『ワシントンタイムズ』2009-11-6付、Sara A. Carter記者の記事「EXCLUSIVE: Rare virus poses new threat to troops」によると、南部アフガン辺境に駐屯していた米陸軍部隊で、エボラ出血熱類似の症状で22歳のアラバマ出身の軍曹が1人死亡した。
血液サンプルをとるため米本国から医療チームが向かったが、詳細が判明するのは数週間後だ。
軍曹はダニに足を咬まれていたという。
出血熱は、黒海沿岸ではめずらしくない病気である。
クリミアでは1944に報告され、コンゴでは1956に報告された。8年前には、パキスタンの首都クエッタ市で大流行した。
出血熱は、とつぜん発熱し、筋肉が痛み、目が乾き、光が苦痛になる。
ダニに咬まれてうつった場合、1~3日で発症する。最長で9日。死亡率は30%だ。
アフガンには外国人によって豚インフルエンザも持ち込まれている。すでに6人以上のアフガン人が豚インフルで死んでいる。
ペンタゴンはカタールに注射ワクチン150,000を送っている。現地ではその倍を要求していたのだが。
医師いわく、とにかく手洗いを励行してくれ、ですと。
兵頭いわく、ダニは手洗いでは防げまい。こうなったら、DDTを復活させるしかない?
次。NYT電子版の「Swampland――A blog about politics」コーナー。
Joe Klein記者が2009-11-6付で「Another Afghan Problem」という記事を書いている。
アフガニスタン国民の識字率は、タッタの2割しかない。
しかも、パシュトゥン語が必要な地域にダーリ語しか話せないアフガン兵が配置されたりしている。
米兵がある村から去ったあと、アフガン軍やアフガン警察が何のフォローもしてくれないのなら、砂の城をつくってるようなもんだ、と。
これに対する一読者のコメント。彼の息子はマリンで最近アフガンから帰ったばかりだ。
アフガンに配備されたマリンは、とにかくなにもやらせてもらえない。ROEが厳格すぎて、ほとんど撃てないのだ。兵隊たちは、これにうんざりしているという。親父いわく。敵を皆殺しにしろ! それができないなら、息子たちを本国へ呼び戻せ。
兵頭いわく。じつにごもっともです。
次。
JUNG SUNG-KI記者による2009-11-5付記事「U.S. To Remove N. Korean WMDs in Contingency」。
韓国軍と米軍の共同作戦計画「OPLAN 5029」は、北鮮国内がもし大混乱したときには、韓国軍が北鮮に100以上あるNBC関連施設をすばやく占領することもオプションに入れている。
兵頭いわく。米政府の最高のインタレストは、「9.11の核版を予防する」ことにある。すべての外交軍事政策が、このインタレストに基づき、決められている。よって北鮮が内乱状態に陥った場合に、韓国軍に上記の作戦をさせるのはむろんのこと、米軍自身も核関連施設の確保に動く。これは疑う余地なし。
また兵頭いわく。かつては韓国軍が頼りなさすぎて、沖縄に海兵隊の「後詰め」が必要なように思われた。しかし今日では南北の力関係は完全に逆転し、上記のような韓国軍地上部隊の北進が普通に考えられるようになっているのだ。
次。
デジタルジャーナルにStephanie Dearing記者が載せている記事「Canada preparing to pull out of Afghanistan」。
カナダの参謀総長が、アフガンのカナダ兵に対して撤退準備を命令した。
カナダはアフガニスタンに3000人近くを派遣している。そして2001いらい、すでにアフガンで133人戦死している。