レアメタルのブームが終わる。ウランも含めてね。

 「China donates 2.6 million U.S. dollars to the Bolivian military」という チャイナディフェンスブログが2010-03-31 に載っけている記事によると、北京は南米のボリビア軍に対し、37台のバス、21台のヴァン、40の船外機 を援助。
 前にもシナは、2007には34台のトラックと5台のバスと3台のヴァンを、また2009には2隻の〔湖用の?〕パトロールボートを、ボリビア政府に贈っている。
 ※いったいなんでそんなことをするのかというと、自国の打ち上げた人工衛星を全地球的に追跡する拠点を欠くシナは、地球の裏側に位置する、南米でもかなり貧乏なボリビアに目をつけ、同国内に施設を建設・運営しているという次第なのです。そのショバ代でしょうか。次々と打ち上がるナビ衛星の「北斗」や、シナも出資した「ガリレオ」をモニターするのに便があるのでしょう。ちなみにかつて弾道弾のテストをモニターする施設は、南太平洋の貧乏島嶼国上に求めたと記憶しますけども、今どうなっているのか不詳。
 2010-2-10のボリビア政府発表によると、同国はシナの援助を得て、国内の衛星通信網も充実させるという。
 関連してUPIの2010-3-31記事「Bolivia opts for Chinese military equipment」。
 げんざい、ロシアはベネズエラに対し、またフランスはブラジルに対し、巨大兵器セールスをプッシュ中。
 またシナは、ボリビアが麻薬組織を監視するための低軌道偵察衛星をうちあげるのを手伝うよ、と申し出た。
 ボリビアとパラグアイは1930’sに戦争した。原因は、国境の「グラン・チャコ」の一帯で石油が出るというルーモアだった。
 けっきょく、石油はまったく発見されなかった。
 ボリビアはパラグアイに領土をとられっぱなしである。またチリには1883の戦争で、太平洋につながる部分の領土をとられてしまった。
 ※じつに北京はいいところに目をつけたわけだが、地下資源も無いとすると、その投資は回収できるだろうか? それと、海なし国のボリビアには、政治的にクリティカルな重い資材は搬入できないよね。だからバスとかトラックどまりになっちゃうのか。ちなみに戦間期に「泰平組合」は、ペルーに相当量の日本製兵器を輸出しました。そのときに作ったと思われる豪華カタログが、並木書房さんから復刻されています『日本陸軍兵器資料集』(宗像&兵頭解説)だと思っています。
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 サイエンスデイリーの2010-4-3記事「Plastic Electronics Could Slash the Cost of Solar Panels」。
 テキサス大のシナ系研究者たちが発明。 indium tin oxide (ITO) よりも安価なプラスチックでソーラーパネルが作れるようになるかも。
 炭素をベースとした導電性プラスチックで、これをいろいろなものの表面に、インクジェットのようにしてふきつければ、それがトランジスターになり、ソーラーセルになる。
 透明金属たるITO用のレアメタル原料は、薄型テレビや携帯の液晶と用途競合するので、こんご、高額化の一方だろう。
 だが、この新プラスチックがITOを値崩れさせるかもしれない。将来、可撓性のディスプレイにも応用されよう。また、子供が耳の病気になると酸化窒素化合物が出てくるのだが、それを検知して変色する医療用のセンサーもつくれるだろう。
 ※兵頭いわく。いままでぜんぶは燃やせなかったウランやプルトニウム等も「ほぼ完全燃焼」させてしまう将来型ミニ原発は、原発燃料の世界的な供給不安を払拭することになるでしょう。東芝が先鞭をつけてくれれば、世界を救った企業と呼ばれるでしょう。同様、産地が偏在していたレアメタルの「代用品」が、次々と発明されています。シナ偏在のリチウムの代用品としては、日本人が、ありふれたマグネシウムが使えるんだと提唱をしています。そして頼もしいことに、米国の大学で研究している多数のシナ人やインド人が、リチウム以外のレアメタルの安価な代用品を孜々として発見し続けています。つまりは、在外のシナ人が、北京政府の思惑をチャラにしてしまっているのです。
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 ANTONIE BOESSENKOOL 記者が2010-4-2にアップした「Carter: DoD Focusing On Safer Resupply Techniques, IED Detection」という記事。
  ペンタゴンの調達のボス、Ashton Carter 氏は、アフガン作戦のために、何種類もの補給用の無人ヘリが欲しいと公言。
 けっきょくIEDを避けるには当面これしかないのだと認識。
 食糧、水、補給物料を、GPS誘導されるパラシュート〔パラフォイル?〕で投下することも考える。
 兵頭いわく。「無人輸送用モーター・グライダー」が、むしろ合理的かもしれませんね。往路は、最初にロケットアシストでむりやり2万m弱まで上げて放してやる。空荷になる帰路は、自力で離陸。片道飛行としてしまっても構わないくらいに、安く作ればよいだけです。胴体が、そっくり基地の倉庫になるでしょう。
 カーター氏またいわく、今年の夏からは、いよいよ飛行船搭載カメラによる監視を始められるかもしれない。
 イラクにある350の前線基地は削減が進んでいる。イラクの米軍車両は、ピーク時の 41,000 台から 29,000台に減っているそうです。