用海底ケーブルを修繕するので、少なくとも5日間、カムチャツカ半島でインターネットは使えなくなる、と。

 銀行や緊急サービスなどは、衛星回線によって通信が維持されるという。

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 Racing Buzz という投稿者によるSNS投稿。ユタ・バレ大学で講演者に弾丸が命中した直後、半裸の白人が小躍りしていた姿が撮影されていたが、この若い男は、F1レーサーの Max Verstappen のツアー・クルーだと特定されたそうで、フェルスタッペン氏は、この男のツアー同行を爾後永久に禁じたそうである。この男の家族も、チームに近づくことは、金輪際、認められないという。

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 1812英米戦争の豆ちしきシリーズ第一弾。

 Stephen Decatur (1779~1820)提督は、メリーランド州で生まれ、フィラデルフィアで育った。ペンシルヴェニア大学に1年通ったあとに、船会社に入社。
 1798に海軍の士官候補生に。
 1801に中尉となり、軍艦『エセックス』に配乗されて、トリポリ沖へ遠征。その当時、地中海は海賊の横行海域で、米国商船の被害が続出していた。
 1802~03には、軍艦『ニューヨーク』に乗り、やはり地中海を集中パトロール。

 1804、彼はみずから鹵獲した1艦をひきいてトリポリ湾へ突入し、そこで先に座礁して敵手におちていた米フリゲート艦『フィラデルフィア』号を焼き払ってくるミッションを完遂した。この直後に大佐に昇進す。

 1812戦争が勃発すると、彼は『ユナイテドステイツ』号の艦長となった。
 その10月、単艦にて、英フリゲートの『マケドニアン』号を鹵獲。この戦争中の米艦勝利の大ニュースのひとつになる。
 翌年、ニューヨーク湾防備艦隊の司令官=代将に。
 ここでも英海軍の封鎖を突破しようとして奮戦し、最後は捕虜にされてしまう。

 終戦直後の1815、こんどは「アルジェリア戦争」と呼ばれた、対バーバリ海賊(コルセアー)の討伐遠征に、米艦隊を率いて出陣。沿岸の海賊拠点を掃滅することにより、それまで海賊たちに米商船が支払わされていた「みかじめ料」を廃止させた。大手柄。
 ここから米本土に凱旋したときに、ノーフォーク軍港にて、顕彰のパーティが開かれた。そこで彼は一席ぶった。「Our country! In her intercourse with foreign nations may she always be in the right; but our country, right or wrong」と。
 私訳すると、《わが国に乾杯! 海外勢力との紛争では常にわが国が正しからんことを。だが、重要なのはわが国が勝つことである。正しくとも、正しくなかろうとも》。
 デュケイターはそれから死ぬまで、米海軍の最高幹部の一人であり続けた。最期は決闘で早死にしている。バロンという部下の大佐の昇進を不当に遅らせていると恨まれて。

 このデュケーターの1815スピーチは、有名になり、その後、いろいろな人に引用され、また改変された。
 たとえば1872年に、上院議員のカール・シュルツは連邦議会で「My country, right or wrong; when right, to keep her right; and when wrong, to put her right」=《わが国が正しいときは、正しきままに。正しくないときは、正しくならんことを》と演説した。
 シュルツ(1829~1906)はドイツの生まれで、正義感が強く、母国革命に失敗して米国に逃れ、米国の連邦上院議員になり、南北戦争では駐スペイン大使に任じられてスペインに中立を維持させ、さらに准将~少将の階級で終戦まで北軍に参陣した。

 G・K・チェスタトン(1874~1936、英国の文人論客)は、このフレーズを念頭に《私の母がシラフのときも、酩酊せるときも》と言い換えて、市民の普通の道徳によって国家の暴走をいさめるべきではないかと、帝国主義肯定の世論に逆らった。彼はボーア戦争に反対だったわけである。

 トーマス・カーライルは「right or wrong, my country」とは言っていない。
 あるAI回答によると、このフレーズは Edward Everett (1794~1865、米国の国務長官で、その前にハーバード学長、その前は駐英全権公使だったこともあり)が流行らせたのだという。しかし1815時点でまだ21歳じゃないか?

 AIまたいわく、William G. Sumner (1840~1910)も、このフレーズ「right or wrong, my country」 を流行らせたという。サムナーは、イエール大の人文系の名物教授だったという。

 イギリスの歴史家 Thomas Carlyle(1795~1881)は、『チャーティズム』というタイトルの1839出版のエッセイの中で、「Might and Right do differ frightfully from hour to hour; but give them centuries to try it in, they are found to be identical」=《力と正義とは、1時間単位で観るなら、恐ろしく違う作用をする。しかし数世紀が経つと、そのふたつは、同じものであると分かるだろう》と書いた。

 これが引用者によって、「Might makes right」=力が正義を創る、と短縮改変され、そのフレーズが普及した。

 カーライルの真意は、彼が「正義は力の永遠のシンボルである」とも書いていることから、理解するべきである。正義の創出として決着していない力の行使を、カーライルは、軽蔑していた。

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 Darya Korsunskaya 記者による2025-9-18記事「Russian government explores way to make ends meet as budget deadline looms」。
  ロシア政府は、VAT=付加価値税の税率を引き上げることを検討している。ロイターのすっぱ抜き。

 ロシア政府は今年、所得税率を個人/法人ともに引き上げたが、それにもかかわらず、財政赤字の見積額が倍増している。
 この赤字を抑制するために、付加価値税(VAT)率を20%から22%に引き上げることを、彼らは議論している。

 ロイターの試算によると、VATは2024年のロシア政府歳入の37%を占めている。これを引き上げれば、2026年の赤字は半減するかもしれない。

 ロシア経済は、成長中ではあるものの、伸び率は逓減している。GDP増加は昨年の+4.3%から、今年は+1%に落ちるであろう。
 歳出の40%が戦争に使われている。インフレは8%を超えている。

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 『モスクワタイムズ』の2025-9-11記事「Russia Plans Bankruptcy Moratorium to Shield Struggling Steelmakers ―― Kommersant」。
  国営統計局ロスタットによれば、ロシアの鉄鋼生産量は昨年、軍需増にもかかわらず、1.5%減少した。それに景気後退が加わり、ことし6月の生産は前年比で10.2%減少した。
 このため鉄鋼関連企業のいくつかが破綻に瀕している。ロシア政府は、モラトリアムによってそれを救済しようとしている。

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 SNSに、「山林中で飼い犬とはぐれてしまい、呼んでも現れず、1週間以上探しても見つからず、途方に暮れた場合はどうすればいいか」の解決法が書いてあった。猟師たちが教えてくれたのだという。まず、飼い主が、まる1日以上、その身につけていた衣類、たとえばセーターのようなものを、犬とはぐれた地点に、まるめて置く。そして、できれば、犬がなじんでいた「網かご」「おもちゃ」のようなモノも一つそこに添える。「これを動かさないでください」というメッセージ・ボードをそれらの脇に立てる。さらに、近くに小川が無いならば、犬が水を飲める、安定した容器(鉢・深皿・ボウル)も据え、その容器内には清水を満たしておく。それだけ。翌日、その場所をチェックせよ。そこに、あなたの飼い犬は待っているであろう。そのさいの注意! 清水の他に、食べ物などを置いてはいけない。餌が野獣を引き寄せてしまう。犬は、その野獣を警戒し、その場所に近寄らないから。


資料庫
TR著『Naval War Of 1812』(1882 pub.)を機械が翻訳してくれた。


「地政学」は殺傷力のある武器である。〈新装版〉 ニュー・クラシック・ライブラリー