「無人機研究システム」はファイアビーの真似か?

 12月15日に硫黄島で滑走路への自動着陸に成功したとかいう「無人機研究システム」は、母機から空中発射して空中から(衛星リンクを用いずに)見通し通信で管制する方法といい、1971年にC-130から発進させて地上標的にマヴェリックやホーボーを試験的に命中させてみた、対地攻撃型「ファイアビー」のコンセプトの模倣と思える。(ベトナムの実戦にはこの型は結局投入されず。ベトナム後には、すぐに巡航ミサイルの開発が始まっている。)
 後退翼がデルタ翼になっているが、重さもサイズも近似(やや小ぶり)。ということはパフォーマンスも「ファイアビー」の上には出ないのだろう。
 衛星を使えない日本としては、やっぱりこの管制方式しかないだろうね。
 この無人機をC-130ではなく、C-Xから運用したら何ができるようになるだろうか?
 ちなみに(パラシュート回収だった)ファイアビーが不可能だった「自動着陸」が日本でできたからといって自慢にはならない。これは精度1mの米国提供GPSが利用できる今日、そこらの中小国でもやろうと思えばできる話なのだ。
 米国は次世代GPSで、有事の際の他国のGPS利用を随意に制限できるようにするから、自前のナヴィケーション衛星を打ち上げていない日本として、そんなものを前提にシステムを組み上げてはいけないはずだ。
 ファイアビーのことは、来年の3月頃に出る次著で書いておきましょう。並木の新刊には、急いでいたのでファイアビーの話は書いていません。すいません。