無人機なしでアフガンへ? 鳩山政権のおわりのはじまり。

 星条旗新聞2009-10-21のKevin Baron氏の記事「Japan mulls defense forces’ role in Afghanistan」。2001年から日本がアフガンのために支払った金額が列挙してある。すごい額だ。これはもう外務省の腐れ利権になってるでしょうね。
 今年日本はアフガンの全警官8万人の半年分の給与を負担した。
 しかし米国の支出はもっとすごい。2010予算要求で、アフガンのために $68 billion 出してくれと議会に頼んでいる。桁ひとつ違います。
 『朝鮮日報』日本語版の 辛貞録氏による2009-10-21記事:「対等な対米関係、米国防長官の訪日で変化」。
 ゲイツ氏と会談後の北沢防衛相の記者会見と、福山哲郎外務副大臣の発言を総合すると、鳩山政権は、「インド洋で海上自衛隊が行ってきた給油支援活動を、陸上での航空自衛隊による輸送支援に切り替えることを意味する」と推定しています。
 さて、それだけで済むでしょうかね?
 ところで『タイム』誌の、麻薬犯罪都市リオデジャネイロといった記事で、毎年6千人が銃撃戦などで殺されていて、うち1000人以上が警官だというのもとてつもないが、2009-10-17に麻薬ギャングが警察のヘリコプターを撃墜して3人死亡というのも恐れ入る話じゃないか。平時からパラレルで戦争状態かよ!
 しかし、アフガンはこんなもんじゃありますまい。
 AFPのTALEK HARRIS氏は2009-10-21の「Australia Seeks Quick Withdrawal from Afghanistan」の中で、アフガン勤務の不人気さを伝えています。
 南部のアフガンに約1550人と、連合軍のなかで9番目に多数の兵隊を出しているオーストラリア軍。すでに11人が戦死した。
 派遣の途中の訓練で死んだ兵隊もいるし、先週は豪軍がアフガンの制服警官を射殺するという事件が起きている。
 いま、米軍と同盟軍あわせて10万の外国軍がアフガンにいる。最多の米軍は6万8000人。これに4万人を追加するかどうかが今議論になっている。それに次ぐ兵力は英軍の9500だ。
 派兵を決定したのは前のハワード政権だが、今の豪政権もアメリカの機嫌を損ねてまで撤退するのは難しい。あと3~4年で、現地軍にすべてを任せてもいいはずなのだが……。困った、困った、という記事です。
 ゲイツ氏は韓国に行って何を話したのだろうか。在韓米軍をぜんぶアフガニスタンに転進させると言っただろうか?
 Bradley Perrett氏の2009-10-21記事「Lockheed Dangles F-35 Work For S. Korea」を深読みすると、どうも韓国は戦闘機の国産計画をすっかりあきらめさせられて、F-35の出資者に加わるのではないだろうか。
 まちがいなくゲイツ氏の指導方針は、「日韓支」の間に「最低レベル均衡」を実現することにあるでしょう。そして海兵隊員を、グァムなどで遊ばせておくつもりはないでしょう。
 アジアンディフェンスの記事:「South Korea to purchase four spy satellites by 2020」。
 韓国がドイツから純軍用の偵察衛星複数を2012~2020に買う可能性が出てきた。
 あと、5基の偵察衛星をドイツと共同開発して学び、そののち2基を国産するとかも言っているが、相変わらず他人の褌で相撲を取れば良いと考えているのだなぁ。しかし米軍が情報をくれないので、米軍撤収後を考えて必死なのだとも思えます。意地でも米国メーカーとは組まないところが面白い。
 2006に打ち上げた Arirang-2 は軍事偵察衛星としてはあまり役に立っていないという。というのは民間との共同運営なので、軌道や周波数の情報が漏洩するに決まっているからだ。この事情は、2010うちあげの Arirang-5 や 2012予定の Arirang-3A によっても変えられそうにない。
 周回衛星は、朝鮮半島上空に、1基が毎日5分間しか存在できない。これではロクな軍事情報は集められない――と書いてあるのだが、仮りに10基に増やしたって50分にしかならないわけでしょう。
 次。『表現者』の最新号中の一つの座談会に古田博司氏が出ておられ、この情報の濃密さがすばらしい。どの雑誌とは言わぬが、往々にして、出席者のうちたった一人の発言だけが光っており、それだけカネを払ってでも読む価値があり、他の出席者の発言は全部スルーしても惜しくないという座談会を見るが、それはそれで意義がある出版事業だろう。
 で、古田氏は『表現者』でこんな話をなすっている。――北鮮からの脱出者は2009年前半時点で16000人。満州や東南アジアに出たのを含めると数十万。しかし、韓国からの脱出者はすでに300万を越えているのだ。大半がアメリカに行って帰らない。これは「脱南者」なんである。
 またいわく。内藤湖南が発掘した『満文老档』という満州語のヌルハチ年代記の内容。サルフ戦以降、ヌルハチが遼東半島を攻め進んだら、退却するシナ軍が井戸に毒を入れた。また住民が豚肉に毒を仕込む。そこでヌルハチは、シナ人から生肉を買うな、と触れを出した。云々。
 またいわく。北鮮が1982にソ連につくってもらった北倉火力発電所。これは寧辺の対岸にあり、150万キロワット。その電力をウラン濃縮に使っているらしい。老朽化して、ながらく煙が出ていなかった。が、2009のグーグルアースで煙が出ていることが分かった。つまりシナが燃料を供給しはじめたのだ。東平壌火力発電所からも順川火力発電所からも煙が出ている。すべてシナの燃料援助によるものだ。
 シナは寧遠のダム水力発電開発も援助している。
 北鮮は寧辺[ヨンビョン]ではプルトニウム加工をしているが、そのための電力は、1980年代にできた泰川の2つの貯水池の水力発電35万キロワット。その施設はシナとの共有であり、シナの援助を受けて運営している――と。
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▼2009-11-23にJSEEOの大阪講演会があるよ。
場所は、大阪市中央区北浜東の「エル・おおさか 大会議室(6F)」で、時刻は午後の2時半からだ。
参加費は¥2,000円。
詳細は ↓ JSEEOのHPを御覧下さい。
http://www.jseeo.com