この月末の泥棒対策には『予言 日支宗教戦争』をどうぞ。

  Kent Harris記者の2010-4-23記事「Ash has lingering effects on AF jets」。
  英国の Lakenheath基地の米空軍のF-15が8日間の地上待機をやめて22日に飛行再開。
 脅威だった高高度の灰が薄らいだため。
 しかし英国 Mildenhall の KC-135 はまだ飛行再開できていない。
 在独の Ramstein and Spangdahlem air basesでも22日に正常化。ただしアフガンやイラクとの往復フライトが多い Ramsteinでは、まだスペイン経由を選ぶこと多し。23日にはこれも元に戻す。
 Spangdahlem では A-10 and F-16 の training sorties を実施。
 F-16s at Aviano も22日夕方に飛行再開。
  Ramstein, Sembach and Kapaun 基地では、そこからの差出し郵便物を26日まで受け付けない。再開で大混雑のため。
 雑誌や電気商品のような雑貨はふだんから船便で米本土から欧州の基地へ送られている。
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 サイエンスデイリーの2010-4-21記事「Researchers Create ‘Sound Bullets’: Highly Focused Acoustic Pulses Could Be Used as Sonic Scalpels and More」。
 音の弾丸ともいうべき、強力な音のパルスを物質中の一点へ精密集中させられる、非線形の音のレンズを大学の研究室がつくったよ。
 これは医療診断や非破壊検査に使える。
 レンズは21列×21行の、巾9.5ミリのステンレス球などから構成されている。
 Newton’s cradle という科学オモチャがある。横一線に相接するように並べて吊るした球列の端末に、振り子球の打撃を加えれば、列の反対側端末の球が弾かれて振り子式に横へ飛び出す。
 この仕組みを応用すると、 Solitary waves 、つまり後続波がともなわない、冒頭の振幅1往復だけで切断された音を発生させることができる。
 これは音の歪みを起こさせずに、きれいな波形のまま、強力に増幅させやすい。
 このような球列装置多数を、空間のある一点に収束する如く照準し、発生させた音が同時にその一点に届くようにする。
 将来、この集中音のパルスによって、人体の深いところの癌細胞を、非侵襲的に、外部から狙い撃ちに破壊できるようになる。※いま既にある結石破壊装置を、より研ぎ澄まそうというわけか。
 特定の細胞を高温化してやるという hyperthermia therapy 治療法にも、将来は、この音パルス集中銃を用いることができよう。この音はかなりのエネルギーを伝達でき、しかも極精密照準可能だから、隣接の健康細胞に対するコラテラル・ダメージはゼロなのだ。
 橋梁、船舶、航空機の構造に微小なヒビが入っていないか、非破壊的に検査するのにも使える。※X線よりは気易そうだ。
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 ミリテクのStaff Writersによる2010-4-22記事「Boeing Team Supports Upcoming Biofuel-Powered Flight Of US Navy FA-18」。
 4-22は米国の「アース・デイ」なのて、海軍がデモする。
 メリーランドの Naval Air Station Patuxent River からはF-18が、カメリナ油とJP-5を半々に混ぜたバイオ燃料で飛んでみせる。
 ボーイングはまた、5機の民航機、4種のエンジンでも、バイオ燃料を試す。
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 ストラテジー・ペイジの2010-4-22無署名記事「Why Leakers Are Never Identified」。
 米首都では、ほんらい秘密であるべき話をリークして報道をさせるという流儀は1900頃からみられる。
 そのうち6割は、「誰が違法なリークをしたのだ?」と捜査が始められることすらない。
 1995以降、リークをした廉で訴追にまで至っているのは、タッタの2件のみである。
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 ストラテジーペイジの2010-4-22無署名記事「Troops Prefer Radio Shack」。
 4年前、国防総省は 135,000 portable GPS receivers を支給していた。いま、その数は over 200,000個 だが、将兵は依然として民用のGPSの方を選好している。
 歩兵にとっては、軽い方が有り難い。電池も民間機の方が長くもつ。
 過去4年で、米陸軍は、10万台以上の、 early 1990sから使っていた PLGR GPS 受信機を、新しい $2,300 するDAGR (Defense Advanced Global Positioning System Receiver) によって更新してきた。この新型の重さは、0.45 kgあるが、ちょうど a standard two-clip ammo pouch の中に入れておける寸法 (16.5×8.7×4cm)なのである。
  DAGR は、初回の現在地割り出しを、スイッチを入れてから60秒以内にしてくれる。バッテリーは12時間連続使用可能。
 もちろんアンチ・ジャミング機能あり。Precise Positioning Service (PPS)が使えるので。
 ただしイラクでもアフガンでも、歩兵がGPSジャミングされた例は一件も報告されていない。だから、兵隊たちは、もっと軽い市販品を携行し、DAGRは兵舎に置き去りにして出る。
 DAGR のディスプレイは 43×58mm である。
 nearly 40 inches of waterの耐水。
 陸軍は25万個の DAGRを発注したが、まだ古い PLGR も車載用としては役に立つ。米陸軍は、国外で作戦中のすべての車両に、GPS装置を載せる意向。
 1990~91の湾岸戦争が、米陸軍のGPSの使い始めだった。まだコンステレーションが完成していなかったため、夕刻の数時間はダメだったが、それ以外では、ハンディ受信機でも25m精度を得られた。
 砂漠ではこいつが命を救った。用意された地図は不正確で、しばしば兵隊を一層混乱させるだけであった。
 当時の装置は、SLGR (Small, Lightweight GPS Receiver, or “Slugger”) と呼ばれた。最も軽いものでも1kg近くあった。
 1991-2末までに、Some 4,500 GPS が湾岸の将兵に支給されている。そのときでも将兵は、市販の民用機を数百個、買っていた(親が買って送ったものもあり)。それは1台 $4,000 もしたのだが。
 2000年にはGPSの市販品は数百ドルになっていた。そして今では携帯電話の中に入っている。
 次。2010-4-22記事「Third Attempt To Replace The M-109」。
 半世紀使っているM-109自走155ミリ砲のリプレイスとして米陸軍は、 XM1203 NLOS-C を考えていたがこれは2009にキャンセルされた。
 今、検討されているのは PIM (Paladin Integrated Management program)だ。
 要するに、900両ある M109 Paladin self-propelled 155mm howitzersを、概略同じもののままアップグレードし、新造してもらったそのマイナーチェンジ品を、これから数十年、使おうというのだ。
 ただし、シャシには、 M-2 Bradley infantry vehicleを流用する。
 a new engine control system も採用する。
 また、XM1203 の半自動ランマー&閉鎖機も採用する。
 ただし自動装填にはしない。つまり砲側員は、装薬と90ポンドの砲弾を、あいかわらず腕力で取り扱う必要がある。
 ランマーさえ自動化すれば、人力で桿を押し込むのとは違って、薬室内の装薬の位置が、毎回、寸分たがわずピタリと同一になるので、燃焼特性がバラつかない。よって、精密修正狙撃が可能になるのである。
  NLOS-C は、8種類の戦闘車両をファミリー化する試みの第一号となるはずだったが、 FCS (Future Combat System) program そのものが議会にアピールせず、2009にキャンセルされてしまった。
 7年前の2002に、Crusader SPがキャンセルされたあと、半年で急いでツギハギ細工されたのが、 NLOS-C だったのだが……。
 クルセダーはM1戦車と同じエンジンを使い、自重45トンで全自動装填という贅沢なものであった。※これがラムズフェルドに拒否されたことでシンセキ陸軍参謀長の現役キャリアは終わり、退役軍人庁に転出した。
 初期試作のNLOS-C は Crusaderの autoloader を転用する予定だった。また hybrid-electric engine を使う予定だった。自重23トンで、たった2名によって乗り回される。(M-109は5名である。)
 しかしイラクの現実から防護力を強化した最終バージョンは、自重27 tonsに増えてしまった。
 車内には155ミリ砲弾×24発が即応分としてあり。
 2名でいったいどうやってメンテナンスや、24時間警備や休憩をするのか?
 これを解決するために、1両のXM1203自走砲に、複数個のチームを、車付兵として割当てる方式が考えられた。ここ数年、空軍のほとんどの飛行機と、海軍の一部の艦艇でも、この方式を導入して、24時間×1週間の不眠不休の連続作戦を可能にしているのだ。
 PIM は乗員4名となる
 NLOS-C は、GPS guided Excalibur shell が無意味化したのである。
 この魔法の砲弾は2年前から導入され、砲兵のすべてを変えてしまった。
 なにしろ、いままでの砲弾準備量の1~2割で、戦争ができるようになったのだ。
 対テロ作戦では、そもそも M-109 にすら出番は少ない。重宝しているのは、牽引式の軽量な M777 である。もちろん、 Excalibur shellを使う。
 PIM は数ヵ月後に試射を行なう。調達は 400 両以上だろう。 Excalibur shellのおかげで、古い M-109も寿命が延びるだろう。
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 ナショナル・ディフェンスの2010-5月号、Grace V. Jean 記者の記事「Improvements to Discontinued Humvees May Last Another 20 Years 」。
   デビューから25年。 humvee は、その座席底鈑がフラットでIEDの爆圧に対して構造的に弱すぎるため、ますます兵隊から見捨てられつつあり。とはいえ数が厖大すぎて、すぐに装甲車では更新できない。
 そこで陸軍と海兵隊は、こいつが装甲車JLTVで完全更新されるまでのあと20年は、装甲強化で凌ぐつもり。
 ただしボルトで後付けする増加装甲は断りたい。重くなって走れなくなるのだ。
 海兵隊が、V字形断面の底板にしたものを、アバディーンでテストさせている最中だ。※アーチ・ダムと同じ理屈で、力の来る方へ彎曲していれば、面が凹ませられずに済む。「爆圧を逸らす」効果もある。確か1960年代のM48中戦車は、舟底型のhullではなかったか?
 V字底にして全体をモノコックのカプセルにする。これが軽量化と耐IEDを両立させるすぐれた方法である。ハンビーもこれにしなければならない。
 陸軍は、15万台の humvees をもっている。製造はインディアナに本社がある AM Generalだ。
 1/3は装甲が強化されている。
 1/3=6万台はrecapitalization待ち。※長期酷使後の大修理のことらしい。
 1/3は、経済的に使用できる限界寿命とされていた15年を超えている。
 陸軍は2011までに、新車の humvees の調達を打ち切る。
 fiscal year 2011 contingency operations budget の中で米陸軍はハンビーのrecapitalization用として $989 million を要求している。
 カプセル化は、同時に、燃料系を乗員区画と完全に分離する設計にできる。つまり、爆発で火災が生じても、乗員は焼き殺されない。
 最近のハンヴィーはアルミ・ボディである。※知らんかった……。
 溶接鋼板のモノコックなら、横転したときも潰れない。
 バッテリーも、カプセルの外(リア)に取り付ける。
 ディフェレンシャル・ギアなどのパワートレインが装甲で覆われることが放熱に悪影響を及ぼさないか、アバディーンで確認中。
 海兵隊は2020までに 25,000台の humvees を要求。
  5,500 両のJLTVsも買うが。