ウォーターハンマーは竜骨もヘシ折る。対策は「柔軟竜骨」か?

 JOHN T. BENNETT 記者の2010-4-15アップ記事「Obama Administration Renews Export Control Reform Push」。
 米政府が法律を改正し、米国兵器企業の対外輸出を緩和する。
 ただし、米国の軍事的優越を担保するユニークなシステムは、新法によっても輸出はきびしく制限する。
 それ以外のシステムは、同盟国が相手ならば、どうぞご自由に売ってください――となる模様。
 ※その一方でフランスが4隻のミストラル級をロシアに売るのはやめさせようとしてるけどね。
 次。
 Paul McLeary 記者の2010-4-15記事「U.S. Port Security Is A Global Issue」。
 米本土の港湾に入る荷物の1割未満しか「核物質・化学剤・薬物」スキャンはされていない。
 全数検査ができるように、至急、設備を整えたい。
 だがこれは難問だ。準備は、船が入港して荷おろしを始める数日~数週間前から始めねばならない。
 米国の港湾は、年に15 million 個ものcontainers を扱っているのだ。
 インポート業者の過去の履歴をデータベース化しておくと、その荷物が臭いかどうかは見当がつく。これがまず基本。
 Secure Freight Initiative (SFI) は、2006-12に、本土防衛庁とエネルギー省(核物質担当)の合同で、 pilot program として、積荷の全数スキャンを開始。その最初の3つの港湾は、「Puerto Cortes,Honduras」「 Qasim, Pakistan」「Southampton, England」であった。後日、これに「 Busan, South Korea」「 Hong Kong」「 Salalah, Oman」「 Singapore」の4港が加えられている。
 現在もそのうち5港では SFI を実施中。
 ただしGovernment Accountability Office (GAO) 【会計検査院】は、ほんとうにスキャンできているかは怪しいもんだ、と低く評価している。
 冷凍品や液体の商品をスキャンする場合はスキャナーのパワーを上げなければならない。
 これまでいちばん成績が良いのは、American Science and Engineering Inc. 社製の Z Backscatter Van (ZBV) という荷物スキャナー車。
 すでに 450台の ZBV systems が47カ国の 80の税関に対して売られている。米国の港湾では22台買われている。
 こいつは基本的にレントゲン車。
 生物兵器、化学兵器、核兵器、麻薬、密航者を探知してしまう。
 コンテナ港として北米では最大にして世界では8番目であるロサンゼルス港。ここが $3-million 出して買った新兵器は、コンテナ船が入港して岸壁に着くまでの間に中味をスキャンしてしまう、全長55フィートのレントゲン船。
 探知機は半没させられる。
  Eurocopter AS350 B2 helicopter にスキャナーポッドをとりつけて、上からも走査する。※船員はX線浴びまくりかよ。
 また、付添い人なしで船舶や港湾施設に立ち入りしてよいという資格を、すべての港湾出入り業者/労働者について、過去を審査して、与える。もちろん生体ID付きで。すでに2009-4から一部で開始中。
 問題は、そのカードの「生体ID」を読み取る機械の仕組み、および、その読み取り機を港湾当局者にもたせることについて、コーストガードがレギュレーションを決めかねていること。
 ※紫外線LEDでなきゃ読み取れない特殊IDをイレズミすりゃいいのよ。
 爆装スピードボートがテロに使われた場合の対策も考えられていない。2000-10の USS Cole は、Yemeni port of Aden に投錨していたところを狙われた。※この爆装ボートが「まるレ」艇みたいに敵艦舷側に爆雷を落とすタイプであったら、ウォーターハンマーでコリア舟みたいに撃沈できていたかもしれないのだな。
 本土防衛庁はまたコースガードと合同で、Predator B drones を2010末から飛ばすことに決めている。
 次。
 David Goldstein 記者の2010-4-16記事「Contractors failed to train Afghan police to adjust AK-47 sights」。
 アフガン人は、AK47およびM16系列の自動小銃に「照準規正」(照尺と照星を銃身の癖に合わせてアジャストしておいてやること。陸自ならば武器隊が専任。戦車砲のボアサイト調整とは違って、兵隊が勝手にやっちゃいけない。電子照準器時代になれば、個人でやるしかなかろうが…)が必要であることをまったく知らなかったことが判明。どうりで治安の成績が悪いわけだと。
 8年間、巨費を投じてアフガン政府警察を訓練してきたが、米国人教官の誰もそのことに気が付かなかった。※その無能警官の給料の半分は日本の納税者の税金からだぞ。日本から教官を送り込めよ。あと、64式小銃もな。
 次。
 KATE BRANNEN 記者の2010-4-15アップ記事「U.S. To Send Hummingbird UAV to Afghanistan」。
 米陸軍は、米特殊部隊コマンドから、1機の ボーイング製のA160 Hummingbird 垂直離着陸UAV を借り、それをアフガンで使うつもり
 自重2500ポンドのこのUAVに、 グラマン・ノースロップ製の Vehicle and Dismount Exploitation Radar (VADER) をとりつける。これは地表で動いている車と人を追跡探知できる。
 陸軍としては、できれば数機、買いたい。
 次。
 Anne Gearan 記者の2010-4-15記事「Pentagon to adopt uniform rules on guns」。
 基地内で、軍人の私物の銃器をどう管理するか。
 昨年のフォートフッドの13人殺し(with 私物ハンドガン×2)を承け、ペンタゴンの方針決定。
 ゲイツは6月までに暫定しろと求めていた。
 基地にもちこむ場合はMPに対して登録しろ、とかになる。
 ※米国議会では、本土テロ予防絡みで、セミオートマチック銃器の規制法の話がもちあがっているが、銃団体が猛然とロビイングをしていて、規制賛成派議員へのイヤガラセがすさまじいらしい。