パブリックドメイン古書『北米産のすっぽんにおける後弯症とその原因考察』(1947-7-1)を、AIに委託せずに私訳してみた。

 水性の亀の仲間が、暖地であるメキシコ湾岸に注ぐ河川に多く棲んでいるのは納得しやすい。一方、たとえば毎冬に下流域までもガチガチに凍結してしまうアムール河で、どうやってスッポンがサバイバルできているのか? わたしは、それがなにゆえに「交易」によって蝦夷地まで移入されなかったかも含めて、多年、答えを探し求めているのですが、未だ、疑団を氷解させてくれる文献にヒットしません。

 ちなみに北海道には亀類の自生は1種類もなく、夏の大沼などでみかけるものはすべて、誰かが成体を過去に放流した、その生き残りだそうです。幼体は、最初の冬を越せるだけの体内エネルギーが無い(なんと5ヵ月くらいも水底で息を止めていなくてはいけない)と考えられています。ますます、北満(黒竜江)のすっぽんのことが、気になってしまう。

 原題は『Kyphosis and other Variations in Soft-shelled Turtles』、原著者は Hobart M. Smith 、原書の版元はカンザス大学出版部ならびに自然誌博物館です。

 例によって、プロジェクト・グーテンベルグさまはじめ、各位に深謝いたします。
 なお、この訳文の正確さはいささかも保証されていません。正確に調べたいというこころざしある方は、必ず原テキストにあたってください。
 以下、本篇です。(興味本位の抄訳です)

 「後弯症」は、ハンプ・バック(瘻・せむし)とも称され、アジア産すっぽんにもアメリカ産すっぽんにも観察される。

 1937に『北京自然誌 Bulletin』上にGressittが報告しているのが早い。

 カンザス大の自然誌博物館には、三種の米大陸産のスッポンの〔病変した?〕骨格の標本がある。その三種とは「Amyda emoryi (Agassiz)」「A. mutica (Le Sueur)」「A. spinifera (Le Sueur)」である。

 A. emoryi の病変標本は、ふたつある。まずコロラド州 Phoenix, Maricopa で1926-5に採集されたもの。ついで、1936にカンザス川で採集されたもの。
 A. mutica の標本は、脊椎がない。
 A. spinifera の標本は、採集地データが無い。

 A. mutica (see figures) の弯曲はスムースで、カーヴが高い。
 他の2つのハンプは低く、頂点の形が比較的に鋭角である。
 A. spinifera の標本は、ハンプ表面の後部がほとんど垂直であり、前部との違いが顕著。

 A. emoryi の標本の頂点の後半部は45度に切れ落ちている。他の表面部分ではだいたい傾斜は35度だ。

 弯曲症の原因は不明である。
 発現は、後期胚 もしくは 胚後初期 のようである。

 仮説のひとつ。「肋骨プレート」(costal plates)が、胚の段階で肋骨と強直してしまい、あとは、もう、ゆがみつつ成長するしかなくなる。

 標本の、甲羅のいちばん大きなものは、長さ295ミリである。

 以下、博物館所蔵の多数のすっぽん標本に関する付表の中の、データを恣意的に拾う。
 甲羅の横幅の大きなものは282ミリである(ferox mutica)。縦長の大きなものは45ミリ(spinifera)である。

*** END OF THE PROJECT GUTENBERG EBOOK KYPHOSIS AND OTHER VARIATIONS IN SOFT-SHELLED TURTLES ***
《完》