「需品」を闇に沈めるな

 Michael Squires記者が寄稿している「Government backs down on army uniforms made in China」という記事。
 豪州軍の戦闘服をシナのメーカーに安く外注すべきかどうかで、同国内が大揉めになっているという話。
 驚くのが、アフガニスタンに参戦している各国軍のうち、唯一、すでにシナ製の軍服を使っているところがあるという。それは英国兵で、発注は北アイルランドの会社に対してしているのだが、その会社が、シナで縫製しているようなのだ。
 以下、兵頭の感慨。
 かつて英軍は、インド兵やグルカ兵を「帝国軍」に仕立てて植民地で戦争をさせていたものです。仏軍ならばズアーブ歩兵。ところが今のアフガンでは、米国の顔を立てる必要から、そういう、犬をけしかける式の戦争が、もうできない。米軍などはトリガーハッピーな海兵隊員にすらポジティヴ・アイデンティフィケーション(撃つ前に本当に敵かどうかその目で確認汁)を求めて精神疾患においやっているほどです。英軍としてもアジア=アフリカ兵を第一線の手下としては使いにくい時代になったんだが、しかし、後方兵站としてなら、いくらでも駆使すれば可いじゃないかという、旧帝国主人的な鷹揚さが残っているのかもしれんですね。
 感慨〈II〉。防衛省の需品がシナ製に未だ汚染されていないのは、制服に関しては縫製が刑務所工場だからだと思うのですが、他はどうなんだろ? 既製利権関係がガチガチだから安泰なのか? だいぶ前に耳にした、プラスチック製弾帯のバックルが割れるというクレームなどは、解決されたのだろうか。
 これからは日本の受刑者も、シナのアパレル工場と価格競争をさせられるのでは、つらいでしょうね。