中年過ぎたら、腰を屈めるときには必ず息を吐け。

 星条旗新聞が伝える。
 Erik Slavin 記者の2010-4-13記事「Navy mulls changes to physical fitness exams」。
 米海軍は、annual physical readiness test(体力検定)の内容を一新する。
 ながいあいだ、水兵たちの筋トレの主メニューであった sit-up (仰臥位から手を使わないで上体を90度立てる、激しい連続的な起き上がり運動)が、もうじき廃止される。理由は、これが腰痛(背骨の継ぎ目のずれ)を引き起こすと認められたため。 ※ちなみに自衛隊ではこれはなかったのではないか。
 多くの体操専門家は、より背骨に負担をかけないような腹筋運動(stomach crunches と書いてあるのだが、不詳)を推奨している。※静的な足上げ腹筋運動がよいかもしれませんね。
 sit-reach、すなわち尻をついた状態での伸膝前屈(足爪先に手で触る)も、米海軍は廃止すべきかどうか検討する。※これよりも、自衛隊体操にある、立った状態で左手先を右足爪先に、また、右手先を左足爪先に触れるという、交互の斜め前屈の方がマシでしょう。そのさい、腰痛持ちは、「体屈させるときは、必ず息を吐きながらする」という大原則を、「心手期せずして」励行したがよい。これを忘れると突然ギックリきて後悔先に立たず。
 2009-12の民間専門家会議では、いまの米軍式フィットネスが frontal muscles【胸筋と腹筋と大腿筋か】 ばかりを鍛えようとしていることが問題視された。
 背筋、および 他のcore muscles【インナーマッスル?】を鍛えずにそれをやれば、体を故障させる。
 現在米海軍は、水兵たちに、その性別と年齢に応じた、 push-up(腕立て伏せ)と sit-up の standards を課している。
 ※プッシュアップも腰痛にはよくないでしょう。40歳を過ぎたら、両膝をついて、片腕づつに交互に体重を乗せるという、変則的な腕立て伏せに変更すべきではないか。これなら、適度な負荷と、腰痛予防が両立するでしょう。
 持久力の検定では、水兵たちは、1.5マイル走か、固定自転車漕ぎか、無限ベルト・マシン上で走るかの、三択ができる。
 1.5マイル走より、マシンの方が楽だと思ったら大間違い。逆なのだ。後2者で体力検定に合格するためには、非現実的なまでの激走をしなければならない。というのは、走った距離ではなくて、12分間で燃焼できたカロリーが測定されるためだ。
 米海軍では、4年間に3度、この体力検定テストに失格した水兵は、任務から外されてしまうことになっている。
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 NYTになつかしのウィリアム・ペリーWILLIAM J. PERRY(1994 ~97の国防長官)氏とジョージ・シュルツGEORGE P. SHULTZ(1982 ~89の国務長官)氏が寄稿している。「How to Build on the Start Treaty」、2010-4-10付け。
 こんどの条約は、米露関係にリセットボタンを押したものだ。歓迎だ。
 次なるステップは、おびただしく残っている戦術核兵器の削減だ。しかもモスボールではなく、解体せねばならない。
 ロシア官僚と話をしたが、これ以上の削減は彼らにとっては難しそうだ。
 ロシアは東にも西にも、敵性隣国を抱えているからだ。※水爆1000発持っているシナとあれだけ長い国境を接していたら、さすがにこれ以上の削減は無理か。
 それと、米露の通常戦力が非対象すぎる。
 MDと中距離核も考えねばならない。
 イランのミサイルを邀撃するならロシアが地理的に最良の位置だ。
 1987のINF全廃は有意義だった。が、今日、ロシアは中距離核戦力で抑止しなければならない敵対的隣国を新たに抱えている。これにアメリカは同情すべきである。
 ※よくSS-20の極東分までバラしたもんだと感心していたが、やはり心穏やかではなかったか……。シナが東風21その他を増強すれば、ロシアもINFを放擲する可能性が大ですね。それを理由にワシントンは北京に「もう核増強するなよ」と詰め寄っている最中でしょう。それを公然化/公文化させるのが、次のステップでしょう。三沢のF-16撤収も、その環境準備でしょう。
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 Catherine Mayer記者の2010-4-19〔?〕の米『タイム』誌記事。※12日もしくは9日の誤り? 「Defense of the Realm: Britain’s Armed Forces Crisis」。
 アフガン出兵は英本土のテロを抑制するという英政府の説明だが、英国内ではどうも不人気だ。
 2003~09に英兵は179人、イラクで戦死した。またアフガンでは2001いらい、280人が戦死している。
 この両地域にはもっか、英兵が9500人、送られている。
 英仏はSLBM潜水艦のパトロールを共同分担しようではないかという話し合いを始めている。2-3の『緑書』もいわく、英は軍事予算逼迫の折、もっと仏と協働すべし、と。
 戦後のMalaysia、それから Sierra Leoneでも英国軍人は経験を積んだ。
 2003の Basra 統治が米軍の他地域よりもうまくいったのが自慢だったが。
 2008 にはシーアのゲリラに翻弄された。
 Basra から英軍は2009に final withdrawal した。
 マレーシアがうまくいった理由は、あのときは英政府が現地の英軍を本腰を入れて支援したから。
  “One of the keys to learning is to recognize that you don’t know everything.
 2003~2004にイラク人捕虜の尋問で英軍が数人を殺している疑いがある。
 2009夏の米軍大増強以前の英軍のアフガンでのモラールは最低に下がっていた。死傷の3/4はIEDによるものだった。
  Kosovoに行った時は、教室からつまみ出すべき bully boys が誰なのかはハッキリしていて気分は楽であった。しかしイラクでは、敵が曖昧で、英軍の果たすべき役割が分からなかった。
 英陸軍の定員は10万2070人で、それに今は570人不足しているだけである。
 英防衛評論家の Malcolm Chalmers はこれから6年間で全英軍の総定員が2割減らされるのではないかと予測。
 先回の大削減は、1994に British Army of the Rhine【西ドイツ派遣軍】を 規模で半分の常備軍にしたときだった。
 サンドハーストの陸大を2002-4に出てすぐイラクに1年間行かされた大尉いわく。4万人の街を、16人の部下と数両の装甲車だけで治安回復しなきゃらなかった。いま、30歳の教官となり、その経験をサンドハーストで若い者に教えているところ。そいつらは Helmand に行く。
 サンドハーストは 1812 からある。仏ではサンシールSaint-Cyr、独ならDresden にmilitary academy がある。
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 2010-4-11記事「Robo Chopper Rules Two Oceans」。
 米海軍フリゲートが東太平洋でさいきん MQ-8B helicopter UAV を使って麻薬密輸用高速ボートを追尾している。
 過去半年、フリゲート艦の USS McInerney (FFG-8)に、 MQ-8B (formerly the RQ-8) Fire Scout を載せて試験してきた。すでに110回の発艦/着艦と600時間の飛行をこなした。McInerney はこんどは太平洋に移る。
 この機体はそもそもリトラル戦闘艦用に開発されたのだが。リトラルの方が遅れているので、海軍は、これを他の艦にも積むことにした。
  Hellfire missiles を発射できる。
 滞空は  MQ-8B は8時間。しかし5時間が通例である。
 速度は時速 230 km。
 操縦可能距離は 230 km。これは陸地でも海上でも。
 基本的に、2人乗りの小型民間有人ヘリSchweizer Model 333を無人機に改造したものである。
 最大離陸重量は 1.5 トン。
 艦上ではローターを畳む。すると MQ-8B は、長さ 7.5 m×高さ3mのスペースに収納できる。
 ペイロードは 273 kg (600 pounds)である。よって、 106 pound のHellfire なら1発、 44 pound の Viper Strike missiles なら複数発を吊るせる。
 MQ-8B UAV の納入価格は $8 million である。これには予備部品と、地上管制設備が含まれる。
 ソフトウェアは、自動の着艦と発艦を可能にしている。
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 christopher p. cavas and COLIN KELLY記者による2010-4-9アップ記事「Independence On Its Maiden Voyage」。
 リトラル戦闘艦の2番目が処女航海。
 なんと44ノットまで出せる。