自民党が間接侵略に無力な証拠

 「マニフェスト」とは共産党の用語である。
 1848のマル&エンによる「共産党宣言」が、原版の独語で“Das Manifest der Kommunistischen Partei”と称した。(ウィキペディア参照)
 おそらく ’70年代以前の「赤い大学生」ならば、誰でも知っていた歴史であるはずだ。
 しかし今の自民党には、政治用語の選択に気をつけられる人士も、絶えてしまっているのかもしれない。
 ヒトラーがナチス党の旗地にわざと赤色を使って共産主義者を挑発したのは《戦略》であった。
 しかし自民党が民主党と同じ土俵にのぼって、「これがマニフェストでござい」などと一緒になっておめいているのは、どう見ても、マスコミと結託した敵の《戦略》にしてやられているだけである。
 彼らに任せておいたのでは「間接侵略対処」などできるわけがないと、あらためて確認できるばかりだ。
 「中韓を知りすぎた男」さんのブログにも指摘されているけれども、民主党が戦術としてマニフェストから削除している数々の反日立法の目論見に、今から猛然と噛み付いておかないで、下野後にどうするのだ。
 ここを鋭く糾弾して筋の通った見識を早々と強調しつつ選挙期間を戦い抜けば、下野後の明るい未来が掴めるのだ。自民党と民主党のなかから、まともな同志だけ飛び出して、「第二自民党」を創らないかぎり、あの村山談話は葬り去れない。くだらない「マニフェスト」など競作している場合ではないだろう。
 田村代議士のブログに、民主党がこだわっている法案について解説がされていた。その一つ、鳩山由紀夫氏が推進役となっている国会図書館法改正案――別名「戦争責任追及法案」――。
 国立国会図書館内に、先の大戦及びこれに先立つ一定時期の惨禍の実態を調査するための恒久平和調査局を新設。
 旧陸海軍の責任追及のために、恒久的に毎年2億5千万円の予算をつけ、そのために必要な国会図書館職員の定員を増やしてやるという。
 絵に画いたような売国法案だ。
 〈真理は我等を自由にする〉とギリシャ語で掲示されている国会図書館に、売国バイアスのかかった反日左翼職員を送り込んで、国民の税金を使って、過去の実態の隠蔽活動をさせようというのだ。狂っている。
 「読書余論」の最初からの読者なら、分かっているだろう。戦前から昭和30年代にかけての古い公刊資料は、シナ人や朝鮮人の実態を能く明かしてくれる。そうした古い資料に、日本じゅうの誰でもが、いつでも簡単にアクセスできるようになれば、それだけで、左翼反日勢力による歴史捏造は不可能になるのだ。
 まさに〈真理が我らを自由にする〉のである。ギリシャ人、我をあざむかず!
 だから国会図書館について自民党がやらねばならぬことは、げんざい明治期の蔵書について進められている、蔵書資料の画像デジタル化(見開きページ全体を撮影してファイル化し、利用者はそのデータにインターネットでアクセスして、随意のページをめくって閲読することができるようにする)の作業を加速せしめて、早急に、昭和20年までのオンライン・アクセス可能環境を完成してしまうことだったのだ。これには雑誌も含めるべきであることは言うまでもない。
 いまからでも遅くないから、自民党は「マニフェスト」にこの一項をつけ加えよ。
 他にも、民主党が「マニフェスト」から省いている反日法案と闘うカウンター事業案を、自民党はいちいち公表せよ。
 国民の目は節穴ではなく、この政策立案力(すなわち間接侵略対処能力)のある議員は誰と誰であるのか、正当に評価されるであろう。
 以下は、余談です。
 米国がインドに最新鋭の対潜哨戒機を売ることを早々と決めていたということの意味をずっと考えているんですが、これは米国政府がインド政府に、「インドのSSBNに対する、核戦争時の空中指揮機(ルッキンググラスの前駆版)を提供しますよ」というオファーを、内意しているのではないでしょうか。
 もちろん哨戒機「ポセイドン」のキャパシティでは、乗員20名のルッキンググラス(ボーイング707改造)にはなりませんけども、その縮小版になら、なるでしょう。
 〈当面、こいつで慣れておいてくれ。数年後には、もっと大きな特注品を売ってあげよう〉と、アメリカはインドにもちかけているのではないでしょうか?
 英仏政府は日本政府とは違って秘密管理がしっかりしているので、外に事情が洩れたりはしないでしょうが、たとえばフランスのSSBNの運用についても、じつは米国が、かなり助言をしているのではないかと思います。それが、「核クラブ」の実態でしょう。
 米国は、偶発核戦争の可能性をできるだけ減らす責任を負っており、印支の核バランスについても、面倒を見る気なのでしょう。シナを軍事大国にさせる気は、米国にはさらさらないでしょう。
 ところで、『月刊日本』8月号に、菅沼光弘さんの新著紹介があり、その中にこんなことが書かれています。
 〈米国はNATOとの間で、有事の際の核兵器の運用や手順について具体的な情報を共有している。しかし日本は運用について協議できない。また米側には日本の機密漏洩への懸念も強い。〉
 また、読売新聞の09-7-8記事も引用されています。いわく。――オバマ政権が、2009-12に「核戦力体制見直し(NPR)」をする。日本はそれまでに、有事の日米共同作戦計画に核兵器使用がどう組み込まれるか、運用について説明を受け、日本側の要望を伝える。NPRは非公開。協議内容も非公開――。
 わたしは『2011年 日中開戦!!!』というマンガで、シナとの間に核戦争になった場合、日本政府は海上に疎開することとしました。あの、全通甲板を有する空母モドキの護衛艦ですね。(原作当時はまだ『おおすみ』だけでしたけど。)ああいうところの中層甲板に戦争内閣を置く。
 そして小笠原近海を走り回って、対艦弾道弾(もちろんシナのは核弾頭付きです)から逃げ回ればよい、と。
 日本列島の飛行場事情から、「ルッキンググラス」は非実用的で、将来的には大型ジェット飛行艇がよかろうけれども、とりあえずは太平洋上のフネ利用だな、と判断したわけです。
 どうやら、現実がそれに追いついてきたように思っております。
 シナ軍は、「洋上日本政府」を脅すためにも、ますます対艦弾道弾(水爆弾頭付き)を整備しなくちゃなりますまい。それに対抗するため、日本も「対艦/対潜弾道弾」を持っておくのは、まあ、あたりまえの備えです。
 さらに余談。
 「この戦闘機はなぁ、アメリカ様から貰ったものなんだぞぉ! どうだ、羨ましかろうが!」「おまえのロシア製兵器より、こっちのアメリカ製兵器の方が上だぞ!」「こっちのうしろにはねえ、アメリカ様がついているんだい!」「ねぇアメリカ様、あいつをやっつけちゃってくださいましな!」
 ……こういうのを、「三下根性」、もしくは「妾根性」、もしくは「女中根性」と呼びまして、昔の日本人ならば、心中軽蔑したものです。(女中というのは、御殿女中のこと。「お女中」です。高級町人が、数千石の武家屋敷に頼み込んで、娘に1~2年くらいの行儀見習い奉公をさせる習慣があったのです。)
 昔の日本人なら、〈アメリカ様に北朝鮮をやっつけてもらおう。そのためには、旦那の機嫌をとるために、日本は、インド洋とアフガニスタンで、犬馬の労も取ろう〉なんて言わなかったでしょう。
 そうではなく、「総理、われわれはいつでも北鮮へ出撃し、日本人を奪回する準備ができております! ご命令を!」と、自衛隊はどうして言えないのか? また、政府も自民党も、どうして自衛隊に、そうさせようとしないのか?
 F-22をくれとアメリカに請求する前に、あるいはインド洋でどうするとか議論する前に、この国内的主張があって然るべきだろう。
 それが分からない自民党なら、下野してもらったって良いですよ。
 わたしがこれまで『武道通信』にかかわって来て、「学校では近代柔道ではなく歴史的柔術を教えろ。それも、最も危ない技からな」と主張したいと思っておりますのは、チビで非力な日本人は、江戸時代の柔術の殺伐とした技の数々を知ることによって、過去の歴史のリアリズムに目覚め、国際政治上の妾根性、三下根性からも脱することができると信ずるからです。現代の日本の若者は、素手でも人は殺せるんだという実感をもつチャンスがないから、みかけの格好良さそうな道具に頼ろうと考えるのではないでしょうか。根性なしはナイフを持っても尊敬されることはなく、専守防衛のヘタレ政府がF-22を持っても世界平和の役に立ちません。