乞食の天国をつくりたいな。

 william matthews 記者による2010-4-1記事「New Treaty Could Trim U.S. Bombers’ Nuclear Role」。
 4-8調印予定の The new START treaty の成立によって、米空軍の核爆撃機は縮減圧力にさらされる。
 保有総投射手段は800まで許されるが、そのうち即応配備してよいのは700だけだ。今ある米国のICBMは450基。SLBMは336基。核運搬可能なB-52は44機。核運搬できるB-2は16機だ。
 このトータル846から、投射手段を一線配備700(+予備控置100)までに減らさねばならん。ICBM/SLBMは減らせまい。サバイバビリティは今でもすでに、BMの方がある。そして当然、BMの方が即応性がある。とするとB-2とB-52を減らすしかない。※モスボールになるか?
 たぶん爆撃機は20機ぐらいに減らされるだろう。※つまりB-52はゼロ?
 B-52にも長所がある。B-2よりもたくさんの核弾頭を運搬できるのだ。
 B-2は16発だが、B-52は20発搭載可能。よって全B-2は256発を運搬でき、全B-52は400発を運搬できる。
 現在の抑止はBMが担っており、爆撃機はバックアップにすぎぬ。なにしろ敵国に達するまでに数時間もかかるのだ。BMは30分強で届く。
 ※SLBMは、敵岸に近づくことで、発射から落達までの時間を著しく短縮し、奇襲性を高めることができます。つまり敵のABMの対応や、敵のICBMの「被爆前発射」を、困難にしてやることができるのです。また、かつて「パーシングII」がもっていたような終末誘導機能は有しないRVを投射するSLBMの場合は、射点が敵に近いほどCEPも小さくなります(現在の自艦位をGPS等によってICBM基地並に精密に知り得た場合)。そもそもトライデントは、ソ連の都市ではなくICBMサイロを、わがSLBMの先制攻撃で正確に芟除することを企図して、ナヴスター衛星とセットで開発されたシステムでした。たんなる報復用第二撃のためならば、あれほどのシステムは必要としないのです。もはや戦略空軍もICBMも米国は必要とはしないのだと言いたかった、リッコーバー提督の組織対抗意識の産物だったのです。今日でも、ミサイル原潜が敵国に近づけば近づくほど、奇襲性と精密性のメリットがあることに変わりはなく、おそらくシナ軍のICBMサイロに対しては、米国トライデントSLBMは、インド洋北部もしくは西太平洋から発射するつもりであろうと考えられます。むろん、米海軍は原潜のパトロール・コースを公表することはありませんが。
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 2010-3-31記事「India to Orders Israeli UAVs Armed with Missiles」。
 インドはイスラエルから武装型を含むかなりのUAVを買ってパキ国境に2011から配備したい。これはアメリカがパキスタンに武装型プレデターを売り渡す可能性に備えておく措置。
 買い物リストには、 Searcher-II とか「killer」 というUAVも含まれている。これは自爆型の対レーダーUAVである。ロイタリングして敵目標を探す巡航ミサイル。
 インドはイスラエルに、地上管制装置や通信システムも発注している。
 インドとイスラエルが費用折半で共同開発中の無人武装ヘリもある。
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 イスラエルの DEBKA が2010-4-1に報ずるところの記事「ME【中東】 game-changer: US nuclear shield for Saudis, Gulf emirates」。
 3-31に西側で、サウジアラビア領海内から先週、米海軍がトライデントSLBMをテスト発射したと報じられた。これはサウジと米国の合同演習中であった。
 米国防総省は4-1に否定したけれども、サウジの安全保障ソースは、報道を肯定している。
 着達点はペルシャ湾だったらしい。※発射はあり得るとしても、そんなところに落とすか、普通? あらかじめ、着弾海域を演習艦艇で取り囲んでおいたのか?
 これはイランを牽制しサウジをなだめるためである。
 発射の場所は公表されず。潜水艦のタイプも、成否も同様。サウジと米の合同演習の規模も非公表。
 1基のミサイルから複数の弾頭が落ちた。となると、発射されたのは米海軍のトライデント以外にあり得ない。
 サウジには核の傘がさしかけられているよと米国が強調するためのものだ。
 米サ合同演習は、3-29にやると予告されたが、3-29にはまだ始まってはいなかった。
 ※もしこの話が本当だとしたら、それが意味するところは、サウジ政府が今、ものすごく本気でイランに対抗する核武装を急いでいる、ということでしょう。だから米国としては、ここまでして宥める必要があるのでしょう。
 中東核戦争が起きれば日本と世界はどうなるか、その予想は拙著最新刊『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』に書いてあります。お読みください。
 関連して。
 DEBKA の 2010-3-28記事「 US researchers postulate Israeli tactical nuclear strike on Iran」。
 3-28にNYTが載っけた予想記事。イスラエルは、サウジ国内の砂漠に勝手に秘密の給油基地を設置して、そこを中継点に使って対イランの長距離往復空爆を実施するのではないか。
 そのさい米国は、サウジ政府を蚊帳の外に置くために、イスラエルの作戦完了まで、サウジ人がその秘密基地に近づかぬように邪魔をするのではないか。
 イランはサウジの石油工業の中心都市であるダーランにBM(非核)攻撃するだろう。そしてホルムズ海峡には機雷を撒くだろう。
 最近のシミュレーションによると、イスラエルが対イラン空襲を始めてから8日目にしてイスラエルはイランの空軍と海軍を全滅させてしまう。
 ※もしも米国がイスラエルに代わって、分散して地下に設けられたイランの核工場を破壊しようと思ったら、BMを高い弾道で発射してごく精密に命中させる必要があります。サイロ攻撃と同じです。サウジ近海から発射されるトライデント・ミサイルなら、確かにこの任務には向いているでしょう。また、各RVの可変イールドを最低に設定して、地表爆発モードで発射するという方法ももちろんあります。この場合は、SSBNをイラン近海まで寄せる必要はないでしょう。
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 APのJOSEF FEDERMAN 記者による2010-4-2記事「Israeli unveils tank-defense system of the future」。
 イスラエル軍が Trophy システムを完成した。敵の対戦車ミサイルが味方の戦車に達する前に、能動的にそれを撃墜してしまう、戦車の個別自衛システムだ。1セットが20万ドル(戦車1両につき)。
 戦車の両側面にとりつける。レーダーで飛来物を探知。そして小型の爆発物を投射して飛来物を迎撃する。
 リロードは自動。
 当たりそうにないロケットには反応しない。※ではスウェーデンの「ビル」のようなオフセット攻撃だったら?
 爆発によって味方歩兵を傷つける可能性は1%である。
 すでに何両かの Merkava 4 tanks には試行的にとりつけ済み。
 年内にさらに数十両に取り付ける。
 2006のヒズボラとの1か月戦争でイスラエルの戦車乗員は19人以上戦死した。
 2006いらいの数年の抗争でレバノン人は1000人くらい死に、イスラエル人は159人死んだ。結果的にイスラエルは撃退されたと見なされている。
 これとは別に、APC用の対ミサイル防御システムあり。Iron Fist といい、来年からの実用化が期待されている。こっちはジャミングによって敵ミサイルのコースを逸らす。それがダメだったときは、衝撃波を発生させる。
 また、Iron Dome は、短射程のカチューシャ・ロケットを迎撃する。この夏、ガザに配備予定。
 ガザ沖には Protector という無人警備艇もテスト航行中。
 ※「トロフィー」や「アイアン・ドーム」が有効だとなったら、湾曲弾道の榴弾の野戦における価値も劇的に変わってしまうことでしょう。先進国軍隊を相手とする場合の装備と、ゲリラ相手の装備とを、別建てに考える必要が生ずるでしょう。
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 Katie Drummond 記者の2010-4-1記事「Pentagon Wants Troop Poop Porta-Reactors」。
 DARPAが計画中の、海外軍事活動用ミニ原発は、several years 単独で稼働し続ける。
 そして、汚泥をとりこんで、その場で車両用燃料を合成してくれる。
 バルカン半島の米軍基地は、そのゴミや排泄物を焼却するためだけに、毎年6万5000ドル分の石油を燃やし続けている。
 いま、アフガンにいる米兵は、1人が、1日に 22 gallons の燃料を消費している計算である。
 ※ミニ原発はまだカタチにすらなっていないので、情報も出尽くした感じですね。