『地獄のX島で米軍と戦い、あくまで持久する方法』文庫版は24日売りか

 光人社のNF文庫の最新ラインナップです。4月24日(土)以降に都内の書店発売ではないかと、現時点では予測がされております。
 この本の「聞き手」は、むろん実在はしません。が、冒頭に紹介されている、東北地方でサバゲーをやっている集団は、執筆当時、実在していました。じっさいに会津でお目にかかったことがありまして、その話をマクラに使わせてもらったというわけなのです。あの方々は、今、どうしておられるだろうか……。
 次。
 『朝雲』#2908号で、「第303坑道中隊」が3-25に、満12年で廃止されていたことを知りました。あの「坑道掘削機」を’91頃に勝田で最初に見たときの強烈な印象は忘れ難い。装備としてはまだ施設科の中に残るのでしょう。
 国内の炭鉱がほとんど閉鎖されてしまった中で、あの種の坑内用有人ロボットがピカピカの状態でスタンバイしているところなんて、もう陸自の施設部隊の中だけなのかもしれません。
 陸自で「303」とか「101」(空自だったら202とか404)とかナンバリングされている部隊は、全国で唯一つ、そこだけに存在するようなユニークな部隊です。さすがに、〈地対艦誘導弾を北海道北部の山奥のトンネルから発射して、いったい誰を迎え撃つつもりなんだ?〉という話になっていたものと推測します。需要は沖縄方面にあると思うんですけどね。訓練場所が確保できないんでしょう。やっぱり米軍にヤンバルから出て行ってもらうのが先か……。
 これから求められる陸自の新装備の一つが、軽量可搬な「穴掘りロボット」になるでしょう。UAVでこれだけ諸外国に遅れをとってしまったら、歩兵が地下に隠れて抵抗するしかないですよ。大きなAFVからソフトスキンまで、リーパー級UAVからのヘルファイア/マヴェリックを遁れる術はないでしょう。
 というわけで『地獄のX島~』で提起した島嶼防備の智恵の数々は、南西諸島の自主防衛がクロースアップされているUAV時代の今こそ、再読の価値が出てきたようであります。「砲兵隊用観測機」をUAVと読み換えてみてください。