無人化したT-4にAESAと上昇補助ロケットつけて下地島に配備すれば?

 いままで「アメリカから巡航ミサイルを買えば良い」と言っていた人は、このたびのF-22スキャンダルを見てどう思うのか、是非、コメントを聞きたいものだ。
 〔シナや韓国が厭がるので/いろいろと信用ができないので〕日本には高性能の制空戦闘機を売れない――というアメリカが、日本に高性能の戦略ミサイルなんか売るわけが、ますますあるわけもなかろう。
 思うに米国は、スペインが宗主国であったラテンアメリカの経営のため、および、イベリア半島上空の通航権保持のために、マドリードの歓心をつなぎとめておく必要があるから、実質アメリカからの「持ち出し」の支援スキームで、イージス艦と巡航ミサイルとをセットで持たせているけれども、そこに厳重な「二重キー」を施錠していることは言うまでもないだろう。
 モスクワから最も遠いNATO加盟国の巡航ミサイルが「脅威だ」と騒ぐシナや朝鮮のような存在が西半球には皆無だ。ロシアには、それが対テロ用だとの説明がなされていて、ロシアも納得をしているのだろう(納得できなければ、彼らは長射程巡航ミサイルをラ米政権に売るなどして厭がらせをし返すことができる。ロシアはそれをしていない)。
 スペインと比べて日本は、米支紛争が起きたときの米軍機の日本領空通航を拒否する権能が最初から政府に無いという「属国」状態。米国に対してスペインのように有利な取り引きを迫るための材料を、一方的に手離してしまっているのだ。
 一般に、幕僚は司令官に対して即座に実施可能な複数の策案を提示し、司令官(自衛隊全体に対しては防衛大臣および内閣総理大臣)は、そのうちの一案を選ぶことを決心すればよいはずだ。
 ところが空幕と内局は、F-22に代わるセカンド・ベストの選択準備作業を実質何もしていなかった。おそらく「F-22でなければ日本の防空・防衛はできません」と主張したのだろう。選択肢のない選択を、防衛大臣と首相に迫ったのだろう。それは、あらかじめ失敗の責任を、ボスではなく下僚が取るという意思表示ではないか。
 もしも、確かにそのようであったのだとしたら、彼らの断定した理屈で行くならば、もはや近い将来の日本の防衛はなりたたなくなったはずなのであるから、国民に対してそれほど重大な責任を果たせなかった要路の下僚は潔く何人か飛び降り自殺でもすべきなのかもしれない。(もちろん、F-22などなくとも、日本の防空・防衛は、ほどほどに成り立ってしまうのである。シナ空軍など予想できる将来まで「京劇」レベルの虚仮脅しでしかなく、韓国航空産業は欧米メーカーの助け無しには軍用ヘリコプターすら国産ができない。日本側誇張のフィクションに、今回は、米国指導層が、つきあってくれなかった。)
 防衛大臣と内閣総理大臣には、さいしょに空幕と内局が「選択肢」を上げてこないことを咎めなかった時点で瑕疵がある。
 また今回、米国がF-22の提供を拒否したことに「怒り」を表明しないとしたら、瑕疵の上塗りをすることになるだろう。なぜなら、首相みずからF-22の提供を要請し、(またおそらく外務省をしてダニエル・イノウエ氏らに機密費を使った無理筋な工作までさせた上で)蹴られたのだ。
 外交上の演技としてもせめて「バカにするな」と怒ってみせないとしたら、日本は至高の国益である安全保障についての自己判断を、アメリカ政府の言うなりに変更する、もう誰の目から見てもアメリカの属国だという、知られてはまずい真実がますますよく知れ渡ってしまう。
 すなわちシナや韓国から見ると、日本国はアメリカから特に贔屓にされているわけではない、しかも意志薄弱な、間接侵略の良いカモでしかないと思われてしまうことになる。それこそは、日本国民のパブリック・インタレストを長期的に毀損する大失政だろう。
 F-22など無くとも日本国民の福利は少しも低下しなかったが、ここまで来て総理大臣がアメリカに対して怒って見せないことには、日本国民の福利は確実に低下してしまうこととなったのだ。
 怒りを表明する方法は簡単だ。意地でもF-35は買わない、と公言することだ。次期民主党政権なら、これは公言し易いだろう。日本における政権交代のメリットは、こういうところにしかないのだ。(いわば国民が司令官。複数の政党は、そのまま幕僚の上げてくる複数の策案である。)これをしないならば、民主党が選挙で勝っても大して良いことは起きないと予見できる。
 もちろん民主党は今からF-22スキャンダルを徹底追及すべきなのである。選挙戦中のその公開論議を通じて、民主党内のはたして誰が、まともな話のできる人士なのか、浮かび上がりもするだろう。
 いったい、他人頼みの三下チンピラが、古顔のヤクザの前にブランド物の高額なナイフをみせびらかしても、ヤクザの方はちっとも恐れ入るものではない。ヤクザがいつも見ているのは、相手の兇器などではなく、相手の表情の中にある意志力なのである。
 日本政府に、ヤクザとはとことん喧嘩をしてやろうという意志力(最悪事態を数年スパンで数手先まで読んで肚を括ろうとする脳内シミュレーションの蓄積)が無いことが、〈北鮮腐れ利権コネクション〉の与野党共謀温存という実態分析を経てワシントンから見透かされている以上、日本はもはや、韓国以上に信用されることも無くなっているのだ、と知るべし。