◎「読書余論」 2010年2月25日配信号 の 内容予告

▼防研史料 内田大佐資料『潜水艦 航空 関係』
▼防研史料『伊号第十四潜水艦兵器簿』航海長主管 S19-10
▼防研史料 『潜水艦に依る輸送~』S19-7 つゞき
 ※この前半を摘録した手帳が見当たらないのでとりあえず後半だけ。
▼防研史料 『荒天ニ於ケル被害状況報告』S10-9-26時点 龍驤
▼防研史料 『昭和拾年度乙種戦闘飛行所見』龍驤 S10-9-7
▼防研史料 『本邦油槽船発達経過・概要』S17-5 海軍省軍需局
▼防研史料 『決戦輸送(虎の巻)』(第一版) S19-1 船舶管船部
▼小島直記『三井物産初代社長』1985中公文庫
 ここに明治期の武器輸出の話や、別荘学が出てくるのだ。
▼檜山幸夫『日清戦争――秘蔵写真が明かす真実』1997
 各戦役の開戦作法についてくわしい。各戦役の病死者数も。
▼石光真清『城下の人』S33
 神風連から日清戦争に至る目撃談/体験談は貴重。
▼A・N・ステパーノフ著『旅順口』袋一平&袋正tr.、上中下巻、1972~73刊。
 この小説がWWIIの真っ最中に出版されたのは、スターリンが対日戦を決意したことと関係があったのだろう。
 陸戦で使われた魚雷発射管についての、最も詳しい記述あり。
▼笠原保久『軍旗美談』M40-10-20pub. 東京・武林堂
 近代軍と軍旗の関係を知るにはナポレオン時代のエピソードまで遡らねばならない。山縣有朋はここに書いてあることと同じことを学んでいたのだ。
▼松 美佐雄『軍旗物語』M44-4-28pub.
 乃木のエピソードでは、河原林の名を変えてある。
▼陸軍省『軍旗略歴』M39
▼日本航空株式会社調査課『日本民間航空輸送小史』
 WWII中の南方航空路の結節点はサイゴンだったのかと分かる。
 最長路線は、横浜~淡水の2100km。おそらく2式大艇使用。
▼内藤初穂『海軍技術戦記』〔後半〕 1976
 ※2008-1-25配信の〔前半〕の続き。
▼小松和博『江戸城――その歴史と構造』S60
 とにかく図版が充実している。水路系まで調べてある。
▼『柳田國男全集 23』1990 ちくま文庫
 灯火用の油の歴史。
▼稲垣栄洋『身近な雑草のゆかいな生き方』2003
 走って逃げることのできぬ植物のサバイバル術。「戦略」を学ぶ者ならこの著者の本を1冊は読むべし。
▼北川 衛『謀略列島日本』S44-6
 海外工作機関は、なぜかカネに困っていて、副業に大いに精を出したものらしい。S34に殺されたスチュワーデスはじつは特務機関の密輸屋だった。
 ベトナム戦争時代に米国で徴兵された日本人学生たちの話。制度上、拒否は可能なのだが、永住権がほしいため、皆入営した。
▼亀山章・他ed.『最先端の緑化技術』1989
 甲子園球場のツタは、大13に、西日除けが目的。
▼慶大附属研究所『斯道文庫論集 第8輯』S45所収、阿部隆一「三略源流考」
▼『金沢文庫研究』通巻166号(1970-2)所収、阿部隆一「金沢文庫本『施氏七書講義』残巻について」
▼本郷健『戦争の哲学』1978、原書房
 クラウゼヴィッツ研究者は1回読まねばならない本。
▼東洋経済新報社ed.『軍政下の香港』S19
▼小川和久『戦艦ミズーリの長い影』S62
 田中角栄は、T-2/F-1をやめてF-5に代えさせようとした。※中共最高のエージェントの面目。
▼水谷國一『第八路軍及新編第四軍に関する資料』南満州鉄道株式会社調査部S14
▼日本輸出入銀行海外投資研究所『ソ連・東欧諸国の経済に関する論文集』
▼ドクトル・ルウィル『十九世紀のアジアに於ける英露の角逐』S19
▼日本貿易振興会海外経済情報センター『英国の対東欧政策』
▼長野敏一『英国経済空間の探究』
▼山梨勝之進『歴史と名将』S56
 生涯をかけた英海軍研究がこの1冊に凝集。死後、弟子が講義メモをまとめた。なぜ江田島にネルソンの毛髪が「ご神体」として祀られているのか、これを読まないと理解はできまい。
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 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。(配信されるファイルはPDFスタイルです。)
 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。
 1935年のポーランド軍には、演習終了時に少中尉を胴上げする風習があった――などという、どうでも可いような知識が、グングン身に着いてしまいます。
 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。
 「読書余論」は、毎月25日に「武道通信」から最新号が配信されます。1号分の購読料は200円です。
 バックナンバーも1号分が200円で、1号分のみでも講読ができます。
 2008年6月25日号以前のバックナンバーのコンテンツは、配信元の「武道通信」のウェブサイト
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