心ならずも拉致された人たちがこの夏、すっかり忘れられた件について

 前の参院選挙で、出陣前の合同演説会の応援弁士として都内の某所に出かけた折のことです。泡沫候補を立てまくっていた自由連合の徳田党首がテーブルを回り「いい候補はいませんかねえ」と言うのです。すると、わたくしがたまたまお呼び立てしていた光文社の編集者さんが「だったら横田めぐみの父を出せ」と強く迫りました。
 わたくしは『なぜそれをもっと早く思いつかなかったか……』と己れを恥じたのでありました。光文社編集者氏、GJ!
 徳田氏は、秘書の人にその場で、すぐコンタクトをとってみろと命じていました。しかし皆さんもご存知のように、これまで横田家のご両親は被選挙人となってはいません。その理由はなぜなのかは分りません。残念なことだと思います。
 わかりにくいことと言えば、ライブドア社長の堀江貴文氏は、なぜ「無所属」で出馬なのか? これは、小泉氏には広島6区の亀井氏を本気で潰す気は無く、広島県連とは妥協したのだということでしょう。これで6区はもう亀井氏で決まりですから、有権者の皆さんは9.11にはずっと家に居ても同じことでしょう。
 亀井氏は創価学会票をほとんど恐れておらぬ(つまり広島6区という小選挙区に関していえば、集票マシーンとしての学会は初めからヘタレであった)、有力な権力基盤を保持する代議士です。小泉氏は、そこに何らかの将来の利用価値を見たのでしょう。
 片山さつき氏の財務省ご退職と立候補は、どういう風の吹き回しなのでしょうか。財務省の偉い人の心の中を読めば、『この職員は使えんから、出て行って欲しい』ではないでしょうか。そこで小泉氏は財務省の偉い人に「貸し」を作ることにしたのでしょう。この取引が世間から察知されるのも迷惑ですので、財務省のスポークスマンは「OJTその他に多額の国費を投じている職員が早期退職して選挙に出るのは困るな」などと心にも無いリップサービスを記者クラブを通じて書かせたのでしょう。
 しかし片山氏が過酷なドブ板選挙を戦う過程で、自分の限界を知り、一皮剥けて社会人として成長を遂げるという可能性も億万分の一くらいはあるかもしれないので、そこに多少期待したいと思います。
 甲子園決勝進出を決めた駒大苫小牧にはどんな勝利法則があったでしょうか?
 野球はゲームバランスが洗練されている球技で、運の要素が大きく介在します。必勝の法則などありませんので、このチームが強運であることは確かでしょう。
 ただし強運の前提として、機会均等の実現があります。ビニールハウスのバッティングケージ、屋内のジムと投球練習場……。日本全体がリッチになり、高校運動部の全天候施設が充実した結果、このごろでは逆に、暑苦しく土地の狭い西日本の固有事情がハンデとなりつつあるのかもしれません。