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 これからマヌケな質問をするので、詳しい人は答えを教えて欲しい。
 NYTのEditorial欄、2010-4-6付けアップの「Mr. Obama’s Nuclear Policy」という記事によると、げんざい米軍は500の戦術核兵器(弾頭とは書いてない)を保有している。そして、対するロシアは3000以上の戦術核兵器(弾頭とは書いてない)を保有している――とある。
 また、同記事にもあるけれども、現在、米露両国は、戦術と戦略あわせて2万発以上の核弾頭をもっているとされる。そして、2010-4-8のプラハ調印では、配備されている戦略核弾頭の数を、双方、いまの 2,200 発から 1,550発に減らす。これは、NYTでなくとも、他の報道でも皆、同じことが書いてある。
 さて、そこで試みに、2万発から、現在の米露の戦略核弾頭数だという「2200発×2国」(=4400発)を引いてみると、15600発となるだろう。
 その15600発からまた、現在の米露の戦術核弾頭数と思われる「500発+3000発」(=3500発)を引くと、12100という数字が残ってしまう。
 この、米露あわせて12100(発?)という、「戦略核でも戦術核でもない現有の核弾頭(核兵器?)」は、いったいぜんたい、どんな形でどこに存在しているのか? 工場や倉庫の中の、すぐには使えない「素材」「部品」あるいは「中古保管品」のような形なのだろうか?
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 おなじみネイサン・ホッジ記者の2010-4-7アップ「Nuclear Upgrade for the Pentagon’s Gajillion-Dollar F…」。
 米政府は、F-35に核兵器を運用させるという計画を公表した。
 今回のリビュー、ふだんめったに議論しない核抑止部門に照明を当てた。
 すなわち、欧州に配備している戦術核兵器だ。
 ゲイツは6日、これらの戦術核はNATOの重要な防盾として残される、と言った。
 ただしその数量はこれから考えなくちゃならん、とも。
 その非戦略的核兵器のひとつが、「B-61」である。これはイールド可変式なのだ。
 そしてリビューによると、米空軍は、この投下式核爆弾の兵器としての寿命を最大に延ばし、F-35から運用できるようにする計画であるという。
 またリビューいわく、米空軍は、F-16のように、通常爆弾も核爆弾も運搬できる「dual-capable fighter」を、F-16の退役後も持ち続けたい。すなわちF-16の後継機であるF-35にもそれをさせたいのだ、と。
 げんざい、F-35は、完成が遅れ、開発コストがみるみる膨れ上がっており、かつまた、量産と配備までのスケジュールも、遅れに遅れそうである。
  2015までに米空軍はそれを戦力化できそうにはない。ほんらい2013には初配備のはずだったのに……。
 『Inside Defense』 (subscription only) が4-6に報じたところでは、ペンタゴンは連邦議会に対して、F-35の納入単価が、 $158.1 million にまで高騰し、新記録を塗り替えそうだと4-1に通知したらしい。
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 DAVID E. SANGER and THOM SHANKER記者が2010-4-6にアップしている「Obama’s Nuclear Strategy Intended as a Message」。
 50ページからなる“Nuclear Posture Review”でいわく。
 冷戦時代から引き継いだ核兵器は、自爆テロリストや、核武装を目指す非友好的体制に対して 適当なaddress【構え】にならない、と。
 イランと北鮮に対しては “outliers”【離層、戸外に寝る人】 と呼び、ブッシュ時代のような “rogue states”とは言わず。
 これすなわち、今後の態度によっては核のターゲットから外してやってもよいぞよ、というメッセージを込めている。
 非核国が、化学兵器、生物兵器、サイバー兵器をもっていても良いが、ルールに従わずにそれを使うなら、または、拡散をさせるなら、米国は all options are on the table である。
 拡散しようとする国には、核報復もあり得る。“The message we’re sending here,” he said, was that countries that “actively pursue a proliferation agenda” would not be immune from any form of American retaliation, including nuclear.
 しかしもしNYでバックパック核爆弾が炸裂し、その兵器DNAから原材料国を特定できるとして、それに対する「核報復」をどこにするのか? 絶対確実に犯人を証明できないなら、核報復などできまい、と。
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 Jeremy Hsu 記者による2010-4-7アップ「Air Force Calls for Reusable Booster Vehicles for Military Space Planes」。
 宇宙飛行機を打ち上げると、180度ターンして無人操縦で発射基地近くに戻り、滑走路に着陸するという、再使用可能な、有翼の宇宙ブースターを、空軍は、今年から開発する。
 この Reusable Booster System (RBS)は、プロジェクト名Pathfinder である。
 戻るとき、ただの滑空にするか、ジェットエンジン等を使うかは、未定。
 2035までには実用化したい。
 類似のモノのテストが4-19に打ち上げられる予定の Boeing X-37B だ。こいつは、宇宙軌道飛行機も、再使用型ブースターも、どっちも、戻ってくる予定。
 もちろん、とうぶんは Atlas または Delta rockets が打ち上げ機であり続ける。
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 2010-4-6の記事「France Backs Away From The Chinese Threat」。
 インドと米国は圧力をかけ、フランスがパキスタン軍のF-17戦闘機用に進歩したレーダーや電子装備を供給せぬようにさせた。
 米国の懸念は、パキに供与されるフランスの技術が、すべてシナへ渡って、シナがコピー品を作って世界に拡散させるであろうこと。
 パキは軍事技術情報を第三国に洩らさないという約束を破ることで悪名高い。
 インドはフランス兵器の大得意先なので、インドの要請をフランスは蹴ることは不可能だった。
 パキはシナからさらに42機の JF-17 を追加で輸入するつもりだ。その単価は、 $14.3 million である。
 この飛行機はパキ国内でも組み立てられており、やがては1機が $12 million にコストダウンするであろう。なお、エンジンはロシア製の輸入(MiG-29と同じRD-93エンジン)。他の主要部品はシナ製 FC-1 の輸入。
 古いMiG-21や Mirage IIIをリプレイスしたがっている国々にとって、この価格は魅力的だ。
 パキが最初にJF-17 を買ったのは3年前。
 シナはこの機体を Super 7 fighter として20年間も開発してきた。ロシアがカネが無くなって途中でブン投げた「MiG-33」プロジェクトを引き継いだものだ。
 13トンの JF-17 は、むかしパキに売られたF-16とは互角だろうが、最新のF-16の性能にくらべると8割ほどの性能だろう。
 JF-17 は 3.6トンの兵装を搭載できる。空戦任務よりも爆撃任務向きの機体。
 作戦半径は 1,300 kmである。
 シナはすでに J-10 があるので、自国軍用としては採用してない。
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 2010-4-7の記事「Forbidden Weapons Won’t Go Away」。
 対人地雷は 1999 Ottawa Convention で多くの国が放棄したが、いまだに毎年5000人以上がひっかかっている。
 うち2割は死亡する。被害者の9割は男性である。
 被害者の1/3は、警察官もしくは軍人である。
 オタワの合意に加わっていない国が製造した地雷や、ゲリラの手製地雷が使われている。
 1999合意から数年以内で、15カ国以上が、 over 25 million landminesを処分した。※日本の場合は海洋投棄したと聞いている。白老の弾薬庫の人にかつて取材して聞いたところでは。
 the largest manufacturers of land mines は、 Russia and China である。この2国はオタワ合意に署名していない。
 シナ製地雷は世界の闇市場で入手可能になっている。
 China is believed to have a stockpile of over a hundred million land mines (mostly anti-personnel). その中から、古くなって廃用する寸前の物が、市場に出回り、1個5~10ドルで売られるのだ。
 コロンビアでは左翼ゲリラが、社会主義独裁政権をつくろうとして40年間も活動している。そして対人地雷をしかけまくっている。シンパでない市民に対しても使っている。
 ゲリラたちはシナ製中古地雷すら買えないので、手製地雷を作っている。だいたい1個3ドル未満でできる。そのつくりかたはインターネットで調べれば誰でも知ることができる。
 コロンビアでは対車両用の大型手製地雷も増えてきた。泥道で、乗客満載のバスが、それにひっかかるようになるだろう。よってコロンビアでの地雷犠牲者は、今年から急増すると予想されている。
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 2010-4-6の記事「Tanks In Afghanistan」。
 カナダとデンマークは、数十両の Leopard II tanks をアフガンに持ち込んでいる。
 こいつの120ミリ砲は、タリバンの砦をぶっこわすのに最適だぜ。IEDにも強いしね。
 装輪装甲車の護衛にも活躍する。
 しかるに米軍はアフガンに戦車を持ち込んでいない。Despite those advantages, the United States did not bring in tanks ※うかつにも知りませんでした。