◎読書余論 2010-3-25配信分の内容予告

▼原口氏雄『星と兵隊』S18-9
 太陽は今後、小さくなり、かつ、温度は低くなる一方である。
▼太平洋協会ed.『太平洋の海洋と陸水』S18-12
 なぜ江戸時代、漂流が多かったかを説明。
▼R・P・ファインマン『ご冗談でしょう、ファインマンさん』岩波現代文庫、上・下、2000、原1985
 ファインマンはマンハッタン計画の末席に連なっていた。この天才にして、末席だったのだ。日本が米国に負けたのは要するに日本全体の動員頭脳が平均して米国側よりも悪すぎたからであるとシンプルに呑みこめる本。
▼小山内宏『ここまできた日本の核武装』1975
 これが、東大の固体ロケットのミュー・シリーズがICBMになる、と最初に指摘した文献か。
▼『国産ロケットH-II 宇宙への挑戦』
▼SIPRI編『French Nuclear Tests in the Atomosphere』1974
 これは国会図書館の蔵書であったか? 未読の人は、今でも読む価値大。
▼R.S.Norris他著『Nuclear Weapons Databook vol.V British, French, and Chinese Nuclear Weapons』ウェブスタープレス1994
▼J・A・フィリップス・他著『ホームメイド原爆――原爆を設計した学生の手記』1980
▼ジョン・マックフィー『原爆は誰でも作れる』S50
▼ベルトラン・ゴールドシュミット『核開発をめぐる国際競争』毎日新聞社1970
▼吉羽和夫『原子力問題の歴史』
▼核戦争防止国際医師会議『プルトニウム』1993
▼W・オーバーホルトed.『アジアの核武装』サイマル出版会1983
▼青木日出雄『よくわかる核兵器の本』S59
▼『プルトニウム燃料産業』
▼田畑正美『非の論理――核の選択と未来戦略』日本工業新聞社S53
▼猿渡良一『改訂 パイプラインハンドブック』S53
▼三好徹『史伝 伊藤博文 下』1995
 伊藤を斃したのはカービン銃であり、安のピストルではない。
▼深作安文『倫理と国民道徳』大5
▼野口昂[たかし]『爆撃』S16-12
 B-24なら、グァムから東京まで往復できる、と開戦前から知られていた。※だったら開戦前からマリアナを要塞化しとけよ、という話。
▼仲摩照久『万有科学大系 続篇第十三巻』初大14、S6repr.
 当時各国最新の珍種軍用機の紹介が面白し。
▼佐原六郎『世界の古塔』S47
▼渡辺義雄『日本の塔――信仰とその象徴』毎日新聞社S57
▼川添登『日本の塔』S39
▼村田治郎『支那の佛塔』冨山房S15
▼川上哲治『常勝の発想――宮本武蔵「五輪書」を読む』S59
 ※約束だな、星。二軍へ行け。
▼大松博文『なせば成る!』S39-12
 ※いまやなさんとしても成し得ないのが高身長系競技の日の丸勝利だろう。
▼オ・ア・チェルニコワ著、樹下節tr.『スポーツマンの心理学』S35
▼中谷重治『体育運動の起源と発達』S4-12
▼高見沢忠雄『オリンピツク競技の組織的研究(トラツク篇)』大13-10
▼荒木直範『体育ダンスと社交ダンス』大12
▼エム・イリイン著、矢島順吉tr.『山と人間』S18-4
▼堀川豊水『雪と文化』S17-2
▼利倉幸一&坂東蓑助『舞踏芸話』S12-2
 長唄の囃子でも、「トツタン」の間という。もちろんオリジナルは能楽。この用語について調べないと『五輪書』が理解できない。
▼カール・ディーム編『オリンピックの回顧』1976、初訳1962、原1936
 クーベルタンの略伝。勝ち負けはどうでもよく、競技することがだいじだというのが彼の信念。
▼古廣紀代子『わたし流、プレッシャー物語』1988
 高3後半から実業団までがつながっていないと、女子選手に脂肪がついてしまって、世界の第一線から脱落する。※実業団が運営する「スポーツ高校」を創ればいいジャマイカ。卒業と同時に入団、あるいは半永久留年。
▼斉藤正躬『オリンピック』1964
▼ダフ・ハート・デイヴィス著、岸本完司tr.『ヒトラーへの聖火』1988、原1986
▼V・シムソン&A・ジェニングス著、広瀬隆tr.『黒い輪』1992
▼鈴木良徳『続・オリンピック外史』1982
 ※オリンピック関係の本を網羅的に読めば、この世界の秘密らしいことはドーピングも含めてぜんぶ既知にすぎなかったことを痛感するだろう。知らぬのは、4年に1回熱狂して、あとは忘れてしまう庶民だけなのだ。あらゆる醜聞は報道側にとってはとっくに織り込み済みである。たとえば国際フィギュアスケート業界の課題は、いかにして世界の消費市場を拡大するか、に尽きる。そのためには、日本人の次に韓国人に金メダルをとらせるのは予定されている。とうぶんアジア人へのメダル・サービスが続くはずで、次はおそらくシナ人だろう。
▼ヤルウリス&シミチェク著『古代オリンピック』1977
▼出口林次郎『世界体育史』S2-6
▼名倉弓雄『江戸の骨つぎ』S49
 撃剣興行について。
▼石原忍『日本人の眼』S17-5
▼桑木彧雄[いくお]『アインスタイン相対性原理講話』大10-7
▼堀江利和ed.『徴発必携』M16-7-20版
 徴発令の参考書。
▼服部保善『徴発事務通覧』M17-3
▼高平鳴海監修『世界格闘技 関節技事典』1998
▼夏目漱石『三四郎』春陽堂文庫S25、原M41-9-1~12-29朝日新聞
 当時の大学での陸上競技が描写されているので貴重なのだ。
▼太田黒敏男『銀行金融の知識』S13-2
▼ピエル・ブートゥルー著、河野伊三郎tr.『数学思想史』S18-2、原1920
▼小野満智子『新美人法』M41-2
▼松川弘太郎『関東兵衛 第一~第四』S9
 方言の話。
▼佐藤堅司『孫子の体系的研究』S38
▼東方文化学院京都研究所『東方学報』第四冊、S9
 「李【小里】法経」について。
▼プラトン『国家』藤沢令夫tr.(岩波プラトン全集11) 1976
▼紀田順一郎『「大漢和辞典」を読む』1986
▼佐々木克『戊辰戦争』中公新書1977
▼『日本の名著 西周 加藤弘之』1972
 琉球式の外交主義では人民は守れぬと西が説いている。
▼鹿野政直ed.『日本の名著37 陸 羯南 三宅雪嶺』S46
 軍艦の砲弾の単価と砲身命数についての証言あり。
▼『芳賀矢一選集 第六巻 国民性・国民文化編』国学院大学H1
 日ユ同祖論は誰が初出なのか。
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