同憂具眼の士はすくなくない。

 本日、防衛省の防衛政策局から、09-5-15付の「北朝鮮によるミサイル発射について」という資料が、送付されてきました。
 以下、同資料の中で、確認されている推定概算の数値。
 ミサイルが秋田県海岸にさしかかったとき(2009年4月5日午前11時37分)の高度は、370kmで、さらに上昇中であった。
 ミサイルが岩手県海岸から太平洋へ抜けた時刻は不明。しかし、その時点での高度は、400kmであり、さらに上昇中であった。
 ミサイルの最高弾道点が、どこであったかは不明。いつであったかも不明。その高度も不明。
 ミサイルが最終的に落下着水した時刻は、11時46分。しかし、その位置は不明。しかし、北朝鮮が3月12日にICAOなどに提供した資料の中で設定されていた、太平洋上の危険区域の西端付近と推定される。〔ところが送付資料には、そのICAOに伝えた設定区域とやらの座標について、ハッキリした数字が書かれていない。しかし添付のイメージ図を見ると、東経165度よりもほんの少し西側から、その「設定区域」が始まっているように見える。〕
 朝鮮中央テレビの映像等にみえる燃焼の火炎状態等から、1段目の推進剤は液体燃料だと防衛省は結論。
 そのブースターは秋田県海岸から計って320km沖、北鮮の発射点から計って540kmのところに落ちている、という。
 以上が、このペーパーを拝読して兵頭が関心を喚起された情報要素です。
 以下、私見。
 1万mまで余裕で潜れる有索式無人機(Remotely Operated Vehcle)の「かいこう」と、3000m級無人探査機の「ドルフィン-3K」と、6000m級無人機の「ディープ・トウ」は、1999年に打ち上げ失敗したH-IIロケット8号機の第1段筒体を、3次にわたって海中で捜索して、残骸の一部を引揚げていはずだ。
 残念ながら「かいこう」は、2003年5月29日に台風の中で「亡失」してしまった(浮力があるはずなのでどこかの外国にコソーリ分捕られてるんじゃね?)けれども、日本にはまだ「しんかい6500」とか「かいれい」などもあるはずで、秋田沖320kmの水深は4000mもないはずから、試料回収は確実にできるだろう。
 テポドン2がそんなに「脅威」なら、なんでやらないのかな~? すでに「NR-1」が回収しちゃっているからですかぁ?
 あと、Joseph S. Nye,Jr. 氏が、駐日大使の売り込み失敗ですって? 朗報ですね。彼のシナ無知は、度し難かった。彼の著『ソフト・パワー』は、彼がシナの間接侵略文化について何ひとつ分かっていないことを天下に披露していました。「読書余論」のバックナンバーでご確認ください。