明日発売の月刊『正論』クロスラインでは新原発の話をしています。

 桜林美佐さんが民放ラジオで与那国島リポートをやってくれたらしい。インターネット放送の「Radiko」でもアクセスできるらしい。「フジサンケイビジネスアイ」では「防衛産業」についての連載もなさるらしい。ご活躍を祈ります。
 AFPが2010-3-29に、「Drones May Ship to Pakistan ‘Within a Year’: DoD」という記事を配信しています。
 ワシントンは12機くらい非武装の無人機を援助するつもり。1年以内に。機種は未定だが Shadow が有望。ScanEagles の線もわずかにあるが、目下はシャドウが一番だ。
 米国は、2008からいままで、100回近い無人機による攻撃をパキ内で実行。それによって830人以上が殺されている。非戦闘員多くを含む。
 シャドウのサイズは、長さが 11フィートで、翼長が 14フィート。
 パキじしんの所有する無人機は、能力がシャドウにも及んでいない。※つまりイタリア製ファルコじゃだめってこと。
 パキ軍人いわく。「無人機は自軍で所有して運用するんじゃなけりゃ、士気にかかわるよね」。
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 2010-3-29アップの記事「Researchers equip robot sub with sensory system inspired by blind fish」。
 プレキシグラスとアルミでできた80×30センチメーターのロボット深海探査機の Snookie は、視界の利かない深海で深海魚と同じ lateral-line【側線】 system により、魚や両生類を探知する。
 ミュンヘン工科大学の Van Hemmen 教授の着想。
 サソリは8本脚。その足にセンサーとなる毛が密生している。そこから入る振動信号を脳が処理して、暗闇でも獲物を知る。側線も似たようなもの。メキシコの洞窟内に棲む、目が退化した魚、 Astyanax が特に参考になる。
 Snookie は機体外部に6基のスクリューを有する。
 これが洗練されていけば、海に沈んだフライトレコーダーの捜索ができるのではないか。
 液体槽やパイプの内側の点検ができるのではないか。
 レーザーで外周環境を探る今のロボット・センサーよりも、側線システムの方がスウォーム化には向いている。他のロボットのレーザーで盲目化されないからだ。
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 2010-3-28配信記事。「Pakistan to buy 7 submarines」。
 シナはタイについでこんどはパキにサブを売るかも。
 パキスタンはドイツに続いて、仏、支とも交渉に入った。
 シナは安さで勝負。1隻 $230 million だという。
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 Mark Thompson 記者が2010-3-30に載っけている記事「EMP: The Next Weapon of Mass Destruction?」。
 米国に対するEMP爆弾によるテロを 鷹派の Heritage Foundation が警告。議会に 3月23日(1983にレーガン氏がスターウォーズ=SDIをブチ上げた日)を「EMP Recognition Day」とすべし、と迫った。
 1平方mあたり100キロボルトのEMPは、ほとんどの最新兵器を役に立たなくしてしまう。この値の2倍の攻撃をロシアは可能なのだとFoundationの仲間の一人は主張。
 40マイルの高空で炸裂させるEMP兵器を、HEMP(High Altitude Electromagnetic Pulse)という。米海軍は、このHEMPから艦隊を防護する研究にすでに乗り出している。
 ※トヨタの車載チップが耐EMPを何も考えていないので宇宙線を受けて暴走した可能性がある、とワイヤード日本語版が伝えていますね。Thompson 記者の記事も、EMPテロがあった日にはトヨタ車は動かなくなるので人々は原爆の爆心地から避退することができない、と脅かしています。トヨタは〈米軍に協力しろ〉という圧力でも受けているのでしょうか?
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 Christopher Szabo 記者の記事「South African Army doesn’t discriminate against soldiers with HIV」。
 南ア陸軍は、HIVの兵隊も差別しない。ただし海外派遣部隊には、混ぜない。派遣先(たとえばスーダン)で病死するのが予期できるのに、派遣なんてできない。
 なにしろ同国のHIVの割合が大きすぎ。5000万人の人口のうち、530万人の HIV-positive people がいるのだ。
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 ミリテクに、ロシアのT-95の話が連続UPされていました。
 まず「Russia May Unveil New ‘Super-Tank’ In Summer 2010」という2010-3-30の記事。RIA Novosti の報道をもとにして Staff Writers がまとめています。
 試作中の「品番195号」は重さ55トンで速度は毎時65kmに達するかもしれない。
 主兵装は滑腔の152ミリ砲で、誘導弾を発射できる。その場合の交戦距離は6000~7000mにも達する。
 乗員は3名で、砲塔部は無人。
 いまの主力である「T-90」は、「T-72B」をベースにしたもので、年産100両。これはトータルで1500両以上、整備されるだろう。
 そしてもうひとつ。RIA Novosti military commentator の Ilya Kramnik 記者による「Russian Tanks: Today And Tomorrow」という記事が、2010-3-29にミリテクにアップされています。
 いまやロシア唯一の戦車製造事業者であるUralvagonzavodのCEOに独占インタビューした。
 げんざい、露軍には、T-90は500両しかない。ただ、毎年60~100両の新生産分を納入されている。
 今月、General Alexander Postnikov は、2010年のロシア軍のT-90の調達予定数は261両だと公表した。
 T-90 の輸出はいろいろトータルでまもなく1000両になろう。いちばん買っているのがインド。他には、アルジェリア、トルクメニスタン、キプロス、リビア、サウジアラビアも買う。
 露軍保有の古いT-72も近代化改修が続く。最新バージョンは「T-72BA」。操縦手席の底面に増加装甲。だが、納入される部品の品質で泣いている。
 予算不如意の中、T-95は全要素をメーカーの自己資金で新開発して完成した。一般公開は2010夏の軍イベント中になるだろう。
 政府は、露軍の現有戦車2万両(予備も含む)は多すぎるとみなし、「一線現役2000両、予備保管分5000~6000両」にまで削減していく方針。
 ※公開が夏だというので、それまでいろいろな「T-95」想像ができるのが楽しいですね。わたしも参加してみましょうか。乗員3人のうち少なくとも1人は、車体の末端に置かれるのではないでしょうか。昔の「S戦車」みたいに後ろ向きではないでしょうけどね。主砲は低圧砲ではないでしょうか。砲弾設計用や車載用のコンピュータ・ソフトに弱点を有する彼らは、APFSDSでの射程&命中率競争から脱落することを決めているとしてもおかしくはないでしょう。そう思うもうひとつの理由は、十数年前にクビンカの戦車博物館で見かけた、「コッパーヘッドの戦車砲弾バージョン」の試製品の展示モデルです。カッパーヘッドというのは1980’sに米軍で試みた、セミアクティヴ・レーザー誘導式155ミリ榴弾です。NATOの砲兵隊にソ連戦車をピンポイント破壊させようとしたものでした。ところがロシアはそれを野砲用としてではなく、戦車砲用の直径で模倣していた。あそこまで漕ぎ付けた努力を彼らはまだ捨てていないだろう。あれを増口径し、低圧砲を組み合せて、6000m先の目標に彎曲弾道射撃をすれば、トップアタック(敵戦車の薄い天蓋部への下向き攻撃)になるので甚だ好都合でしょう。152ミリの低初速砲弾の弾殻の中に、7~8kgの猛性炸薬を充填することができれば、外れて至近弾になった場合でも、敵MBTの履帯くらいは損傷させてやることができます。122~130ミリ級の榴弾では、至近弾で敵MBTの履帯は切れません。これが一足飛びに152ミリを選択している理由だとわたしは勝手に想像をします。2000m未満の至近距離で米軍のM1と撃ち合いになったら? いろいろと変わった砲弾をそのためにつくるだろうと想像しますが、ロシア人は西部劇式の決闘に勝つことはあきらめているんじゃないですか。そのような状況に陥ってしまった時点で戦争は負けじゃないかと。だって米軍のMBTが祖国に侵入してくる情況ならば、きっと制空権だって奪われていますよ。そんな最悪事態で、唯一、M1に一矢を酬いてやる方途は、あくまで地形・地物に隠れ潜み、彎曲弾道の152ミリ榴弾で反撃することだけかもしれません。WWII末期の帝国陸軍の「砲戦車/自走砲」(なかんずく四式十五糎自走砲「ホロ」)の発想がリバイバルするしかないでしょう。もちろん、そんな悲観的な将来予測ばかり彼らはしているのでもないでしょう。これからのAFVは、対テロ任務の市街戦がこなせなければ、国民の税金を投じただけのベネフィットが認め難い。肉薄軽量で比較的L値の小さい砲身ならば、砲耳にハイ・アングル射撃のストレスをかけることも楽になります。152ミリ榴弾は、ビルの特定の部屋を即座に無害化してくれる、たのもしい道具となるでしょう。市街地に布陣して対ヘリ交戦もしなければならないと考えた場合も、高角射撃ができることが重宝でしょう。
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 2010-3-26アップ記事「Gulf Stream Turbines Seeks Investors for Ocean Current Generator」。
 地球自転のコリオリ力が生み出しているきわめて安定した海流の運動エネルギーを、水中に沈めた回転羽根からとりだして発電しようという試み。
 発電コストは風力タービンの半分以下にできるという。
 Gulf Stream Turbines LLC 社は、まさにこの夢の実現のために 2009 に設立されたという。
 ※海洋発電がそんな生易しい世界じゃないってことにつきましては、『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』を、ひとつご参照ください。