地方書店でもそろそろ売ってますよ:『「自衛隊」無人化計画』

 09-8-27にAFPが大意こんな速報を伝えました。
 〈ポーランド人は察した。アメリカは別な基地案を探している。軍艦か、イスラエルかトルコにABMを置くつもりだ。バルカンも候補だ。〉
 この記事は、「U.S. to Scrap E. Europe Missile Shield Bases」というタイトルで、ディフェンスニュースかどこかに、短く掲載されていました。
 なんとまあ、正確な速報だったことでしょう。ポーランド政府のリークなしでこんな速報は飛び出しません。いかに同国政府が憤激したかが分かります。
 この「トルコ」というのは露領コーカサスのことで、米軍の移動式Xバンド・レーダーをロシアが受け入れるという話らしい。
 09-9-17のAmy Butler氏の記事によると、ゲイツ長官およびカートライト統合参謀次長の結論として、〔計10発のGBI配備を予定していた/私註〕2015までにイランは欧州を攻撃できるミサイルは持てまいが、〔イスラエルに対する/私註〕一斉SSM攻撃はあり得る。それを迎撃するには安価で展開弾力性もあるSM-3系の方がふさわしい。GBI×1発は $70 millionもするけど、SM-3の Block IA なら $10 million だし、IB でも $15 millionだからねぇ、――と、東欧人にとっては納得のできない理由を挙げています。
 イラン政府は前々から、〈俺たちはイスラエルを攻撃できる中距離SSMは開発するけど、欧州まで届く射程は追求しない〉と表明していたわけです。それを今からアメリカは信ずるのか。
 バトラー氏の記事は、ロシアがGBIに核弾頭が載ることを懼れていたことも教えてくれます。
 ロシア人とポーランド人は永遠に和解できないでしょう。
 しかし短距離SSMではない高速の中距離SSMを確実に迎撃しようと考えれば、ABMの方もどんどん大型化・長射程化するのは、過去のABM史に鑑みても当然な趨勢でしょう。SM-3系だって軍艦というプラットフォームの枷が外されれば、どこまで大型化してもおかしくない。小型の核弾頭は直径が15センチあれば収納できてしまうものです。ロシアのいいがかりは、そっくり明日のシナも採用できることを、日本人は認識しておくべきでしょう。
 オバマ民主党政権がイスラエルと比べてポーランドなどは優遇しないという態度を明白に示したことに対し、朝野を挙げて怒りを表明しているポーランド人の態度は、小国民の手本です。
 これに対してチェコ人は、同じ小国民でありながら、ポーランド人とは対極的なヘタレっぷりをまたしても遺憾なく発揮しているようです。
 APのVanessa Gera記者による「U.S. missile defense shift a betrayal」という記事によれば、チェコ外相は今回の決定変更を承けて、次のことを米国に頼みました。 一、NATOメンバーである中欧諸国のため、ウェストポイントの分校を建てちくり~。 二、チェコの科学者をスペースシャトルで国際宇宙ステーションへ連れて行っちくり~。
 ……こら、あきまへんわ。
 william h. mcmichael 氏の09-9-17記事によれば、ロシアが南部の Armavir に独自に配備している防空警戒レーダーも米軍情報網に組み込まれるだろう、とのこと。
 あのへんは米国のグローバルなBEAMSにとっての大きな穴になってきたので、カートライトは早く埋めたくてたまらないのでしょう。「ゲイツ=カートライト」コンビのBEAMSに対する優先順位はかなり高いと見た。
 だったら、日本の民主党政権は、早く〈宮古島のレーダーサイトを国産の超強力Xバンド・レーダーで建て替える〉、と表明することです。そして〈十勝平野にはOTHを建設する〉とも表明することです。これで米国に対して弾道弾実験追跡情報の恩を売ることができる。その一方で「海兵隊は沖縄からすぐ出て行け。あとは知ったこっちゃねえからそっちでどうにかしやがれ」と要求してもカートライトは呑むでしょう。海兵隊のカートライトが参謀次長であり且つXバンド・マニアである今のうちが、大チャンスだと言えましょう。
 フィンランドも小国ですが、米国のために巨大Xバンド・レーダーの常設基地を提供したことで、たいへんな厚遇を蒙っています。参考とすべきでしょう。
 さて、ソニーが1985年に完成している遠距離中波局受信ラジオICF-EX5の底力について、わたくしは日々、発見を続けております。
 先回、810キロヘルツの横田基地AFNを昼夜ともに函館からではICF-EX5で受信できない、とリポートしましたが、撤回します。
 夜のうちはダメなんですが、夕方と朝は明瞭に受信し得ることを確認しました。(ひさびさにオン・ズィ・アワーのAPレディオ・ニュースを聴きました。)
 コツは、ICF-EX5本体の長辺を「南東←→北西」の方位に固定すること。そして、室内の照明器具やら電気製品を極力OFFにしてノイズを拾わせないこと、のようであります。室内のどこにラジオを据えるかによっても、感度・明度が画然と変わります。
 この「方位」とノイズ抑制のコツを掴んだあとは、「DE1103がAFNを受信できるときにICF-EX5がそれを受信できない」ことはまったく無いことが確かめられました。その逆はアリ。ですから、中波受信に関しては、ICF-EX5がやっぱり最強なのだ。
 1575キロヘルツの三沢AFNも、夜の間はダメなんですが、薄明時から朝7時半くらいまでの間、ICF-EX5で聴くことができました。こちらの局の場合は、ラジオ本体の長辺を「北東←→南西」の向きに合わせると、良好です。次は夕方に確認してみます。
 ちなみに09-10-18に三沢航空ショウ。日米曲技飛行の競演だそうですけど、みなさん、どうしますか?
 ところで、安物のラジオでも受信できる「ロシアの声」の先日の欧州MD政策変更についてのニュースで、フランスとドイツとEUもこんどのアメリカの決定を大歓迎しているぞ、と、大いに宣伝をしていましたね。
 しかしインターネットを見れば、ポーランドだけでなく、リトアニアもハッキリと失望感を表明しています。そういうことはロシアの国際放送では一切報道しない。わかりやすすぎる宣伝ラジオ局だ。
 あと、北京からの日本語放送によれば、09-10-1のパレードでは五十数種類の兵器が登場し、そのうちいくつかは初披露ですと。ナンチャッテ「早期警戒機」も出てくるらしい。
 まあ、マニアが見れば、どれとどれがハリボテで、どれとどれが劣化コピー品かってことは、分かるのでしょうけどね。
 沿海州から樺太、千島、カムチャッカにかけては、インターネットや衛星放送が普及しているとは到底、言えますまい。彼ら住民のラジオ依存度は、かなり高いと見た(長波ラジオ局まである。きっと離島僻地と漁船向けでしょう)。
 そこでわたしは民主党新政権の総務大臣にご提案したい。稚内と羅臼に、国内のいくつかのAM/FMラジオ放送を中継して出力100kwくらいで送信する施設をつくったらどうですか。(もちろん国際短波放送サービスのあるNHK第一は不必要でしょう。)これで、圧倒的な日本の存在感が、北方領土全域を覆うことになるでしょう。またその放送塔が、北方領土から望見できるランドマークにもなるでしょう。